「独歩、そして二人でゆく」人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版 室木雄太さんの映画レビュー(感想・評価)
独歩、そして二人でゆく
その指先に信念が宿る、永続的な情熱を捉えた人生録。私は、クライマーでは無い為、テクニカルな視点では何も論じ得ない。ただ、彼が挑戦を単独に拘る姿勢、己の領域を把握するが故、入念な準備とトレーニングを怠らない“対策の人”である姿は、困難に直面する全ての人へ、それぞれの人生における“登頂”への指南役となって迫るはずだ。眼差しの優しさに裏打ちされた根拠のある自信は、虚勢では到底太刀打ちできない巨壁と対峙してきた生き方があってこそだろう。後悔など1ミリも滲まない前向きな姿に、素直に心が涙していた。
コメントする