配信開始日 2022年7月29日

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「スクリーンで観れないのがもったいない!既視感とお約束が満載で安心して観られる花火大会のようなディザスター大作」ムーンフォール よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0スクリーンで観れないのがもったいない!既視感とお約束が満載で安心して観られる花火大会のようなディザスター大作

2022年7月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

内容的には『インデペンデンス・デイ』の焼き直しみたいな話。月は巨大な人口建造物だというトンデモ理論に執着するKCハウスマン博士(ファーストフード店勤務)が月の軌道がずれ始めたことに気づき、過去の事故でNASAを追われた元宇宙飛行士のブライアンに接触する序盤、意外とあっさり世界中に月が落ちてくる事実が知れ渡ったのにそんなにパニックにならない辺りは『GODZILLA ゴジラ』を思い出す優しい演出。ディザスター映画なのにロケ撮影がほとんどなくセット撮影やクロマキー合成がメインなのでどうしても箱庭感が鼻につきますし、中国の配給会社である華誼兄弟が出資しているので『2012』ばりに濃厚な対中忖度もありますが、本筋とは全然関係のないアルツハイマーが引き起こす悲哀、親子の確執、離婚した夫婦の複雑な心情といった小さなドラマがあちこちに散りばめられているのでハリボテ感はほとんどなく、作品の尺も130分と比較的コンパクトなので中弛みもありません。別になくても構わないような捨てカットにドナルド・サザーランドを配したりして大作感をさりげなく演出しているのも微笑ましいですし、もう『インデペンデンス・デイ』のウィル・スミスとジェフ・ゴールドブラムとランディ・クエイドの活躍を一手に引き受けるKCハウスマン博士(ファーストフード店勤務)の大活躍に世界中の引きこもり達が勇気づけられることでしょう(だから“ハウスマン“なんだと思います)。パトリック・ウィルソンとハル・ベリーという意外なキャスティングは大正解でマイケル・ペーニャも好サポート、アメリカ人なのにblessとmissを聞き間違えるんかい!とツッコまざるを得ない『アフリカ』ネタのツカミから爽快なエンディングまでディザスター映画なのに安心して観られる作品です。

よね