「月が地球に落ちてくる」ムーンフォール bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
月が地球に落ちてくる
ローランド・エメリッヒ監督と言えば、『インディペンデンス・デイ』や『デイ・アフター・トゥマロー』『GOZILLLA』等、地球に訪れる未曽有の危機を題材にした、SFパニック巨編作りで有名な監督。そのエメリッヒが新たに地球に課した危機とは、エイリアンでも、気候変動でも、ましてゴジラでもない、夜空に輝く月と地球の衝突というもの。
残念ながら本作は、劇場公開はされてなく、Amazon Prime Videoのみによる視聴となっている。そのため、自分もスマホの小さな画面で観たので、この作品の本来持つ、宇宙の壮大なスケール感や月の接近に伴う天変地異の臨場感は、十分には伝わってこなかった。
宇宙で調査に当たっていたジョーを副長官とするNASAのクルーに、得体の知れない集合体に襲われ、一人が宇宙の藻屑と散る。そして、その集合体こそが、月の軌道を逸脱させ、あと数週間で地球に衝突するという事実をNASAは掴む。軌道修正の為に、人々には内密に、核を月に打ち込み、その集合体を破壊しようと試みる。
しかし、そうすれば、核物質に汚染された月の破片が地球上に降り注ぐことに…。それを阻止しようと、先のクルーの事故に遭った、ジョーと宇宙飛行士のブライアン、そして、誰よりも早くこの事態を見抜いていた科学者・KCの3人が、月に立ち向かっていく。
また、本作は、月が単に軌道を逸れて地球に衝突する際の人類の姿描くだけでなく、科学者・KCの唱えてきた月の内部が空洞説というのが、クライマックスでの大きな見所とも言える。
・月の中には、いったい何があるのか…?
・月の内部から出てきた怪しい集合体の正体とは…?
・そして、月そのものの創造主や存在意義とは…?
等、エメリッヒの頭の中で渦巻いていた、月に纏わる様々な謎が、解き明かされていく。
出演者は、主に月に立ち向かう3人。NASA副長官役には、『Xメン』でお馴染みのハル・ベリーが、ブライアン飛行士には、これまで,どちらかと言うと、異よりない役のイメージがあるパトリック・ウイルソンが逞しく演じている。そして科学者KC役には、『ゲーム・オブ・スローン』でサムウィル役を演じた、ポッチャリなジョン・ブラッドリーが演じている。
しかしながら、この手のSFパニック・ムービーは、もうやり尽くした感もあり、本作でも、それほどの新しさやストーリーの巧みさも感じなかったかな…。