「我は穢多なり」破戒 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
我は穢多なり
明治30年代後期、差別部落出身の出自を隠し、長野の尋常小学校の教員をする青年の話。
明治になり身分制度が廃止されてもなお、色濃く残る差別を背景に、幼少期から父親に出自は隠し通す様に言い聞かされてきた青年が、身を置く寺で出会った女性との恋や、出自を隠さなければならない現実に葛藤するストーリー。
出身地方や被差別部落出身の文筆家にして思想家の猪子蓮太郎に傾倒する様から、隠していた出自についての噂が立って…。
産まれも育ちも東京の自分の周りでは、幼い頃から既に所謂同和問題なんて聞こえて来なかったし、学校でも同和教育なんてなかったけれど、就職した際に会社で同和教育なるものがあり、西の方の出身の同期に学校でもあったと聞いて驚いた記憶が…。
ネットで情報が入ってくる現在に於いては、色々とキナ臭い話も聞こえてくるけれど。
今作の時代の世間では当たり前にあったし、教育者や政治家にあっても発言に矛盾するところのある部落差別問題が罷り通っていた状況下。
こんな簡単な話しではないとは思うけれど、人に惹かれる人にはそれなりの理由があるし、子供は純粋だしみるべきものをちゃんとみて感じているということですね。
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