「アクション重視も痛快さが弱い」リボルバー・リリー ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
アクション重視も痛快さが弱い
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長浦京原作の日本のスパイ・アクション小説を映画化した本作。大正時代を見事に再現されています。重要なのは、軸足がどちらになるかです。ストーリー重視として軍資金を巡る陰謀や謀殺といった重々しさで展開するのか、アクション重視としてストーリー展開よりテンポを良くするかとなります。冒頭では陰謀、謀殺からの不気味さ、陰湿さの重々しさが際立ってきますが、中盤からはそれが無くなりガンアクションに振れていきます。そして後半は完全にアクション重視となっていきます。綾瀬はるかの小気味よい動きを際立出せたくなるのはわかりますが、あまりにも無理な闘いシーンにリアル感がなく荒唐無稽に思えます。そもそも主人公の小曽根百合こと“リボルバー・リリー”の人物像が確立しておらず、スパイであるのにただの殺し屋となっています。そこまでそぎ落としたのなら、娯楽アクション映画のようにクライマックスはド派手な演出してほしかったです。豪華な出演陣の割りには地味な作品でした。
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