「はい、アザラシ」はい、泳げません ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
はい、アザラシ
レイトショーで観ましたが100人くらい入る劇場でパッと見5〜6人、平日といえど初週…。興行的には非常にまずいんだなと思いながら鑑賞。
年間ワースト級ではないですが面白くなかったです。コメディに振りたいのかシリアスに振りたいのか、その線引きが曖昧すぎてどっちつかずな感じが気に入りませんでした。
まず序盤の麻生さんの関西弁、自分は関西人ではないので細かいイントネーションまで分かりませんが、それでも指摘せざるを得ないヌメっとした関西弁でした。原作を読んでいないのでそこはなんとも言えませんが、関西出身の女優さんを採用するか、この映画的に関西の人である理由はそこまでないのでクセのない喋りにすれば良かったのに…。あと納豆が嫌いなら口にぶち込まれたら嫌でしょ?っていうセリフをなぜそのまま映像にしてしまうのか…。映像で見せないと分からないバカだと思われているのかと思ってしまい、この時点で冷めてしまいました。
綾瀬さんと長谷川さんのW主演的なものだと思いましたが、実質長谷川さんのトラウマ克服がメインであり、綾瀬さんは水泳を教えるだけの人になっているのも残念です。綾瀬さんは水泳以外できないと予告の時点で明かされていましたが、まさか本当に水泳以外できないとは…。その設定だと物語に支障が出てしまうから出番を少なめにしたのか…。おばちゃんズの横柄な感じは面白いとは思えず疲れました。
なんとなく泳げない理由は自身の子供か親が海か川で溺れたトラウマなのかなと思っていたので、そこの種明かしがあった際もそこまで驚きはしなかったです。そのトラウマを引きずる理由は分かるのですが、くどすぎる演出がその物語性を台無しにしてしまっている気がします。ホラー的な演出をしたり、セリフを反復したり、画質を荒くしたり、会話の壁を越えたり、とやりたいこと、こうしたら面白いんじゃないかを余計に詰め込んだ結果ずっと冷たい目で観ることになりました。
全体的に男性像の語り口が皮肉れてない皮肉さでイラっとするだけですし、セリフの一つ一つが説教くさく蛇足ばかり。編集の仕方もなんだか狙ってるのか?と思える複雑さ、登場人物の知能指数の低さ、とにかく疲れてしまう映画でした。
主演の2人や阿部純子さん、子役の方々たちと演技に関しては非常に良いのですが、作り手たちとの考えの相違が今作の面白いか面白くないかに直結していだなと思いました。
鑑賞日 6/14
鑑賞時間 20:30〜22:30
座席 D-8