劇場公開日 2022年12月1日

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「電気的な愛、またはルイス・ウェインの伝記的な愛」ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5電気的な愛、またはルイス・ウェインの伝記的な愛

2022年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 両手で絵を描く素晴らしさ。しかも無茶苦茶速い。両手で文字を書くといえば『きっと、うまくいく』(2009)に出てきた校長先生。そして水森亜土しか知りませんでした。

 経済観念が弱く、子供っぽいルイス・ウェイン。何でもチャレンジすることで自己を保っているようなところが個性的すぎるのです。特にボクシングをやってる姿なんてのは、まるでチャップリン。結婚するまでは「動物の絵といえば、やっぱり犬!」とか言ってたし、猫派よりも犬派だった意外性。19世紀ではまだまだ猫の価値がなく、ペットとしても普及していなかったようです。ペットとしての猫の地位を確立させたのはルイスだったわけですね!

 シェイクスピアの「テンペスト」も重要な伏線となっていましたけど、転スラを思い出しちゃいました。嵐の悪夢を見る様子からして、ルイスのトラウマとなっていたことが窺える。そうして悲劇。猫の絵を描くことで彼の心は平常を保っていくストーリー。電気についての特許を取ることを目標にしていましたが、結局は猫のイラストで有名になったルイス。後半は妻が亡くなってからが中心となり、彼の心象風景も描かれます。特に森の中の湖の絵画的な映像が終盤にも登場するなんてのが、電気的な繋がりを象徴していて印象的。世界は美しい!

 未来の夢を見るなんて・・・ひょっとしてドラえもんも?と妄想が拡がります。1400万605分の1の確率で出てくるかもしれません・・・

kossy