劇場公開日 2022年3月25日

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「期待しすぎたかなぁ・・・」アンビュランス garuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5期待しすぎたかなぁ・・・

2022年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

  「マイケル・ベイの最高傑作!」 という宣伝文句を見て期待満々で観に行ったが、誠に残念な結果に終わった。 チェイスが始まってから最後の最後まで、煩雑すぎるカット割りに意識を奪われ、とうとう物語に入り込めない。 まず、脚本の出来が悪過ぎだと思う。 ベイ監督の演出手法も、ことごとく裏目に出てしまったという印象だ。

 まず、臨場感と切迫感を出そうとしたのかもしれないが、カメラのブレが過剰過ぎ。 登場人物のカット割りが目まぐるしく入れ替わり、途中、誰が何をしようとしているのかがわからなくなるほどだった。 それが延々と続くため、正直、後半は飽きさえ感じた。 これほど単純なストーリーなのに、経過が捉え辛くなる瞬間があるなんて、 う~む、 これはやはり「失敗作」なのではないのか…。

 ベイ監督の過去の作品では、主人公を含めたキーマンが深刻な状況の中でシニカルなジョークを言うシーンが多かった。 その粋なセリフまわしが主要な登場人物の個性を輝かせていたのだが、 今回は、雑多な登場人物が皆一様にそういうセリフを吐くのである。 これで主役と脇役が並列に置かれ、メリハリがなくなるばかりか、 物語の盛り上がりも削いでしまっていた。

 せめて結末が面白ければと期待を託したが、結局、しまらないまま終わってしまった。 最後まで、低速のままラストへ突入していったという感じだ。 爆発シーンを見ると、金は相当にかかっている。 今回も製作を兼任しているが、 ヒット作メーカーでもあるので予算は使えるようだ。 しかし、アルマゲドンやザ・ロックで観客をスクリーンに釘付けにした監督としての才能は、 今回に限っては発揮されなかったと思う。

次回に期待しよう。

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Garu