「猪子蓮太郎の誇りと自由な教師のドラマ」破戒 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
猪子蓮太郎の誇りと自由な教師のドラマ
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原作そのものを読んだわけではないけれども、主人公の態度への批判があるという評判を知っていたので、水平社百周年に相応しい映画作品なのかと思いながら観てみることにした。ネット評では、新しく付け加わったところもあるけれども、概ね原作に忠実に描かれているという。猪子蓮太郎が自分が賤民階級の出自であることを堂々と明かし、誇り高く闘う姿勢を示したことは、大いに評価すべきではないかと感じた。主人公は、確かに良心の呵責に苛まれて学校から去ることになるけれど、身分を気にしない恋人を得ることができ、理解ある友に見送られるとともに、原作を少し変えたとされる教え子の小学生たちからも見送られる最後は、『いまを生きる』他のような、現代にも通じる自由な教師のドラマとしても位置づけられるであろう。竹中直人氏、本田博太郎氏、大東駿介氏等の悪役振りも、はまり役であった。
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