ザ・ホエールのレビュー・感想・評価
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ダーレン・アロノフスキーの映画が日本で劇場公開されるのは『ノア 約...
ダーレン・アロノフスキーの映画が日本で劇場公開されるのは『ノア 約束の舟』以来 9年ぶりという事実にまずは驚く
内容はともかくブレンダン・フレイザーがアカデミー賞とったのは納得の熱演だったけど
エンドロールへの入り方がアロノフスキーだなあて感じでしたね
英米文学科に身を置いていたのにメルヴィルの『白鯨』読んでない(挫折した)のはいかんなと思わされました
白鯨が繋ぐ父娘間の愛憎劇
本作で今年のアカデミー賞主演男優賞を獲得したブレンダン・ブレイザーが、主人公のチャーリーを演じた父娘間の愛憎劇でした。チャーリーは、かつて自分の教え子・アラン(男性)と恋仲になり、妻と娘を捨てた過去がある。ところがアランが亡くなってしまったことから、過食症かつ運動不足に陥り、今では272キロもの巨漢になってしまい、自立歩行すら出来ない状態。収縮期の血圧が優に200を超えるなど、本来なら入院治療が必要なのに、お金がないことを理由に病院にも行かない。そんなチャーリーを手助けしていたのが、アランの妹でホン・チャウが演じた看護師のリズでした。
チャーリーは目前に死が迫っているたことを悟り、娘のエリーとコミュニケーションを取ろうとするものの、エリーは自分を捨てた父親に悪態をつきまくる。それでも自分の遺産を全てエリーに与えるという、極めて打算的ではあるものの、恐らくは唯一の解決策を使ったことでコミュニケーションが続き、それを端緒に父娘の間柄がグダグダながらも回復していき、遂には本人的には願いが叶ってエンディングを迎えることになりました。
タイトルの「ザ・ホエール」というのは、言うまでもなくハーマン・メルヴィルの不朽の名作「白鯨」から来ているもの。これはチャーリーの巨体を表しているとともに、エリーがかつて書いた「白鯨」に関する感想文が、物語のキーになっていることとも繋がっていました。映画を観たついでに「白鯨」を読もうかと思いましたが、上下巻で1000ページにも及ぶ超大作なので、読み終える自信が持てず止めました。。。
ところで本作では、チャーリーの巨体や所作が、実にリアルに再現されていました。巨体の造形は言うに及ばずですが、その動きをリアルに演じたブレンダン・ブレイザーの演技は、アカデミー主演男優賞に相応しいものだったと思います。また、「ザ・メニュー」で薄気味悪いウエイトレスの役を演じていたホン・チャウが、献身的な看護師の役を演じていました。こちらはアカデミー助演女優賞にノミネートされ、惜しくも受賞は逃しましたが、なかなか印象深い演技だったと思います。
娘役のエリーを演じたのはセイディー・シンクでしたが、父親を毛嫌いするいかにも今風の女子高生の姿は、父親が自分を捨てた過去があるとは言え、結構引くくらいに酷い態度でした。これも彼女の演技が良かったという証拠なのでしょう。
総括すると、父娘の愛憎劇という点では平均点をやや上回るものであり、巨体を再現したメイク技術とその所作を演じたブレンダン・ブレイザーの演技はそれなりに良かったかなと思う作品でした。
これは難しい映画だ。
ここまで自分を痛めつけてるやつに共感はできないし、主人公のシチュエーションが特異過ぎて、まるでスクリーンの向う側とこっち側(観る側)に結界が張られているように感じた。
美味しい料理なんだろうが、どこから食べていいのかわからないし、食べ方すら要領を得ない、
そんな感じの映画です。
鑑賞される方々が、一人でも多く結界を破らんことを御祈り申し上げます。
退屈で退屈で、エブエブも酷い出来だったので今年のアカデミー賞はハズレだな
と思っていたが、エンディングで評価が一変した。
この作品のメッセージが明確に伝わってきたからだ。
お前のせいで私の人生は滅茶苦茶だ。
父への憎しみで自分の人生を生きられない娘。
しかしそんな復讐心に何の意味もないことは
本人が一番よく分かっている事だった。
自分が書いたエッセーを父に読まされ、そのことに気づく。
娘の心の闇を救い、父は安らな気持ちで旅立つ。
今年ベスト
観賞後も涙が止まらなかった!
完全に「レスラー」のダーレン・アロノフスキー!彼の作品は本当に心に刺さる!
何から何までダメな男なんですけど、あるんですよ美しく見える瞬間が。「レスラー」のラストでは命を落とすことになるであろつリングからのダイブに挑むミッキー・ロークが、本作では娘に受け入れられようと立ち上がるブレンダン・フレイザーが、二作ともこの生き方しか俺には出来ないんだという魂の叫びを描いたような映画だった。
主人公は娘のことを自分の作品と言い放つなど、彼の奥さんの言う通り自分のことしか考えていないどうしようもない奴です。医療でも宗教でも彼の心は治せませんでした。
本作では部屋から一歩も外へ出ないワン・シチュエーションムービーで登場人物も5人という限られた駒しかございませんが、扉の向こうの世界は雨だったり、ちょうど日が昇っていたり、誰がどのタイミングで部屋に来るかなど計算された駒の使い方が素晴らしく、140分たっぷりと濃密な人間ドラマに仕上げてきた。
後は何といってもやはりブレンダン・フレイザーの演技!淡々と進むストーリーながら、ここぞというところであの演技を引き出し、音楽で盛り上げて、というとても硬派で久しぶりに映画らしい映画を観た!現時点での今年ベスト!
緩やかな自殺
2023年劇場鑑賞80本目。
自力で歩けないくらいの肥満の男の最期の5日間をハムナプトラでおなじみブレンダン・フレイザーが演じ、日本公開に先駆けてアカデミー主演男優賞を受賞したと言う作品。
まぁアカデミー賞が絶対という訳ではなく、そうかなぁという作品もあるわけですが。
疎遠になっていた娘との分かりやすい心の交流の話かと思ったらそうでもないな、という印象で、他にもあと3人主要登場人物がいます。そのうちの若い宣教師が最初は愛すべき間抜けみたいな感じで描かれていたのが段々そうではないことが分かり、でも彼の思っていない方法で結局彼の目的が達成されたのが皮肉だと思いました。
最後ギリギリ泣けました。
ハムナプトラからの…
ブレンダン・フレイザーといえばハムナプトラ‼︎
子供の頃にハムナプトラを観て以来、超娯楽映画として大好きで何回も観てきました。
ハムナプトラ以外でブレンダン・フレイザーを観る機会がなかったのですが、久しぶりにでてきたと思ったら、今回アカデミーをとったので嬉しくなって劇場に。
役のためとはいえすごい増量でした。
はじめて主人公チャーリーの体型を目の当たりにした登場人物達とまったく同じ反応しました。衝撃
物語は、宗教観が深く関わってきたり、突然登場した娘エリーとそんな頻回に会ってないのに最後の最後で急に距離が縮まったり。チャーリーは大学のオンライン講義で文章・エッセイの書き方を教えていて、娘とも文章、エッセイをとおして心を通わせようとするのですが、なんかそのストーリー展開も中途半端でした。
冒頭チャーリーが発作を起こした時から、「死ぬ直前にこの文章を読みたい」と言って頻回に朗読してたエッセイは、実はエリーが数年前に書いたものだった…ってすごい感動するはずの展開だったんですが、そこまで。
難解な部分を読み解くことのできない私には、物語自体あまり人に勧められないなぁと思いました。
宣教師のくだりは必要だったのか、元妻の登場は必要だったのか。
自分の過ちを悔いあらためて、魂を解放させるエンディングに向かうのであれば、
もうちょっと、エリーとの物語に注力ほうがよかったのではないかと思っちゃいました。
リズとの友情、よかったです。
エリーの最後にみえた笑顔、可愛すぎる。
映画自体のよさではなく、演者一人一人が素晴らしかったです。
みんなホメすぎ
いつものとおり事前の予備知識はほとんどないまま映画鑑賞するのが流儀だ。
毎週金曜日の新聞に載る新作映画レビューで、複数の新聞が大きく取り上げていたので、映画館へ行った。
狭い空間で、登場人物も少ない物語が進む。
オンラインで顔かたちも見せないまま、文学の講義をする超肥満体、病的肥満の男をめぐる物語。
彼を軸に、訪問看護師、宣教師の若者、幼い時に別れた娘らが登場し、この男との関わり、過去の事情が展開する。
現代アメリカが抱える一つの闇のようなものを感じる。
超肥満体の男がリアルに再現されているのは、確かに見世物的見ものではある。
しかし、物語そのものは僕の心を打つ、感動させる…というほどのものではなかった。
先のアカデミー賞で、主演男優賞を受けているという俳優ブレンダン・フレイザー(54)についても、「ハムナトプラ」シリーズも未見で、本作で初めて認識した。
Wikipediaを読んで、彼の過去の事情が分かり、オスカーを得たのも何となく納得した。過去の個人的な事情、そこからの役者復帰ということをも加味されたのだろう。
でも、みんなホメ過ぎだ。
決して悪い映画ではないが、僕の判断基準では、☆4つつけて他人に勧めたいとは思わない。
もっとわかりやすくするか、もっと想像力を働かせてくれる作品のほうが、僕にとってはよいのである。
主演男優賞は納得。
初日舞台挨拶にて鑑賞。
舞台挨拶、終始穏やかな雰囲気で、すごく良かった。
舞台が原作と聞いて、なるほど…と。
何かものすごい事が起きたりはせず、登場人物の感情の波はあれど、淡々とお話しが進みます。
それに飽きたり、苦手な人はいると思う。
個人的には、とても満足しました。
ブレンダン・フレイザーさんは、もはや怪演と言っていい程に素晴らしいお芝居。
特に呼吸がすごい。
肥満感を出す為の、あの呼吸の仕方。
ザラザラとした音の呼吸とか、どうやってるんだろうか。
とにかく息苦しそうだし、痛そうだし、むせるし、詰まるし…。
見ていて、こちらも何だか息が詰まってくる。
タイトルにも書きましたが、主演男優賞は納得。
他のキャスト陣も本当に素晴らしかったです。
特にホン・チャウさんが印象に残りました。
とても自然体で、お芝居らしからぬお芝居というか。リアルというか。
自分も辛いのに、それを隠して日々チャーリーの傍に居る姿、そこからの彼女が本音を吐露するシーンでグッときます。
ラストは泣きました。
すれ違い続けた9年を埋めるって、やはり簡単にはいかない。
チャーリーのエリーを見つめる眼差しや、彼女の為にしていたお金の事を考えると、もうあのラストは泣けて仕方ないです。
心が元気な時じゃないと結構色々持っていかれそうな作品なので、みなさまお気を付けて。
アカデミー賞2冠は納得できる
ある出来事をきっかけに過食となり、立ち上がることすらままならない極度の肥満となった男をブレンダン・フレイザーが演じる。彼のもとに通う看護師には“うっ血性心不全”の診断を下されているが、治療は頑なに拒絶する。だが、自らの死が近いことを悟った彼は、離婚してから音信不通だった娘を呼ぶ……。
元は舞台劇で、ほぼ室内のみで完結する。登場人物もわずかだ。だが、そこに流れる濃密な時間に圧倒された。
タイトルの由来は重要なモチーフとなっている『白鯨』と、主人公の見た目からだろうか?
見逃せない傑作だ。
「白鯨」が示す意味とは?
あまりにも辛すぎて何回か泣きました。何が辛いって、ブレンダン・フレイザーの娘を見る時の眼差しが切なすぎる。日頃から娘にゴミみたいな目で見られ続けてけちょんけちょんに貶されてても、娘が可愛いと思いたい親父の顔だ。きっついだろ、これ…と何故かほぼほぼ初っ端から泣いてた。無論、そんな所から泣くような変な客は私を除いては誰も居なかった。多分。
なお『白鯨』はハーマン・メルヴィル作のアメリカ文学らしいです。未読の状態で観に行ってしまった。
この巨大なおやっさんが白鯨、つまりはモビィ・ディックだったのかどうかは原作未読過ぎてスルーしてしまったのですが…
最後まで観終えた後、ようやくこの人が巨大化したのは愛する人と別れたストレスだけじゃないんだな、ということを理解出来ました。
馬鹿野郎。
お前が逝ったら誰が娘のことを理解するんだよ、とやっぱりここでも泣いてしまいましたが。
いやあ、きつかった。
初めは理不尽な縁だったかもですが、あの看護師さんが居てくれて良かった。車椅子のバックオーライの場面。シビアな場面続きでしんどかったですが、ちょっと笑えました。私もあの方に看取っていただきたいもんです。
アカデミー賞も納得の「目の演技」
極めて限られた空間で、極めて限られた登場人物による会話劇が延々と続くのだが、何と言ってもブレンダン・フレイザーの存在感と演技が圧倒的で、ついつい見入ってしまった。
特に、「肥満」の特殊メークによって表情が分かりにくくなっているにも関わらず、それを補って余りある「目の演技」が素晴らしく、自らの死期を悟った時の悲しみ、娘となかなか和解できない時の苦悩、亡き恋人を偲ぶ時の哀切、看護師とふざけ合う時の喜びといった感情が、「目」によって見事に表現されているのである。
物語の方は、時間をかけた自殺とも捉えることができる「肥満」によって死の淵にある男の贖罪を描いているのだが、新興宗教のエピソードや、その宣教師の登場によって宗教色が強く感じられるようになっている。
ただ、心に残るのは、主人公と、問題児と思われた娘との関係性であり、娘に文章の才能があることを見出している父親と、おそらく、産まれて初めて自分のことを認めてもらった娘とが心を通わす姿には胸が熱くなる。
それだけに、宣教師だけでなく、恋人やその妹の新興宗教のエピソードには必要性が感じらず、蛇足に思えてしまった。
結局、主人公の魂を救済したのは宗教ではなかったし、宣教師は、宗教を否定する役割しか果たしていなかったと思えるのである。
ブレンダンの舞台挨拶!すごく穏やかでゆっくりお話ししてくださいました🥰良い声♪
怖いぐらい迫力のあるブレンダンの演技に圧倒されました。セイディーちゃんも凄く良かった。(ブレンダン曰くこのあとストレンジャーシングスの撮影に行ったそうです)そして登場人物それぞれの繋げ方が素晴らしい。子どもを捨てるなんて全く許せないのですが、ラストの演出に号泣してしまいました。どう生きたら全員幸せになれたのか...ちょっと心にずっしりきました。
スゲぇ…
アカデミー最優秀主演男優賞受賞のブレンダン・フレイザー舞台挨拶付き上映にて。
もうね、スゲぇ…
自分の過ちで失った娘との繋がりをなんとか取り戻そうとする父親の話なんだけど、過ちの結果として負ったトラウマから鯨のように太ってしまった父親をハムナプトラのブレンダン・フレイザーが演じる。
もともと舞台劇だったらしく、主要な登場人物は5人で舞台もアパートの一室。時間経過も5日間のみ。それでも実に劇的でカタルシスを感じさせる円熟のダーレン・アロノフスキー演出。コレがアカデミー作品賞でも良かったと思う…
役者陣も最高で、ブレンダン・フレイザーはそりゃアカデミー賞だわなって演技だし、「ザ・メニュー」のホン・チャウも「ストレンジャーシングス」のセイディー・シンクも全員最高。
こういう映画を観たくて通ってるんだよ。
重い話なので人を選ぶとは思うけど、観ないのはもったいないです。
あと画角がスタンダードサイズ(4:3)なのでなるべく前の方で観た方がいいです。
是非!
あ、タイトルは「白鯨」からだと思います
神の不在の中にある、神の存在
チャーリーのパートナーのアランはニューライフ教会に「殺され」、もちろんアランの妹リズも教会を憎んでいる。娘のエリーは父チャーリーに捨てられ、母親、学校からも疎外され孤立している。ときおりチャーリーのアパートに来るトーマスは当初ニューライフ教会の宣教師を名乗っていたが、実際は父親と教会から自ら離れた「逃亡者」だった。このように、ほぼ全員がいまは信仰を持たない「棄教者」だ。
しかし、緩慢な「死」を自ら迎えようとしているチャーリーは、娘エリーや元妻メアリー、「義妹」リズ、トーマスたちとの交流の場で彼らの生を救済し、同時に自らも救済されるプロセスに、キリスト教の信仰を想起せずにはいられない。それぞれが恋愛、食、カネ、キャリア、酒、ドラッグなど俗物に依存する生き方をさらけ出しながら、死を迎えようとしているチャーリーの導きから彼らは赦され、そして隣人愛に収斂していく、極めて宗教的な作品だ。
人は一人では生きれない
チャーリーが最後に話していた「人は他の人を気にせずにはいられない」から人間は素晴らしいと言っていた言葉がとても響いて、思いやりのある世界になっていくことが一番だなと思いました。
想定外・・・・
難解すぎる。。。この映画~♫
テーマは・・・。
人の偽善とエゴを観客に問わせてむき出しにさせる映画で。
神という存在の『肯定』と人間のどうしようもないけど・・・。
それでも愛すべき所の肖像でしょうか。
※あくまで個人の妄想です。
観ながらラストのほんとギリギリまでは・・・。
この映画も監督が何を表現したいのか、ほんとに分からなくて、
思っていた事は・・・。
主人公が余命5日という根拠がまったくないので・・・。
最後・・・死なないって落ちなのかしらぐらいで・・・思って観てたら・・・。
あぁぁぁ・・・ラストギリギリで・・・。そっか~って、予想は外れて・・・
赦して分かり合えた瞬間・・・。奇跡は起こるが・・・。
神は与え・・・奪い去る。。。
そこで・・・あらゆる対比の輪郭が各々の内面のグロテスクさの影にあったものが、
観えてきたんですが。。。
※あくまで個人の妄想です。
ほんとに・・・。娘を別れた神さんが育てているhiroとしては。。。
予告から想像していた内容からは大きく裏切られた上に・・・心を抉られました。
そして、作品と監督が問うてきたものも想定外すぎて・・・
ただただ・・・観た後、放心状態(≧◇≦)
・・・監督は相当、内面を抉ってくる変態な上に凄く、
考え抜いて創っている事で・・・個人的には感服しています。
でも・・・友人に良かったよ~って奨める事が・・・。
僕には・・・できーーーーん( ;∀;)
悩んだ末に☆は3つに致します。
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