劇場公開日 2023年10月13日

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「「日本で」見る場合にはかなりの語学力を要する(本文参照)」オペレーション・フォーチュン yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「日本で」見る場合にはかなりの語学力を要する(本文参照)

2023年10月15日
PCから投稿

今年354本目(合計1,004本目/今月(2023年10月度)19本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 続き物があるかどうかは知りませんが、B級というほどではなかろうというところです。せいぜいA-級かというところです。

 ITに関する細かい知識が求められるシーンがあったり、エンディングロールで突如日本のシーンになったりという「珍妙さ」は見られるものの(続編があることを示唆している?)、今週海外のアクションものを見たいなと思ったらおすすめです。

 ストーリーの紹介については他の方が書かれているので思い切って省略します。

 この映画、「極端に」英文法(=国語)に関する発言が多く、日本では「英語」として学習するに過ぎない日本では理解にかなり躓くのではなかろうか?と思う部分があります。
そこはちょっと説明しながら進めていきます。

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 (減点0.3/一部のセリフが日本で見る場合にかなりの語学力を要する)

 「「誰が?」、いや、「誰に?」のことか?」というシーンが登場します。

 英語では「誰」を表す疑問詞はWhoです。これは幅広く使われますが、日本では中学から英語を本格的に学習するため、余りにも学問的過ぎる内容は「現代口語英文法にそって」省略されるところがあり、これもその一つです。

 Whoは疑問詞ほか関係代名詞でも用い、主格用法(誰が)と目的格用法(誰に・と)があります。日本ではどちらもWhoを使っても減点されませんが、「海外では」前者はWho、後者はWhomと違います(字幕はそのことを指している)

  (主格用法)
    Who is in charge here?
 (ここの責任者は誰ですか?) 「誰が」ということを問うのでWho

  (目的格用法)

    Whom(/Who) did you think he married?
 (あなたは彼が「誰と」結婚したと思いますか?) 「誰と」なのでWhom(中学高校英文法ではWhoでも許容される。減点なし)

 ※ 関係代名詞(人を先行詞にする用法)でも同じ。主格用法ではWho、目的格用法ではWhomだが、Whomは通常Whoに置き換えられるか、省略、thatに置き換えられる(非制限用法除く)。

 つまり、Whomという語をあまり目に見ることがないので、この点は結構「日本人の一般的な英語力では何をいっているのかわからないのでは…」といったところです。

 ※ 実際、口語英語ではWhomを使うことは稀なので、この違いを問う出題は稀であり、特にTOEICなどで出題されると実際出題ミス扱い(英検もこの出題は基本的に回避していることは過去問からでもわかる)。

 (減点なし/参考/これらの疑問文の性質)

 英語では、Do/Does/Did、あるいはCan~ などではじまる、yesかnoかのいわば「2択」を求める疑問文を「決定疑問文」といい、この映画のように「誰が」「どこで」「何を」といった「幅広い回答を求めるもの」を「補足疑問文」といいます(この点も知っていないと上記の疑問点は完全に理解できません)

yukispica