今夜、世界からこの恋が消えてものレビュー・感想・評価
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忘れられても構わない。忘れたくない。
レビューを投稿するのは初めてでそわそわしますが、、自分の心に正直に、今の気持ちを残せたらと思いこれを書いています。
ヨルシカの大ファンで、主題歌を劇場で聴きたくて観に行きました。
行ってよかった。心からそう思います。
キャスト、音楽、映像、世界観、ストーリー
全てが綺麗で、儚くて、暖かかったです。
緩やかに、けれども確かに、セカコイの世界に引き込まれていくのがわかりました。
真織が撮影する透の画面越しの表情、教室で向かい合って会話しているときの透の表情、、真織を見つめる目の演技が素敵だと感じました。主演のお二人はもちろんのこと、泉と早苗が本当に素晴らしかった。必要不可欠でした。
3つの条件と、果たされなかった3つ目の条件。
花火大会のシーンは映像の美しさも相まって見入ってしまいました。確かに2人の間には愛があったんだと。
そしてぜひ、主題歌の左右盲をじっくりと、歌詞を見ながら聴いてみてください。主題歌というだけあってセカコイの世界に通ずるものがあり、もっともっと余韻を楽しめるのではないかと思います。忘れられる方と忘れてしまう方。忘れられても構わない。忘れたくない。直接的ではない愛の表現、美しい言葉選びにきっと虜になります。
真織が花火大会で呟いた忘れたくないという言葉、私もです。忘れたくない。
この作品を見て涙を流したこと。真織と透の世界があったこと。大切な人を覚えていられること、大切な人に会えること、大切な人を愛せること。こうやって素敵な作品に触れられたこと。全ての尊さを、忘れたくないなと感じられる作品でした。忘れそうになったら何度でも観られる時代なのが有難いです。また映画館に行こうと思います。
伏線回収も見事な恋愛映画
主演の福本莉子さん目当てで公開初日に鑑賞してきました。予告編を観ていたので、ざっくりとしたあらすじを知っている状態での鑑賞です。
結論ですが、めちゃくちゃ面白かった。
「意外」と言ってしまうと失礼かもしれませんが、単なる記憶喪失系の恋愛映画ではなく、ストーリー構成や伏線回収がしっかりした映画になっており、恋愛要素抜きにしても十分楽しめる作品でしたね。
序盤からところどころに散りばめられていた違和感が終盤に綺麗に回収される。非常にしっかりと練り上げられた脚本と構成で、普段恋愛映画を観ない映画マニアにも刺さる作品かと思います。
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高校一年生のGWに交通事故に巻き込まれ、寝ると記憶を失ってしまう前向性健忘という障害を負ってしまった日野真織(福本莉子)。毎日の出来事を日記に残し、それを毎朝読むことで周りに障害がバレないように生活をしていた。事故から3年後、症状の改善が見られ、寝ても記憶を失わなくなった真織だったが、障害を負っていた3年間の記憶は抜け落ちたままだった。実はその3年間には、日記の中には記されていない神谷透(道枝駿佑)とのかけがえのない思い出が隠されていた。
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まず役者が素晴らしい。
なにわ男子の道枝くんは若手アイドルではありますが意外に演技経験は豊富で、2020年公開の『461個のおべんとう』という映画でも主演を務めていました。
福本莉子さんは最近売れっ子の女優さんですので、当然演技はお手の物です。ビジュアルの可愛さも相まって最高です。『君が落とした青空』でもヒロイン役を完璧に演じていました。女子高生のヒロイン役やらせたら一番の女優さんではないでしょうか。
そしてなにより、古川琴音さんの演技は文句のつけようがないほど最高でした。『十二人の死にたい子供たち』『街の上で』など、前々から彼女の演技を観る機会があったのですが、私が鑑賞した映画はどちらも登場が少ない脇役でしたので、ここまでしっかりと彼女の演技を観たのは初めてでした。こんなに演技力が高く、観客の感情を揺さぶる素晴らしい女優さんだったとは……感動しました。本作を鑑賞していて、泣きそうになった場面が2か所ほどありましたが、それはどちらも古川さん演じる泉のシーンでした。今後も活躍を期待したい女優さんです。
そして、ストーリー構成が素晴らしい。
序盤から、ところどころに違和感のあるシーンが散見されます。
真織が日常を過ごすために無くてはならない日記はノートPCの中に記録されていますが、「そのノートPCが故障したらどうするんだ」という違和感があります。そして真織が朝起きて、両親から記憶障害の経緯を説明されるシーンでも「毎朝こんな会話やってんのか」と思います。
正直最初はこの違和感を脚本や設定の粗だと思っていたのですが、実はこれは伏線だったのだと映画の後半に差し掛かるころには気が付きます。序盤で感じた小さな違和感が実は伏線で、後半で綺麗に回収されるので、観ていて本当に気持ちが良いですね。
寝ると記憶が消えてしまうという設定は、新垣結衣主演でドラマ化もされた西尾維新の『掟上今日子』シリーズや、前向性健忘が作品のキーとなるクリストファー・ノーラン監督の『メメント』を想起します。しかし、作風として一番近いのはおそらく吉野耕平監督・中村倫也主演の隠れた名作『水曜日が消えた』ではないでしょうか。
『水曜日が消えた』は幼少期の交通事故をきっかけに、曜日ごとに人格が入れ替わるようになってしまった主人公の”僕”を描いたミステリー的な作品です。日記によって各曜日の人格たちが意思疎通を行う描写なんかは『今夜、世界からこの恋が消えても』にかなり近いように感じました。
どうしても私のような映画オタクはアイドルが主演を務める恋愛映画は敬遠しがちですが、本作に関しては映画オタクも十分楽しめるしっかりとした構成の作品ですので、ぜひ多くの方に観てほしいですね。オススメです!!
記憶の命
と生命の命が尽きる二人の疑似恋愛から始まる本当の恋愛。相手に記憶を残して進むのが恋愛だと思うけど、相手に記憶に残らないとわかっていても相手を思う恋愛と、それに追いつくために毎日膨大な日記を読み返す労力を要しての恋愛と言うある意味やるせない二人は凄いですね。残念なのは予告編を見て、ある程度ストーリーの想像が付いてしまった所です。
【”思い出と希望を与え続けてくれた人。”前向性健忘の若き女性の記憶を、心優しき若き男性の手続き記憶が補完する。自身の記憶を消し去ってでも、愛する女性を想う若者の姿が、心に沁みる品性高き恋物語である。】
ー 監督が、三木孝弘さんで、脚本が月川翔さんと、花本花奈さんの共作であると知り、劇場へ。結果、期待以上の品性高き恋物語であった。-
■前向性健忘という言葉は、今作で初めて知った。
朝起きると、前日までの記憶が無いという辛さは、筆舌に尽くし難いであろう。
劇中でも、”朝起きると、絶望に落とされる・・。”と語られている。
部屋中に掲示された様々な文字が、それを表している。
◆感想
・交通事故により、前向性健忘になってしまった真織(福本莉子)。そんな彼女に、旧友から、嫌がらせを受けている友人を助けるために嘘の告白をする透(道枝駿佑)の姿。
ー 彼が、善性溢れる青年である事が、一発で分かるシーンである。そして、それを敢えて受ける真織も、そんな彼に何かを感じたのではないか・・。-
・二人は付き合うに当たり、三つの決まり事をお互いに課す。
1.学校では、声を掛けない。
2.連絡は簡潔に。
3.【本当に好きにならない・・。】
ー だが、真織は透の優しい心根に徐々に本当に惹かれて行く。福本莉子さんと道枝駿佑さんの表情が、徐々に明るくなっていく様。
人を愛すると、自然と表情に出るのである。お二人がそれを抑制した演技で魅せている。-
■作品構成上、巧いと思った所
・透が、料理上手である理由。それは心臓が弱かった母が、何時倒れても家族が困らないように、あらゆる事(家族の好きな料理のレシピなど)をメモで残していた事が遠因であった事。
そして、透の父(荻原聖人)が、作家を目指す姿を見て、透の姉早苗(松本穂香)が、触発されベストセラー作家になった事。
透の家族の強い繋がりが、彼の優しく、用意周到な性格形成に及ぼした理由が、良く分かる。
この物語は、恋物語であるが、家族の絆を描いた作品なのである。
・物語が、時系列に描かれない所。高校生の透と真織と、真織の親友、泉(古川琴音:今作の魅力を引き出している。実に良い。)とその後高校を卒業したの”透のいない世界”の真織と泉の描き方が絶妙に巧い。
・透が、自分の身体の状態を考え、真織の事を考えて、予め泉に託していた事。
ー ここも鑑賞側を唸らせる。
真織に内緒で日記、スマホから透のあらゆる情報を消し去る泉と、姉の早苗の姿は観ていて辛い。透の存在が、どんどん消えて行ってしまうから・・。泉と、姉の早苗も相当に辛かったであろう。-
・だが、徐々に前向性健忘の症状が回復して来た真織は、”見た事も会った事もない筈の男性の姿”を、次々にキャンパスに描いていく。
それを見て、号泣しながら真織の本当の日記を渡す泉の姿。
ー だが、彼女は透の意を汲んで、透が実在しなかった様に辛い作業を行ったのである。誰も彼女を責める事は出来ないであろう。ー
<自分の存在を消し去ってでも、自分亡きあとに、愛する人真織が新たなる道を歩む道を考えた、透の優しくも崇高な想い。
そして、それを支えた真織の親友、泉と透の姉早苗の姿。
真織の症状が回復し、真織と早苗が透と彼の母親が眠る墓地を訪れるシーンに早苗が真織に言った言葉も、心に響く。
今作は、哀切だが、素晴らしき恋物語であり、家族、親友の絆の大切さを描いた作品でもあるのである。>
略称は「セカコイ」なのか。とても良い出来なので見てほしい。
映画本編+初日舞台挨拶(中継)に行ってきた。
設定にデジャブな感はあるものの、やはり最後はどうしようもないやるせ無さに世の不条理を感じてしまう。
当然ながら真織役の福本莉子のピュアな笑顔にはすべて持っていかれてしまう。
そして古川琴音が演じる泉の立ち位置が、実は他に選択肢のない事にたまらなく切なくなる。
最後に、透役の道枝駿佑のブレない演技と、あまりに唐突な退場に唖然として行き場を失う。
いやぁ〜、予想以上に良かった。
余計なことをしていないのが良い
素直に感動、泣ける話でした。
元々原作を読んでいましたが、主人公の透はピッタリな配役だったと思います。
花火のあのシーンで透の耳が赤くなっていたのが、演技なら素晴らしいと感じたのと偶然でも透らしさを感じました。
透が居なくなってからは親友の泉ちゃんが主人公、ヒロインといって良いほど俳優さんの演技が素晴らしかったです。
結末を知っていたので当初は泣きませんでしたが、泉ちゃんの泣くシーンで引き込まれて泣いてしまいました。
ヒロインの真織は若干、メイクのせいか高校生には見えなかったのと記憶と共に感情も無くなっているのかと思うほど、透に対しての感情が淡白に見える演出だったことだけ気になりました。もう少し真織の感情が全面に出る部分を描いてもよかったと思いました。
うーん。物足りないかな
まぁまぁ内容はあの感じ、四月は君の〜、君の膵臓ほにゃらら系のいろいろあって仲良くなって恋が始まったら突然消えるのが泣き所のあれです。
主演の二人は演技もなかなか自然で初々しいカップル感が出ていてとてもよかったですよ。優しい雰囲気で和みました。
でも本当の主役は友人のいずみちゃん。いろいろ荷が重すぎるって。いつも舞織を一番に思って支えて、透の秘密やお願いを守って、そりゃ一人では抱えきれないわ。透の姉がいてよかったけど、姉もなんか淡々としてたな。
映画の中では誰よりも感情の起伏も激しく、一番難しい役どころだったと思います。いずみちゃんで成り立っている映画と言っても過言じゃないぐらい。
一番印象に残っているのはいずみちゃんです。
いろいろツッコみたくなる場面もありましたが、テンポ良く観れました。
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