「綺麗な物語です」かがみの孤城 青さんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗な物語です
原作未読、前情報ゼロ、息子が原作は読んだことあると言うことで鑑賞。
7人の中学生がそれぞれの理由から不登校になったり親元を離れていたり。
不思議な城へ招かれた彼らが、心を通わせる相手をみつけ、時間をかけて癒しを得ていく。
孤城は海の中にそびえ立ち、7人はここには誰もこない、孤立した場だと感じている。
つまりは7人と狼さんだけの場が整えられている。
中学生という年代に焦点をあてているところがキモ。まだ親に養われ義務教育期間であり、でも学校という社会生活を送らなければならないという観念にはしばられている。
不思議な城という「子供らのための場」は実は現実世界に作成不可能ではない、フリースクールの先生も登場するし。けれど現実世界ではそこは子供も親もたぶん逃げ場と認識してしまい、まったく異世界という場だからこそ孤城が機能していくのはみていて納得。
物語的には7人いるのでそれぞれのエピソードはあっさりしている。時間が経過していくことも大事な要素なのを提示しているのに好感をもつ。予想できることもあるんだけど、こころが動いて、7人の生きる世界が動いて、クライマックスを駆け抜けていくの、よかった。泣いてしまった。映画館のほかの方もすすり泣きがきこえてきた。
ラストはまあ主人公だしね?
エンドロールは優里の歌でまた泣いた。
家に戻って確認したらポプラ社の作品。
納得。
驚きとか派手さとかはない、でも中学生や小学生にみてほしい。
人間の弱さがオブラートに包まれながらファンタジーとして描かれていた。
中学生の息子と観れたことを忘れないとおもう。
帰り道の空がみたことない色で。
夕焼けがはじまるところ、下から
青がグラデーションで3色くらい、紫から赤、桃数種類のオレンジへ。黄色くなったさきには空色がまだ残っていた。
帰宅後入場特典開封。素敵。