劇場公開日 2022年10月21日

「幼少期実母の突然死に後悔し、死に魅入られる様になる男の話」グッド・ナース コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5幼少期実母の突然死に後悔し、死に魅入られる様になる男の話

2023年1月30日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

寝られる

内容は、2003年全米最大級連続殺人とも言われる犯人チャールズ・カレンと夜勤看護師仲間エイミー・ローレンとの間で繰り広げられる事実追求の物語。その中で、利益追求型私立病院医療商売の現場に鋭くメスを入れた社会的にも深い問題の映画。印象的な言葉は、『僕にとって死体処理は大事な仕事なんだ』チャールズが自ら語る自分が殺した相手に対するトロフィー🏆とも取れる言葉が常軌を逸脱して怖かったし悲しかった。『誰も止めなかった…』逮捕後取り調べ室でチャールズの犯行動機を語る場面。弱々しいチャールズが助けを求めていた所が垣間見える。切なくなるが利己的殺人は容認出来るものではないなあ。『金に勝る理由はない!』事件を追い詰める刑事の言葉は、端的に分かり易く複雑な医療と政治問題を残酷な程簡潔に表現する台詞回しに痺れた。印象的な場面はミッドポイントの元同僚からチャールズの事実を聞き、急いで生理食塩水の予備パックを確認し疑惑が確信に変わる場面。終始動きが少ない中で心臓悪いのに余計に悪くなるよと余計な心配させる。その後倒れてチャールズに介抱されるシーンが一番恐ろしい。ホラーより心臓に悪い。映画内でAEDを使い蘇生される殺される患者とエイミーの心臓との対比や透明な液体ならバレずに殺せるとの水の滴る表現の対比終始暗くエンドロールまで暗くて後味悪い。残酷な現実を目の当たりにさせられた感じがする。自分的には、チャールズが子供の頃母親が急に亡くなり、駆け付けた時には遺体が無くなっていて放置されていた。それが記憶にある母の姿だと語る場面が印象深く思う事は、母も同じ様に病院に殺され母の最後を追体験する目的で医療殺人に陥り、手段としての医療殺人が本人が知らぬ間に目的にすり替わり人の死に魅入られる様になってしまったのではないかと感じました。決して許される事ではありませんが、様々な問題を孕みつつ考えさせられる怖い作品でした。

コバヤシマル
コバヤシマルさんのコメント
2023年1月31日

コメントありがとうございます。ホントに事実は小説より奇怪ですね。それぞれの問題が絡み合い入り組んだ複雑な現代社会にメスを入れる様な作品でしたね。

コバヤシマル
KEIさんのコメント
2023年1月31日

共感頂き有難うございます。実話というのが本当に恐ろしかったですね。

KEI