「あー、こりゃ皆んな食ろうとるわぁ」今夜、世界からこの恋が消えても bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
あー、こりゃ皆んな食ろうとるわぁ
上映終了後、席を立つのが遅い事には自信があるbloodです。しばしば。シアターを出るのが一番遅かったりします。と言うか、若い人って席を立つのが早いですよね、大体w
ところがところが。
今日は皆んな、席を立つのが遅いです。若い人だらけだったんですけどね。席に座ったままで、ダラダラだべってます。余韻に浸ってんのかねぇ。女子勢、なかなか退場しませんねぇ。こりゃ、皆んな食ろうとるわぁ、って思いましたw
月川・三木の取り合わせで悲恋ものと来たら、おおむね予測がつくわい!って事で、後回しにして来たワタクシですが、やっと鑑賞出来ました。内容は予想した通りですが、三木孝浩監督作品としては「陽だまりの彼女」以来のクオリティだったと思いました。
最近ですね。
ドローンの制御の進化でですよ。画がダイナミックな造りに進化した、ってのがあると思うんですよ。代表的なのが 藤井道人監督で、「余命10年」のダイナミックな画の心象表現なんて感動ものな訳ですよ。
に対して。この映画の、悪く言うと「保守性」。良く言えば「伝統を重んじた画の作り方」。これにノックアウトされた。Staticです。動きは最小限。肝心なところではカメラ固定。スチール写真でも見ている様な。イヤ、動きはあるんですよ、スクリーンの中では。
水族館で見つけた、まおりに歩み寄っていく透。カメラは動きません。消失点に立つまおりは、その日、初めて見る透の姿にときめいています。画はStaticに2人の距離が縮まっていく様を捕らえるんですが、水槽の中では、2人を囃すように魚たちが泳ぎ回ってたりするんです。
初めての口づけの後の花火の場面。後ろ姿の2人。その向こうで派手派手派手に弾けている花火。無音ですよ。カメラは動きません。2人の静、と花火の動の対比と言う、このベタベタ具合。
いや、いや、いや、すっきやなぁ。大好き。この画が、好きで好きで堪らなかったです。撮影は誰よ、って思ったら柳田裕男さんでした。「キミスイ」「君は月夜に光り輝く」「アキラとあきら」の柳田さんで納得しました。
お話の方はですね。
これまで、数々の短命悲恋ものを見て来たオジサン的には、あー普通かねぇ。だったんですが、日記改竄シーンにヤラレタ。完全に魂、持って行かれました。冒頭では「日記はPCの中」だったのに、まおりはメモ魔で日記は直筆だったから、「こりゃなんかある」とは思ってましたが。この切なさは何なんだよ。ヤラレマシタ。完全に意表突かれたぁw
この日記改竄シーンの破壊力だけで、この評価になりました。
これは泣きますわ、皆さん言われる通りw
良かった。
とっても。
と、実は福本莉子が今一つ好きじゃなかったBloodが言ってますw