ヒューマン・ボイスのレビュー・感想・評価
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振り切れてない。
ティルダ様は本当に仕事楽しんでるなぁと思う。
かなりの低予算インディーズ実験映画から、ハリウッド超大作まで、、、声がかかることも凄いし、両立してるのも凄い。ギャラも内容、予算にフレキシブルにしてるんだろうな。
そんなティルダ様の比較的実験色の濃い作品。
ロケもしてるけど自室はあえてスタジオのセットまんま解るように撮っている。
現実と虚構が交錯してますが芝居自体は男に捨てられた女の嘘と見栄と本心そして居直り、立ち治り。
わりとベタな感じで彼女の1人芝居+犬を追った30分。
色は美しかったが構図にキレがなく、割と撮影自体はふつうに見え、、、中途半端な感じがした。
まあ、普段感情的な演技が少ないティルダ様だが本作はかなり人間ぽくて、そこが見所と言えるかもしれない。
私の手の延長線上にある工具
赤、緑、青とクリアな服の色に20年代のインテリアの部屋。スウィントンは身体も衣装も顔も頭部もOsker Schlemmerの世界。だから/でも通信もコーヒーも現代。殺し抹消するのは古代からの方法。交わした愛の言葉も古代からの手段、手紙。嘘をつき私は大丈夫、でも本当は違う、何も食べずどこにも行かず待っていた。なんでわからないの?モダンな室内の裏は舞台の書き割り。化粧し着替え髪を洗い犬と電話の向こうに語る台詞。色んなことを思い出して考えた。年とった女ってそんなに悪いの?
さまざまに解釈する快楽。
ティルダ・スウィントンをのせて、これだけの芝居をさせるアルモドバル監督が素晴らしい。コクトー、アルモドバルという記号にクイアと自任するティルダが、ジェンダーを超えた「失われた愛」を表現する仕掛けが面白い。ベッドにあるスーツは男性ものらしいが、電話の相手は果たして男性なのだろうか。という倒錯的な香りもする。30分という短さのため故に、さまざまな「答え合わせ」が不要であるという、観客に「思考する愉悦」を与える。
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