ナイブズ・アウト グラス・オニオンのレビュー・感想・評価
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ゆるカッコいいクレイグ観賞用ゆるコメディ、とミステリ
007シリーズによってすっかり隙のないイメージがついたダニエル・クレイグが頑張っておとぼけをやってくれるこのシリーズ、私はなかなか好きだ。
今回は美しいギリシャの離島の広大な屋敷を舞台に、誰が犯人でもおかしくない面子を集めての離島ミステリ。といってもミステリの仕掛け自体は驚くようなものでもないのだが、豪勢な屋敷での贅沢なバカンスに豪華なカメオ出演、ゆるい小ネタで気楽に楽しめる。
ヨーヨー・マやセリーナ・ウィリアムズの登場もサプライズだったが、個人的にはブノワの同居人として登場したヒュー・グラントに驚いた。あっブノワはゲイなのか、ダニエル・クレイグとヒュー・グラントのカップルって最強過ぎない?!と瞬間的にテンションが上がる(ヒューの出番はその一瞬だけ……残念)。イーサン・ホークは初見では分からなかった。
ジャレッド・レトとジェレミー・レナーが名前だけ出されていじられたのはくすりとした。ハード・コンブチャって何やねん。当然昆布茶のことだろうと思って見ていたが、実際は発酵飲料(紅茶キノコ)のことらしい。名称の語源は日本の昆布茶がルーツらしいが、現物は全くの別物。これにアルコールを足したものがハード・コンブチャ。
いつまでも若々しいジャレッド・レトと健康と若さのためのコンブチャの組み合わせが笑いどころ、らしい(コンブチャが分からなかったのでピンとこなかったけど……)。
ジェレミー・レナーのホットソースがまあまあ重要アイテムになっていたのも生ぬるく笑える。どういう主旨のイジりか分からず何だかシュールだった。
エドワード・ノートンはああいう、ちょっとサイコパス入ったキャラが上手い。イーロン・マスクを連想させる。マイルズの家の時報の音と、彼がそれに自分でビビっていたのに笑ってしまった。
物語の構成は、アンディが銃撃されるまでの表向きの流れの後、長い回想で裏事情の種明かしをする作り。リアリティ面では無理がある箇所も散見されるが、それはこの手の作風の話においてはご愛嬌だ。
ラストは、ミステリの謎が解けた爽快感はあまりなくて、破壊のカタルシスばかりが目立ってしまったような気がする。きちんとしたミステリを求める人には不評を買うのではとちょっと心配になった。私は突飛な展開も好きなので、もっとやれー!と思えたが。
ゆるカッコいいダニエル・クレイグと豪華なキャスト・映像を気楽に楽しみたいという私の期待は大いに満たされたので個人的には満足。あのゴージャスな舞台を映画館で観たかった、それだけが残念。
前半と後半で見せ方が一変、カメ止みたいな構成が面白い
前半と後半で見せ方が一変する、カメ止みたいな構成が面白かった。実はあの時裏では...同じシーン見てるのに、テンポ良くてヘレンとブノワの潜入コンビが可笑しくて飽きない。リアルでも劇中でもヘレン&アンディの演じ分けてる演技がお見事。
ヘレンの怒り爆発!最後の豪邸ぶっ壊し炎上は脳筋主人公みたいなやり方で爽快。ブノワが介入せず、ヘレンだけでケリつけたのもスッキリした。雑用みたいなオッさんも傍観してて笑える。何かあるかと思ったらただのモブだったんかいw
前作に続いて
前作にも劣らない展開で楽しめました。
ある孤島に集められた男女が殺人事件に巻き込まれてしまう。
それまで何も変わらずに仲睦まじくやっていたのだが、ある日を境に自分の欲に向いていってしまう。
物語の展開も一転二転と変わっていく所が自分には、好みで良かったです。
少しクールな感じな探偵もまたいいですね!
普通はエーゲ海だろ!何故イオニア海?とは思っていた。
常温で手で持てる個体水素燃料なんてあり得ない。ヘリウムよりも質量も体積も小さいのだから、夢の燃料故、モナ・リザよりも人類にとっては宝と言うことだろうが、出鱈目を推理したくない。
さて、
こういう話は一番妖しくない奴が犯人。そして、
いきなり結果から遡る。映画としては掟破り(おきてやぶり)。
犯人は分かった(残り42分)設定が不自然な所が、真の犯人が分かるが、これだけの犯罪を犯す犯人に、騙される探偵ではないはず。
若しくは、やっぱりね。そっちか♥そう言う事か?残り35分。(おきてやぶり)
刑事訴訟ではなく、民事訴訟ダネ。
出鱈目な水素燃料を悪にして、原子燃料を維持する。って事か?
反原発的な立場では、到底、容認できない。
『ラブサムバディ』 『モナ・リザ』 『グラス・オニオン』は良いが、『モナ・リザ』を燃やすことはないだろう。『無神経過ぎる』第一作目で女性達の会話にあった。
映画後半は結局火○サスペン○劇場の崖の上だ。二作目でも、オリジナルの価値はない。
ド派手
謎の箱が各々に届くシーンに目を奪われる。
全てがド派手。
ガラスのオブジェを次々と…もったいない。←小市民
もちろん最後まで派手。
派手過ぎて、そこしか印象に残らなかったような。
謎解きもなぁ…あっさり尾行、覗きしちゃってるし。
コロナ真っ盛りの時期に制作された?
マスクをつけたり外したりするシーンがもはや懐かしいというか、物悲しいというか。
何十年経っても残るんだろうなぁ〜
ド派手な花火好きは楽しめるかも。
当たり役
エドワード・ノートン目当てで見た。
ヒューグラント、イーサン・ホーク、ジョセフゴードンレヴィット出てるのは豪華すぎる。
でもイーサン・ホーク初見では見逃しそうだった、、。ジョセフゴードンに関しては全く分かりません!
ノートンが久しぶりに当たり役で楽しそうにしてて嬉しい。
しかもほぼずっと出てる。
あの黒人女性の姉妹の使い分けよかった。
全然イメージが違って見えた、、さすが俳優。
死亡した男性はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのドラックスの人なのか!
だんだん種明かししていくため、前半と後半でガラッと変わった。
犯人のノートンがただのバカ呼ばわりされてた笑った。
モナリザをガードする装置もちょっとくどかったけど笑えた。
「ジェレミーレナーのホットソース」と「ジャレッド・レトのハードコンブチャ」とか何だったんだw気になる。
逮捕エンドではなく、家を破壊エンドという探偵ミステリーとしては驚きの終わり方した。
目が離せなくて面白い映画でした!
映画としては満点、探偵物としては惜しい作品
まず、全編コメディタッチで息も切らさぬ展開の目白押し
ミスリードやヒントが多く散りばめられており、素晴らしい作品なのは間違いない
最後の方まではアクションっぽいところはないのに、内容が濃厚なため良い意味で疲れる作品
前半は謎だらけの展開で何一つ解決していかない様に見えるが、後半で一気に解き明かされていく
作品の中で犯人はアホという事になっていたが、アホと判断した理由がなかなか面白く、たまたま吹き替えで観ていたので見事に騙された
※字幕でどうなっているかが気になる
しかし、本当にアホなのか?
アホにこんなことが出来るのか?
能力が偏っているのだと思うが、そこは説得力が無かった。ブレーンが裏にいるのであれば納得できるのだが、そういうわけでもないようだ
あと犯人をつきとめた後がなかなかメチャクチャで、探偵物なのにかなりの力押し。たまたまうまくいったといえるのかわからないが、普通に考えると探偵達が逮捕されて終わってもおかしくない。
そこだけが残念だけど、大笑いさせてもらったのと、かなり色んな意味で最後スッキリした不思議な作品。
あとデロル(島に入り浸る謎の人物)の存在感にはビックリ。そっちのオチかよと逆に新鮮だった。
安定の内容〜TVサイズでも楽しめる
自宅レイトショーNetflix『ナイブズ・アウト グラス・オニオン』
今年1本目といっても自宅 007のダニエル・クレイグが、スパイではなく名探偵を演じるシリーズ
1作目もクリス・エヴァンに アナ・デ・アルマスら豪華な俳優陣が、繰り広げて面白かったですが・・・ 続編がNetflixで観れるって事で鑑賞
コロナ禍が舞台になっており皆さんマスクして登場も喉に何か吹きかけられてマスクを外すwww
大富豪が、自ら所有の島に友達を呼び殺人ミステリーゲームを開催、そこに何故か名探偵が・・・
ダニエル・クレイグは、ボンド役から10キロくらい増量してるんじゃないかな!?って感じの役作りで、今回そんな彼のプライベートが明かされます。
今回もカメオ出演が豪華で、テンポよく面白い作品でした。
このレベルの作品でもミステリー系なら自宅のテレビ大画面なら十分楽しめます。
*写真だけですが本人役で、ジェレミー・レナー登場〜怪我からの復活願う!
派手な謎解きイリュージョン
意外と殺人の動機と殺害方法はシンプルは事件だった。
カメオ出演が豪華です。
ヒュー・グランド。ヨーヨーマ(チェリストの)。
セリーナ・ウィリアムズ。
アンジェラ・ランズベリー(ジェシカおばさん=探偵)
(使用人役で白服のイーサン・ホークがお茶目で格好良い)
破壊者を名乗るIT企業のCEOで億万長者の
マイルズ・ブロン(エドワード・ノートン)は、
ロック・ダウンの憂さ晴らしに親友たちを所有する
ギリシャの孤島に招いて、
「マーダー・ミステリー・パーティー」を開きます。
そこへマイルズが招待していない世界的な探偵、
ブノア・プラン(ダニエル・クレイグ)が混ざっていました。
マイルズは共同経営者だった、
カサンドラ・“アンディ“ブランド(ジャネール・モネイ)
と裁判で争っていた。
アンディのアイデアの知的所有権を巡って対立していた。
そしてマイルズは世紀の大発明《未来エネルギーの「K lear」》
の発表を1週間後に控えていた。
招待されたのは、
クレア=上院議員候補の女性政治家。
ライオネル=未来エネルギー「K lear」の発明者。
バーディ(ケイト・ハドソン=元ファッション・アイコンで実業家)
デューク(デイヴ・バディスタ=インフルエンサー)
この4人はマイルズの“金のオッパイ“にたかって、
裕福に暮らしている一種の取り巻き。
そして1番の驚きは、
カサンドラ(アンディ)が現れたこと!!
ここで疑問をひとつ
アンディの出現で、マイルズはなぜもっと驚いて狼狽えなかったのか?
招待もされていないアンディが、それ以上に、
アンディが現れるなんて、
あり得ないことでは?
そしてディナーがはじまる。
そして予想外の事が起こる。
カクテルを飲んだデュークが突然苦しんで、絶命したのだ。
ここからの展開は、パンデミックです。
次に死ぬのは誰?
私?あなた?
招待客たちは疑心暗鬼になり怯えはじめる。
そして、
ネットにカサンドラ(アンディ)の訃報が報じられる!!
ここにいる彼女は一体、誰?
(それは、アンディの双子の妹のヘレンだった)
そして、
復讐の火蓋は切られる。
ラストは打ち上げ花火1万発?
ならぬ、ヒンデンブルクです。
あの有名な、1937年の「ヒンデンブルク号爆発事故」
世紀の発明と思われた未来型燃料「K lear」の安全性に
疑問符が付いたのです。
ゴージャスで、賑々しくて、馬鹿騒ぎのビックリパーティー、
のような映画。
「マーダー・ミステリー・パーティー」の顛末を
どうぞお確かめ下さい。
1作目の「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」は、
アガサ・クリスティをリスペクトする、
ライアン・ジョンソン監督・脚本の密室殺人と遺産相続の
お話でした。
高明な推理作家の役でクリストファー・プラマーが出演していて、
その後亡くなったので印象深い作品でした。
今回はラスベガスのショー的な
イリュージョンの世界。
3作目もダニエル・クレイグが続投との事。
楽しみですね。
敗北
試合に負けて死合に勝つような事かな。
前作に引き続き手玉にとってくれる。
ミステリーを読み漁った読者層がターゲットのような内容にニヤリとしてしまう。
最初からいる同居人の存在をそれなりに引きずってしまう。冒頭「無視してくれて構わない」と断言されてるにも関わらず、だ。
そして、彼は全く関係なかった。
観客の興味を散らす為だけに存在してた。
やはり中々に手が込んでいて…その構成もそうなんだけど、特出すべきは冒頭の引力か。
瞬く間に取り込まれる。
勿論、優秀な舞台装置やマテリアルのおかげではあるけれど、こうも引き込まれるものなのかと見終わった後に気づく。ラストまでアッという間だった。
かの名探偵は今回もあまり捜査をしない。
が、その切れ者の一面を遺憾なく発揮する。主賓が用意したトリックを数秒で言い当てる。気持ち良かった。
そして、第一の殺人が起こる。
コレは結構大胆な描写だった。
なんとなくのフォローはあるものの、誰の犯行かは検討がつくのだ。記憶の改竄や誘導になるのだろうな。実際あの場にいたのならとても有効な手法だと思う。
別にシリアスな事ばかりやってるわけでもなく、随所にユーモアも挿入される。なのだが、コレほぼほぼシュチュエーション的な笑いなので、全く物語を邪魔しない。どころか人物に厚みを付与してくれてる。
キャラとシュチュを踏まえた演出に好感度大だ。
種明かしになり「グラスオニオン」の意味がやっと分かる。確かにそうなのだ。
全てのパーツが彼を示してる。
そして1番被害を被るのも彼だ。
その事象を巧みに隠しミスリードの嵐が吹き荒れる。そんな大海原で迷う事なく灯台を目指す一隻の船。それこそが世界一の名探偵と呼ばれる彼だった。
彼にしてみれば盛大な茶番もいいとこなのだろう。
謎解きに際し、あろう事か彼は怒ってたw
正直、007のグレイグも好きだけど、名探偵のグレイグの方が好きだ。いきいきしてるように見える。
結局のところ、彼の推理は尽く当たるも、犯人を詰めるには至らず、冒頭の一言が浮かぶ。
まぁ、とはいえ、司法さえも薙ぎ倒せる犯人なので、彼と彼女の選択は最善だとも思う。
用意されたものは全て、その役割を完膚なきまでに果たす。
ラストカットのモナリザ風ショット。
だいぶ含みのあるカットではあるけれど、遊び心の表れなのかなぁと、最後の最後まで煙に巻かれる。
このシリーズが好きなのは、どこか品格を感じるからだ。ミステリーを嗜む時間としては大前提のモノがちゃんと用意されてるように思う。
ミステリー小説を手に持ちページを一枚づつめくる環境に必須なのは、まずは静けさではなかろうか?小説を読むのに欠かせないのは心の余裕だろうか?
なんか、そんなモノを想起させ、提供してくれてるようにも思う。
前作同様のざまぁwwww感
この映画は探偵ものと言いつつも、名探偵感が全然ない。どちらかと言うと人間関係をざまぁwwwwしていく感じの映画です。前作は上辺だけで見下していた移民の少女が富豪の財産を全て受け継ぎ、ドロドロした人間関係をざまぁwwwwしていましたが、今回は金持ちの権力もちをざまぁwwwwしていくタイプで店舗も良くて面白かった。最後に権力が崩れていくのが、スカッとしてイエス!とガッツポーズ決めちゃうタイプの映画です。
最後は破壊
第2弾!
誰もが怪しい中淡々と謎解くダニエル
皆、長いものに巻かれてきたけど最後は解き放たれましたね(笑)
また第3弾観たいです♪
エドワードノートンって大体同じような役(^_^;)
今回は犯人じゃないだろうな~って思って観てました。
最後に破壊されて破滅(..)
【”モナリザと共に・・”ナカナカ面白い、クローズド・サークル・マーダーミステリー。第一作と比べると、どちらが面白く感じるかは、貴方次第である。私は(以下、自粛)】
ー 一見、重厚なミステリーと思わせておきながら、随所にコミカルさを塗したライアン・ジョンソン監督の遊び心ある、クローズド・サークル・マーダーミステリーー
◆感想
・名探偵、ブノワ・ブランを演じるダニエル・グレイグの軽みを微妙に塗した探偵ぶりや、エドワード・ノートン演じる科学者で大富豪だが、実は中身のない軽い男、マイルズ・ブロン。
ー 絶妙な、キャスティングである。-
・孤島に集められた”破壊者たち”の偽りと真実を抱えた姿。
・なによりも、マイルズ・ブロンの島の豪奢な別荘の仕様がお金が掛かって居そうで、ゴージャス感満載である。
・マイルズ・ブロンのビジネスパートナーだった、アンディ(ジャネール・モネイ)が実は双子で、実際に島に来たのは、ヘレンだったという設定なども面白きかな。
ー やや、ありがちだが・・。-
<一見、複雑なクローズド・サークル・マーダーミステリーと思わせておきながら、実はシンプルなミステリー映画である。
今作、ヤッパリ、映画館で観たかったかな・・。>
そして誰もいなくなった
こんな探偵ミステリーが見たかった!…と心底堪能させてくれた新たなる名探偵ブノワ・ブランと、彼が解決した難事件『ナイブズ・アウト/刃の館の秘密』。
前作で「Netflixからオファーがあった」なんて台詞があったが、奇遇かそれを見越していたか、熾烈な続編権争奪戦を勝ち取ったのは、Netflix。続編2本で4億ドル以上という破格のオファー額で。
世界中で大ヒットしたエンタメ・ミステリーの待望の続編が配信でしか見られない事に疑問や不満の声が上がっているのも分かる。今回もすでに高評価を獲得し、劇場公開されたら大ヒットしていたであろう。
しかし個人的に、この作品を“今”見れた事が有難い。
と言うのも私、遂にコロナに感染してしまって…。12月29日まで自宅療養。
今年の劇場鑑賞は先日の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』でラストで、そもそも外出も出来ず、レンタル店にも行けない。後何本か見たいのあるのに…。
そんな時こそ、配信。暇を持て余しそうな一週間のコロナ療養時に、待ちに待っていた本作!
この12月、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』より楽しみにしていた作品かもしれない。
病院から薬を貰って、発熱・悪寒・だるさもだいぶ落ち着き、さあ再び極上ミステリーの世界へ。
前作は著名な名家の屋敷で起きた遺産相続絡む、横溝ミステリーをも彷彿させるTHE王道ミステリー。
ハリウッド作品でありながら、アガサ・クリスティーへのオマージュと本格英国ミステリーの味わいもたっぷり。
現代が舞台だったが、クラシックな雰囲気漂う。
今回は前作以上に“現代感”が出ている。と言うより、“現在”。
マスクを付け、リモートで顔を合わせ…。
ブランもホームステイ中。リモートで友人たち(“名探偵”アンジェラ・ランズベリー他カメオ出演の大物たち!)とゲームに興じるが、冴えない。
古今東西の名探偵然り。不謹慎な言い方だが、名探偵は難事件があって生き生きとする。
事件が無くしかもホームステイ中の名探偵は廃人同然。
ずっと風呂に浸かったまま、アルコールを飲み、ゲーム三昧…。引き籠りか!
そんなブランの探偵魂が再びたぎる“招待状”が…。
IT億万長者のマイルズ。
ゲームやミステリー好きで、所有するプライベート・アイランドで“マーダー・ミステリー・パーティー”を開催。
自身が殺され役となり、招待客の誰かが犯人。模擬殺人ミステリー。
からくり仕掛けの招待状を解き(ブランにとっては子供のおもちゃ)、招待されたのは…
クレア。州知事。
ライオネル。マイルズの部下の科学者。
バーディ。元スーパーモデルのファッション・デザイナー。(アシスタントのペグも)
デューク。Twitchの人気者。(恋人でアシスタントのウィスキーも)
彼らは正式な“招待客”。実はブランは招待客じゃない。マイルズ曰く、そもそも招待状を送っていない。
誰が、何の為に、ブランに招待状を送った…?
招かれざる客がもう一人。…いや、正確には招待状は送ったが、来るとは思っていなかった。
アンディ。マイルズの元ビジネス・パートナー。
マイルズとアンディの間には、何かあり。
招待客皆、マイルズと訳あり。マイルズに恨みを持っていたり、彼に助力して貰ったり、彼のお陰でおこぼれに与ったり…。
周囲を海に囲まれた孤島。外界と完全に切り離された“密室”。
前作も王道ミステリーの設定だったが、今回もまた王道中の王道設定。
訳あり、一癖二癖ある人物たち。
様々な思惑が交錯する。
マイルズが殺され役となり、さあ、舞台が整った…!
KYなんだか探偵の血が騒いだのか、ゲーム開始前にミステリーと犯人を暴いてしまうブラン。
マイルズはこの日の為に、各業界の大物に協力して貰って、大金も注ぎ込んで、たっぷり謎解きに数日要すると自信満々だったが…、
それをブランはゲーム開始前に、あっさりと。
さすがにおかんむりのマイルズ。金持ちのお遊びとは言え、まあそりゃそうだ。
マイルズは一見人生の成功者だが、孤独や苦悩を抱えている。成功の為に失ったもの、寄ってくる者は金づる目当て。
億万長者の戯言か、本音か。
何はともあれ、良くも悪くも、何事も起きなかった。
これがリアルだったら安心する所だが、“映画”としては肩透かし。何か起きてこそ、いよいよ始まる。
そう。“本番”はこれから。
“殺人ゲーム”が本当の“殺人事件”に…。
殺されたのは、デューク。しかも、皆の前で。
飲み物に何か毒物でも入れられたのか、痙攣を起こし死亡。そのグラスは、マイルズのものだった。
デュークが間違って…? つまり、誰かがマイルズの命を狙っている…?
動機は皆に充分にある。
“殺人ゲーム”の一環で、島中が停電に。その暗闇の中、第二の殺人。
アンディ。
しかし、アンディが殺される理由は…?
実は、ある。そもそも“事件”は、皆がこの島に来る前から始まっていたのだ。
ブランも招かれざる客ではなかった。
“アンディ殺し”の犯人を探す為、ある人物から雇われていたのだ…。
マイルズと、クレア、ライオネル、バーディ、デューク。
今彼らは常識をぶち破った“破壊者”として各々名声や成功を手にしているが、ほんの数年前までは挫折中の若者たちであった。
そんな彼らに可能性を見出だし、道を切り拓かせたのが、アンディ。実業家として手腕を振るっていた。
皆の友情の始まり、思い出のバー“グラス・オニオン”。そしてアンディがアイデアを書き記したナプキン。
最初は友情で結ばれていた。が、今の地位に酔いしれると、友情より欲の方が勝ってくる。
マイルズはある燃料への投資に躍進。それに反対するアンディ。その燃料は使われたら、各家庭で“ヒンデンブルク”を起こす危険性がある。
ビジネス・パートナーを解消。裁判で争う事になるも、他の4人はマイルズ側に。
恩を仇で返され…。
これで引き下がったりしないアンディ。“秘密の封筒”を暴露すると、皆にメール送信。
その直後、死体となって発見され…。
アンディの死はまだ公にされていない。知っているのは犯人と、依頼されたブランと、依頼主。
ブランに依頼したのは、アンディの双子の妹、ヘレン。
ブランとヘレン。実は裏で結託していた二人の作戦。
ブランは招かれざる客として、ヘレンも“アンディ”として島へ。
ブランの奇人変人な言動で皆を煙に巻く中、ヘレンが探りを入れる。
姉を殺したのは、“破壊者”と豪語する“バカ頭”ども。
そもそもの発端の殺人。そして島で起きた殺人。
絶対、犯人と真相を暴き出す…!
昨年惜しまれつつスパイから卒業したが、この探偵だけでも暫くは安泰。シリーズ3作目までとその高額ギャラもあるが、でもそれ以上に、ダニエル・クレイグの新たな当たり役である事は前作から一目瞭然。完全に役を自分のものにし、そのハマりぶりは勿論、スパイの時とは違うコミカルさやユーモアを大変楽しそうに演じているのが分かる。
今回ダニエル以外皆、新キャスト。
いけ好かないエドワード・ノートンを始め、セレブを謳歌するケイト・ハドソンや今の時代に皮肉的な男尊女卑のデイヴ・バウティスタらクセ者を演じる。
中でもジャネール・モネイが一人二役を巧演。キーとなる人物で、前作で言うとアナ・デ・アルマスの立ち位置。
前作で名ミステリーを魅せてくれたライアン・ジョンソン。
続編ともなると前作超えのプレッシャーを課せられるが、前作とはまた違う引き出しに唸った!
前作は言わば、王道ミステリー。今回は一見そうでありながら、定石を覆す。作品に掛けて言うなら、壊す。
“密室孤島”の場合、犯人に追い詰められていくのが大抵だが、ブランやヘレンが犯人を追い詰めていく。
しかしその犯人もかなりの面の皮の厚さ。追い詰めようとも、動じない。皆の前で堂々と証拠を消そうとする。
複雑に入り組んで見えて、実際は非常に単純なもの。
思い込みと派手なパフォーマンスに騙される。
犯人は、天才的なバカ。…いや、ただのバカだ。
本当に犯人も単純過ぎる人物だが、そのクズっぷりは秀でるほど。
だからこそ、最後の最後、遂にギャフン!…と言わせた時の痛快さ。
恩を仇で返し、そして誰もいなくなった。
自分が恩人にした事が、皮肉にも自分へのしっぺ返しとなった。
前作は古き良き英国ミステリーのオマージュに溢れていたが、今回はより自由自在、オリジナル色が出ていた。
今回もたっぷりと堪能。完全に地位を築いた“ライアン・ジョンソン・ミステリー”と言っていい。
3作目も楽しみ。次のミステリーは…?
屋敷内の遺産相続殺人、孤島の殺人…またまた王道で来るとすれば、船とか列車とか乗り物系かな…?
何にせよ、名探偵ブノワ・ブラン、次回作でまたお会いしましょう!
小ネタが👍
ダニエルグレイク演じる名探偵第二弾。
前回は古典的な展開だけどしっかり作り込まれてて面白かったのに対して、今回は斬新だけどちょっと雑な感じが。。。
いや、面白かったんだけどね。
ジェレミーレナーのホットソース、めっちゃ欲しい!小ネタが最高でした🤣
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