劇場公開日 2022年4月15日

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「空気の道、水の道」杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0空気の道、水の道

2022年7月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

30年以上の実務経験を持つ造園家で環境再生医の矢野智徳氏は、全国を飛び回り傷んだ植物や大地の治療を行っていた。造園業界や現代土木界、学術界でも見落とされてきた生態系全体に関わる大地の機能を、矢野は「大地の呼吸」と言っている。1970年代から始まった国土開発という名の人間の土地利用は、大地をアスファルトやコンクリートで窒息させる方向へと進んできた。せき止められた自然の循環が長い時間をかけて問題を起こしてきていることに、矢野氏は強い危機感持ち、業界では変わり者と呼ばれながらも、環境改善のやり方を実践し、伝えてきた活動は東日本大震災をきっかけに共鳴する人が増えていった。また、2018年7月、西日本で自然が牙を剥くような広い範囲を豪雨が襲った。この復旧にも携わった。こんな矢野氏の実践を映したドキュメンタリー作品。

以前より砂防ダムって本当に効果有るのか?一時的な防災にはなっても恒久的な対策ではなく、単に土木業者を潤わすためだけに工事をしているのでは?なんて思ってた自分には、なるほど、と思える内容だった。
コンクリートが全ていけないとは思わないが、大地も空気を流し、水を流さないと、澱んで窒息してしまう、という意見には賛同したい。
その大地が健全じゃないと植物も健全に育たないのも自明だと思う。
何か自分に出来ることで協力していきたい気持ちになる作品。

りあの