「無茶苦茶な内容だけど、それが気持ちいいというか、「映画って自由でい...」ムーンフォール 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
無茶苦茶な内容だけど、それが気持ちいいというか、「映画って自由でい...
無茶苦茶な内容だけど、それが気持ちいいというか、「映画って自由でいいんだな」みたいな気持ちになれる作品なので、こういうのも世の中には必要なんだ。
月が地球に落ちてくるというアイディアがすでに荒唐無稽だけど、その月は実は超技術で作られた巨大建造物だったという重ね技。それを止めるために、落ちぶれた元宇宙飛行士とオタクが立ち上がる。一応、そこに家族のドラマなんかも挟まれ物語を推進するが、それは刺身のツマ的な意味でしかない。とにかく、破壊を描くというのがこの監督のやりたいことであり破壊衝動を具現化することが目的なんだろう。
ストーリーは確かに大味である。オタクをヒーローにするのも結構使い古されたネタになりつつあるし、一つのひとつの破壊描写もエメリッヒ監督の過去作でも観たことある気がする。でも、思いついてもそんなアイディアやらんだろうというようなものを、惜しげもなくやってしまう辺りがこの監督の気持ちいい部分で、子供じみてるとかそういうことを気にしてなさそうなのが長所でもある。
破壊の快楽は確かに感じられるので、これはこれで楽しい。
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