「受難の子供たち。」かがみの孤城 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
受難の子供たち。
本作の主人公たちは中学一年生から三年生と、統計的に見ても不登校の生徒数が突出して多い世代の子供たち。
小学生から中学へと上がる時期は思春期にさしかかり、また環境の変化や受験などなにかと精神的に不安定になりやすい時期でもある。
自分自身の経験でもこの時期はかなり精神的に不安定な子が多かったと記憶していて、正直人生の中で一番辛かったような気がする。何よりも小学生の頃の友人が豹変してグレたり、酷い状況になっていくのを目の当たりにして本当につらかった。彼らはそれぞれ家庭の事情などを抱えていたのだろう。
さすがに私の頃よりも不登校が社会問題化している今ではフリースクールなど子供たちの受け皿もあって、子供たちに選択の余地があることはよいことだと思う。
そもそもいじめで自殺するほどつらいのに無理して学校へ行くことに何の意味があるのか。命よりも大切なものはこの世にはない。学校へ行けないほど悩んでるのならいっそいかなくてよい。学校に行けない自分を恥じたりする必要もない。
日本の学校教育は旧態依然の代物。最近話題のギフテッドの子供たちの問題なんかを見ていても、いかに日本の学校教育が遅れているかよくわかる。
明らかに時代遅れの日本の学校教育制度をあえて選ぶ必要もないのかもしれない。本作でも経済的余裕のある家庭では海外留学なんて道もあるし。もちろん経済的に余裕のない家庭では無理だがそれでも進学を望むなら大検という道もある。
本作は家庭や学校での居場所がなく、誰にも悩みを打ち明けられない中学生たちが一つの場所に集められ、願いが叶うという部屋の鍵を探す物語。それぞれが個々の願いを待っていてそのために鍵を探すがいっこうに鍵は見つからない。
結局、鍵を見つけた主人公は仲間を救うためにその鍵を使う。しかし、その鍵で救った仲間こそがいずれ自分たちを救ってくれる存在だった。
悩みを抱えて孤立してしまうことがなにより危険だ。それこそ最悪な悲劇となってしまうことがある。自身の悩みを互いに打ち明け他人と共有しあうことでその重荷から解放され連帯意識も生まれる。
本作は悩みを抱えた少年少女がお互いの悩みを分かち合い、助け合うことで自身が救われる様を描いている。君は一人ではない、悩みがあるなら打ち明けてほしいと本作は訴えている。
学校や家庭での悩みを抱える子供たちに是非とも見てもらいたい作品。そして自分はけして一人ではないのだと知ってほしい。
共感コメントいただきましてありがとうございました😊
最初私も同じく思いました。
絵が可愛いです。しかし、
未成熟の子供にのしかかるのは、
大人であってもキツすぎる状況。
それをどう解決するのかと思っていたのです。
ありがとうございました。
返信結構ですので☘️
こんばんは♪、
そうですね、先日もgiftedの小2の女の子と両親。その子の為にアメリカに住む家族、その子が日本の教育は遅れている、と言ってました。 横並びの教育ですから。
本作、悩みを打ち明けよう、というテーマなのですね。よくわかりました。ありがとうございます😊
今晩は。
”学校や家庭での悩みを抱える子供たちに是非とも見てもらいたい作品。そして自分はけして一人ではないのだと知ってほしい。”
全く、仰る通りですね。
私は、今作をレイト前で観たのですが、私の地域ではあり得ないほぼ満席状態で(お客さんは、高校生が多かった。)一年振り位に両脇に高校生の女性が座っているというオジサンとしては、キンチョーする状況で観たのですが(おバカ)、そんなことは直ぐに忘れて、作品の世界観に没入しました。
原作は読んでいたのですが、アニメーションで可視化された事が、良かったなあ、と思った映画でもありました。では。