劇場公開日 2022年12月2日

「やっぱり小説の映画化は難しい」月の満ち欠け バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 やっぱり小説の映画化は難しい

2025年9月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

カワイイ

原作は4人に渡る生まれ変わりと前世の記憶を題材にした恋愛小説なんだが、やはり映画はいろいろと変えている。1番大きいのは生まれ変わりの3番目をカットして3人に減らしているところ。またその影響もあってか登場人物が原作よりも全体的に若くなっている。他にも原作と変えられたところがかなり多く、映画を観る少し前に原作を読み終わっただけに、あー、ここは変えられたか、ここもカットされちゃったかの連続で、そういうところばかりが気になってなんだか映画そのものに集中できなかった。まあ原作よりかなり薄味になっちゃった感が強いのは確かだ。

『鳩の撃退法』の時も思ったが、佐藤正午の長編小説は文章ならではの表現や展開が多く、映像化するのが難しいものが多いように思う。また文章表現の部分にこそ“味”があるので、あらすじだけを追ってもそれこそ味気なくなってしまう。かといってそこまで表現していると上映時間が長くなるというジレンマ。そのあたりは廣木隆一監督をもってしても上手くいかなかったようだ。あと1980年パートの風俗再現がなんだか甘いように感じた。実際の80年代の現代劇映画なんかを観てるとなおさら。

ただ有村架純は相変わらず演技が上手い。相手役の目黒蓮も決して下手ではないんだが、有村架純が上手すぎてなんだか下手に見えてしまった。

バラージ
PR U-NEXTで本編を観る