劇場公開日 2023年4月7日

  • 予告編を見る

「やはり神に喧嘩を売っていました」ザ・ホエール ミカさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0やはり神に喧嘩を売っていました

2025年4月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

テーマを信仰と自虐にして、神に喧嘩を売る描写は、やはりダーレンらしいなと思います。

同性愛者であるチャーリーは恋人と暮らすために、家族を捨てました。その恋人は自死しました。そして彼は今セルフネグレクトとなり静かに死に向かっています。クリスチャンの視点では、チャーリーは罪を背負った男です。しかし、客観的な視点では、チャーリーは肥満症の精神疾患の男です。多くのアメリカ人と同様に壊れてしまった人間です。

本作を通して、私にはこんな声が聞こえてきました。

神は、信仰心が強い人間をも死に向かわすのか?

信じる者は救われるどころか、全く救われていないではないか?

もしかして、人間を不幸にしているのは神の存在なのではないか?

神は不在である。神と言われている概念は、人類が発明した権力機構である。そんな神にいまだにしがみつく哀れな人類よ。

チャーリーの肉体が、人類が神を信じていることの悲しみや滑稽さをそのまま象徴しているようでした。

主演のブレンダン・フレイザーを知らなかったのですが、セクハラ被害で鬱になってキャリアを断たれていたんですね。“レスラー”でキャスティングされたミッキー・ロークを思い出してしまいました。ミッキー・ロークが干された理由はわからないですが。キャスティングも、ダーレンらしいし、アカデミー賞主演男優賞を取ったのも納得です。

ミカ
かばこさんのコメント
2025年4月5日

私は特定の信仰持ってないのですが、宗教=集金システムと思えてなりません。

かばこ
PR U-NEXTで本編を観る