「ファンタジーや謎解きとしても楽しめるが、リアルなエピソードだけで十分に感動的な物語になったのでは?」かがみの孤城 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタジーや謎解きとしても楽しめるが、リアルなエピソードだけで十分に感動的な物語になったのでは?
異世界での宝(鍵)探しの話なのかと思っていたら、不登校やイジメの問題が主たるテーマになっていて、予想外に重たい話であることに驚いた。
アニメーションとして製作されたのも、ファンタジーだからという理由だけではなく、これを実写にすると、生々しくて陰惨な話になってしまうからだということで、合点がいった。
その一方で、鍵の在処や城に集められた子供たちの謎が一気に明らかになるラストでは、ファンタジーとしての面白さも楽しめるようになっている。
ただし、不登校の子供たちのシェルターのような役割を担う「孤城」は、劇中にも出てくるフリースクールに置き換えることができるだろうし、主人公は、母親にも、先生にも十分に恵まれていると思えるので、わざわざファンタジーや謎解きの話にしなくても良かったのではないかとも思えてしまう。
現実世界で、転校していくクラスメートと和解できた時点で、主人公は、前を向いて生きていけるようになったのだろうし、ここがラストでもよかったのではないかとさえ思えるのである。
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