「ビートルズ好きには堪らない映画」ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ビートルズ好きには堪らない映画

2022年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞。
【IMAX】上映なので音も映像もクリアであり、当時のフィルムサイズも利用したスクリーンを横に2分割・3分割…といった工夫した編集のため、ワンスクリーンに複数映像がパラランされるので眼が忙しい(笑)
横長スクリーンを3分割する映像などは、かつて日本武道館で上映されたアベル・ガンス監督の『ナポレオン』のような感じ…。

さて、本作の見所は、何と言っても映画タイトルにつけられた『ビートルズのルーフトップ・コンサート』である。
1969年1月30日、ビートルズ最後のLIVEとなっただけでなく、前代未聞の街中ビルの屋上での大音響の演奏。これは、マイケル・リンゼイ・ホッグ監督の映画『レット・イット・ビー』でもクライマックスと位置付けられていた演奏シーンだが、現在、映画『レット・イット・ビー』はなかば封印されたかたちになっており、映画館スクリーンでルーフトップライブを観たのは、個人的に1975年以来47年ぶりぐらい。
しかし、本作は、そのルーフトップ・コンサートを全編にわたって映してくれるサービスぶりが嬉しい。 ⇒ 映画『レット・イット・ビー』ではだいぶカットされていた。

構成としては、映画序盤ではデビュー前からビートルズのトピックスを簡潔に端折ったかたちで提示してから、ルーフトップ・コンサート場面をほぼ全編描いた上で、コンサート直後のメンバー含めた関係者風景などから成る。

演奏曲は、屋上では10曲。
1.Get Back (Take 1)
2.Get Back (Take 2)
3.Don’t Let Me Down (Take 1)
4.I’ve Got a Feeling (Take 1) ……アルバム収録
5.One After 909 ……アルバム収録
6.Dig a Pony ……アルバム収録、ジョン歌詞カード
7.God save the Queen
8.I’ve Got a Feeling (Take 2)……ジョンの歌詞が全く違う。警官が屋上へ上っていく。
9.Don’t Let Me Down (Take 2)……警官が屋上に現れる。
10.Get Back (Take 3)

65分と映画としては短い時間だったが、映像を駆使して同じ曲でも[異なるアングルから複数の映像]を見られたりしたので、とても楽しめる映画であった。

ただ、惜しかったのは、ビートルズ演奏シーンに「街の人々のインタビュー映像」・「警官の発言映像」などを被せるのは止めて欲しかった。
観客は、ビートルズ演奏シーンを堪能したくて観に行っているのだから、曲にインタビュー被せるのは映画『レット・イット・ビー』でもあったが、やはりいただけない。
本作の製作者は、「ビートルズが屋上で演奏し始めたら、街中などではこうしたことが起こっていたんだ…」というリアルさを見せようと考えたのかも知れないが、やはり曲間に挿入すべきだという気がした。

まぁ、それでも、時空を超えてスクリーンで観たビートルズ屋上演奏シーンは心に焼きついて、何度でも観たい映画である。

<映倫No.49224>

コメントする
たいちぃ