劇場公開日 2023年8月11日

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「安っぽい脚本が、せっかくの素晴らしい演技を潰す」リボルバー・リリー talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0安っぽい脚本が、せっかくの素晴らしい演技を潰す

2025年3月25日
PCから投稿

<映画のことば>
「お前たちのような国家の犬が見る夢は、どんな夢だ。いい加減に、目を覚ませ。
お前たちは、何を信じているんだ。
資源も資金も足りないこの国に、他国を侵略する力があると、本気で思っているのか。
このままでは、日本は自滅するぞ。」

<映画のことば>
「彼は百合さんとの子を亡くしたことで、痛感したそうです。
もう殺し合いの時代は終わったのだと。」
「殺し合いは、続いているじゃない。(でも)何で私なの?
なぜ、あの子を私に託すの?…ほんとに勝手な人。」
「水野は死んでいなかった。
大いなる目的のために自らの死を偽装し、細見になることを選んだ。
戦争を回避し、経済力で国を成長させる。それを、たった一人でやろうとしたんだ。
大した人です。」

「回転式拳銃を自在に使いこなす女スパイ」ーそんなようなところでしょうか、本作の題名の意味するところは。

しかし、そう言い切る細見(水野)も、息子・信吾の護身用として武器(拳銃)を託しているのですから、彼自身が否定したはずの「殺し合い(のための道具)」で、息子の護身を図ろうとする-。

とはいえ、現実問題としては致し方ないのかも知れませんけれども。
何か…腑に落ちないものを感じてしまうのは、果たして評論子だけだったことでしょうか。

総じて、安っぽい脚本が、本作の水準を引き下げてしまっているように、評論子には思われました。

評論子的には、良作としての評価がやっとこさという一本だったと思います。

たとえ、多くのレビュアーが正当に評価しているように、主演の綾瀬はるか渾身の「女スパイ」としてのスタイリッシュさ、あるいはまた、軍部が幅を利かせていても、まだ昭和初期のような「きな臭さ」は感じられず、「大正ロマン」の、いわゆるセピア色に美しい時代描写を最大限に加点したとしても。

(追記)
寡聞にして知りませんでしたけれども。
多くのレビュアーの指摘によると、ふだんの綾瀬はるかは、天然系で通っているとか。
そういえば、別作品『はい、泳げません』あたりでは、その持ち味を遺憾なく発揮していたのかも知れません。
「天然系の女優さんが演じた女スパイのアクションもの」…上記のとおり、脚本の弱さがなければ、
それはそれで面白い一本になり得たのかと思うと、ダブルで残念な評論子でした。

(追記)
本作の行定勲監督は、どちらかと言うと、静謐(せいひつ)で、重厚な作風のドラマを多く撮っている監督さんというイメージがありました。

行定監督が本作を手がけた経緯は承知しませんけれども。

あえて他ジャンルへの挑戦ということだったのかも知れませんが、伝統的な(?)「行定路線」の一本ではなかったことは、確かだと思います。

talkie
トミーさんのコメント
2025年3月25日

共感ありがとうございます。
記憶が無くなってきてます・・今となってはゴールドボーイのデビュー作、ジェシーくんとの第一種接近遭遇位の印象です。
割とアクションには定評の女優さんですよね。

トミー