「ビデオデッキすら知らない高校生にサンダー杉山を教えたって・・・」貞子DX kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ビデオデッキすら知らない高校生にサンダー杉山を教えたって・・・
「人の気持ちは方程式では解けない」という名言まで生み出してしまった本作。コメディ要素満載であるため、今までの「リング」「貞子」シリーズとは一風変わった作品に仕上がっていました。これは喜ぶべきことなのか?マンネリ化に飽きたり、辟易したり人にはいいかもしれないし、往年のファンにとっては怖くないなどと酷評も出るだろうけど、新しいファンを掴むにはうってつけだったような気もします。
個人的にホラー映画で評価が上がるのは、①社会派要素がある、②人間が最も怖い、③コメディ要素があるの3点なのですが、コメディへの偏りはあるものの全て満たしているのが嬉しい限り。これは中田秀夫監督には撮れないなぁ・・・などと、シリーズ中では最高点を献上してしまいました。
冒頭から、大槻教授vs韮澤編集長の対決を彷彿させるかのようなIQ200の天才大学院生・一条文華(小芝風花)vs人気霊媒師kenshin(池内博之)の番組共演。さすがに年齢差もあるため相手を見下したりはしないが、「呪いなどない」「科学で証明できる」などと天才ぶりを発揮。まぁ、IQ200って時点で笑える話ですが・・・ギネス記録の髪の毛の長さ7m93㎝を知っててもIQ200にはならない。
昨日観た『MONDAYS』に登場していた円井わんが早くも退場。彼女が呪いを解くために頼った前田王司(川村壱馬)が笑えわせてくれるキャラで、鬱陶しいながらも存在感があった。そして天才大学院生文華を演ずる小芝風花はやっぱり可愛い。耳の後ろに指を立てるシーンにはキュンとなってしまいます。可愛さの科学的根拠も知りたいけど、気になった方はとりあえずロックオンしてください!
ガメラ?と聞いて思い出すのは中山忍。あの頃は良かった。と、『ガメラ2レギオン襲来』のビデオも出てきますが、木村監督が助監督をやっているらしいです。
一番のツボは貞子かと思ったら“静岡のおじさん”だったことでしょうか。呪われた人たちは白い服を着た髪の長い人を見ちゃうんですが、それぞれ大切に思ってる人ばかり。そして呪いではなく貞子ウイルスだと仮定し、徐々に解明していく面々。ヒッキーの感電ロイドが頼りになりました。一歩前に出ることの大切さ。なんだかホラー映画を逸脱していくのも面白い。やっぱりコロナの影響があるんですかね。
社会派要素として、全てエンタテインメントのために仕組んだ罠だったと知らされること。インチキ霊媒師について。そしてカルト宗教批判も感じられた(個人的に)。ウイルスに関して、7日間から24時間になったことは仮定でしかないが環境に適応するため変異を繰り返したのだと結論づけた文華。集団免疫ができるとかの論理思考も結局は崩れ、最終的には毎日呪いのビデオを見なければならないことに・・・もう毎日テレビで放映してくれてもいいし、日本人の日課と定めてくれてもいいぞ!
> 『ガメラ2レギオン襲来』のビデオも出てきますが、木村監督が助監督をやっているらしいです。
"カメがくるくる回る映画" は、レギオンだったんですね。視力悪いから見分けられなかったので、スッキリ! ありがとうございました!
浅いようで、意外と深い、風刺しながらしっかりテーマ性のある映画でしたよね!
小芝風花と言えば、妖怪シェアハウス!面白くて、彼女の魅力溢れるドラマなので、是非ご覧ください♪