「【”思い出と希望を与え続けてくれた人。”前向性健忘の若き女性の記憶を、心優しき若き男性の手続き記憶が補完する。自身の記憶を消し去ってでも、愛する女性を想う若者の姿が、心に沁みる品性高き恋物語である。】」今夜、世界からこの恋が消えても NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”思い出と希望を与え続けてくれた人。”前向性健忘の若き女性の記憶を、心優しき若き男性の手続き記憶が補完する。自身の記憶を消し去ってでも、愛する女性を想う若者の姿が、心に沁みる品性高き恋物語である。】
ー 監督が、三木孝弘さんで、脚本が月川翔さんと、花本花奈さんの共作であると知り、劇場へ。結果、期待以上の品性高き恋物語であった。-
■前向性健忘という言葉は、今作で初めて知った。
朝起きると、前日までの記憶が無いという辛さは、筆舌に尽くし難いであろう。
劇中でも、”朝起きると、絶望に落とされる・・。”と語られている。
部屋中に掲示された様々な文字が、それを表している。
◆感想
・交通事故により、前向性健忘になってしまった真織(福本莉子)。そんな彼女に、旧友から、嫌がらせを受けている友人を助けるために嘘の告白をする透(道枝駿佑)の姿。
ー 彼が、善性溢れる青年である事が、一発で分かるシーンである。そして、それを敢えて受ける真織も、そんな彼に何かを感じたのではないか・・。-
・二人は付き合うに当たり、三つの決まり事をお互いに課す。
1.学校では、声を掛けない。
2.連絡は簡潔に。
3.【本当に好きにならない・・。】
ー だが、真織は透の優しい心根に徐々に本当に惹かれて行く。福本莉子さんと道枝駿佑さんの表情が、徐々に明るくなっていく様。
人を愛すると、自然と表情に出るのである。お二人がそれを抑制した演技で魅せている。-
■作品構成上、巧いと思った所
・透が、料理上手である理由。それは心臓が弱かった母が、何時倒れても家族が困らないように、あらゆる事(家族の好きな料理のレシピなど)をメモで残していた事が遠因であった事。
そして、透の父(荻原聖人)が、作家を目指す姿を見て、透の姉早苗(松本穂香)が、触発されベストセラー作家になった事。
透の家族の強い繋がりが、彼の優しく、用意周到な性格形成に及ぼした理由が、良く分かる。
この物語は、恋物語であるが、家族の絆を描いた作品なのである。
・物語が、時系列に描かれない所。高校生の透と真織と、真織の親友、泉(古川琴音:今作の魅力を引き出している。実に良い。)とその後高校を卒業したの”透のいない世界”の真織と泉の描き方が絶妙に巧い。
・透が、自分の身体の状態を考え、真織の事を考えて、予め泉に託していた事。
ー ここも鑑賞側を唸らせる。
真織に内緒で日記、スマホから透のあらゆる情報を消し去る泉と、姉の早苗の姿は観ていて辛い。透の存在が、どんどん消えて行ってしまうから・・。泉と、姉の早苗も相当に辛かったであろう。-
・だが、徐々に前向性健忘の症状が回復して来た真織は、”見た事も会った事もない筈の男性の姿”を、次々にキャンパスに描いていく。
それを見て、号泣しながら真織の本当の日記を渡す泉の姿。
ー だが、彼女は透の意を汲んで、透が実在しなかった様に辛い作業を行ったのである。誰も彼女を責める事は出来ないであろう。ー
<自分の存在を消し去ってでも、自分亡きあとに、愛する人真織が新たなる道を歩む道を考えた、透の優しくも崇高な想い。
そして、それを支えた真織の親友、泉と透の姉早苗の姿。
真織の症状が回復し、真織と早苗が透と彼の母親が眠る墓地を訪れるシーンに早苗が真織に言った言葉も、心に響く。
今作は、哀切だが、素晴らしき恋物語であり、家族、親友の絆の大切さを描いた作品でもあるのである。>
コメントありがとうございます!
三木監督は、白石和彌監督と小林啓一監督と並ぶ、日本で大いに信頼できる監督だと勝手に思っています笑
NOBUさんの解説レビューを見ていると、またもや涙ぐんでしまいました。“愛すること”が、すごくよく描けた作品でしたよね。
あの2作品は、三木監督じゃなかったとしても面白そうな要素が多すぎます笑 かまいたちだし、池井戸潤だし...。
NOBUさん
今晩は!私はいつも端派です。お一人様は端は気楽で(笑)涙系は本当隠すのに必死です。今はマスクがカードしてくれて助かります!
金曜はいま帰休がありまして、、、
それで速攻回るんです。
いつか通常になったら金曜日夜スタートですね、私も😅
これからも同じノブでよろしくお願いします❣️
NOBUさん
おはよう御座います!
今回この映画もジュラシックワールドも、付けた点数が同じでなんだか嬉しかったです!(笑)
私もなるべく女子率高いの分かっていたので夜を選びましたが→20時スタート→まだ混雑しており→95%女性でした💦
最後灯が付いたら、逃げるように退散しましたよ。(笑)