カラーパープルのレビュー・感想・評価
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印象が違うがいい映画だった
オリジナルは相当昔に観た記憶はあるが、細かいところは全然思い出せない。黒人女性が強く生きる物語くらいしか印象に残っていなかった。それでもこの映画をミュージカルにするの?という違和感は強かった。歌と踊りが入るとシリアスさが和らいじゃうと思ったから。
でも、実際に観てみると細かいところを覚えていないから、違和感覚えるというよりも踊りと歌(特に歌!)に圧倒されてしまった。そりゃあれだけ上手い人を集めてミュージカルにしたらすごい迫力になるよな。楽曲も普通によかった。自分たちも踊れるに違いない!
たしかに凄惨なシーンは多くない(元々こんなもんだっけ?)。そしてストーリーも白人に対抗する黒人女性というよりも、姉と妹の愛情や女性同士の友情を描いた話だったし、女性が男(しかも黒人男性)の支配から逃れて自立しようとする話だった。オリジナルも同じ話なのに別の印象ってことは、時代や社会状況が変わったということかもしれない。そういう意味で今作られた意味もあったのだろう。いい映画だった。
黒人の方々の歌とリズム感に酔いしれる…。
黒人の女性のスタイルは、ホント、黄色人種の私たちとは全然違う。
迫力あるボディを楽器のように響かせて歌い上げる曲の数々は圧巻。
ダンスも表現力も素晴らしく、テーマの重さからくる憂鬱も救われました。
女性を本気で殴る男はサイテー。
私なら、仕返しに、睡眠薬で眠らせるか、スタンガンで気絶させて、縛ってベランダからつるして、社会的に抹殺する(実際にしたことはないです)。
長い歴史の中で、苦難に耐え忍んできた黒人の女性たちにエールを贈りたい。
同じ頃の日本でも、女性は嫁という子どもを産む家政婦扱いだったのだろうと気づく。
明治時代の嫁は、誰よりも早く起き、誰よりも遅く寝て、家族の3食の食事を用意し、家事全般を家電もない中こなし、風呂は一番最後、嫁が不倫しようものなら重罪って、奴隷じゃんと思った。
どんな男性も、女性から産まれるので、女性にはかなわないと分かっているのに、変なプライドに邪魔されて、女性を虐げちゃうのかなー。
小さい男の子ならかわいいけれど、おっさんがしても愚かとしか思えない。
現在でも、イスラム圏やアフリカ、中国やインドなど、まだまだ女性の人権がないがしろにされているエリアはたくさんある。
女性は男性を支配したいとか、跪かせたいとか思っていなくて、ただ自由に生きたいだけなんだけれど。
女性が政治の中枢にもっと増えれば、今よりは平和な世界になるような気がします。
遥かに華やかに
ミュージカル版で新たなカラー・パープル
あの名作がブロードウェイ ミュージカルを経て、再映画化。プロデューサーにスピルバーグもアリス・ウォーカーも名を連ねている。なるほど、ストーリーの大スジは同じだけど、細部の設定や描き方はかなり変わっている。勿論、黒人差別、女性の人権という部分は変わらないが、女性の自立という雰囲気がより強く主張されているように感じた。加えて、神の御業、悔い改め、許しについても色濃く歌や台詞に描かれていて、ゴスペル要素が強くなっていた。キャストは他のヒット作でも観たことがある女優さんが複数、そして皆歌もダンスも素晴らしい。
ウーピーもしっかり顔を出していたシーンがあり、前作へのリスペクトも感じられ、新たな今作のミュージカル化はより物語の流れや抑揚が感じられて、とても良かったと思う。
もう少し話題になってもよいような気がするが、公開劇場も、上映回数も多くなくて、ちょっと残念。
強く生きなきゃ!!て思た。
すごく良かった!
ミュージカル版じゃないほうの映画は見たはずだけど、
記憶に残ってなかったので、展開の先読みとかナシで。
冒頭の曲がイイ感じで。
なんだか、必死に生きてきた(であろう)両祖父母のこととか、必死に僕を育ててくれた両親のこととか、今も必死に生きてる弟のこととか、若くして亡くなった姉のこととか、いろいろ考えて。『強く生きなきゃ!!』て思た。
仕事とか生活とか健康とかアラフィフ独身とか、色々あるけど、『強く生きなきゃ!』て。
ミュージカルとしては、冒頭の曲と、シュグとのデュエットの曲とか、素晴らしかった。
シュグ役の人が山村紅葉さんに見えて(^o^)
あと、産婆さんってウーピー・ゴールドバーグだった??クレジットには出てこなかったような気がして、見間違い??
脚本は普通だが音楽は素晴らしい
素敵な話だとは思うが、正直、話の運び方とか演出は普通…
ミュージカルらしい元気いっぱいなダンスと音楽は華やかで前向きなものばかりで良かったです。
主人公が覚醒するまでが長くて、せっかちなイマドキ視聴者は辛い…パパも旦那ももっと早く殴って蹴って沼に沈めとけと思いました。
黒人差別・女性蔑視の時代に強く生き権利を主張した女性たちを讃える気持ちは伝わってきましたが、その分男性が見るには辛いかも?
愛情深い男性も出てきましたが、基本的に男性が悪役、女性が正義というスタンス。悪い女性が居ない。
でももう予定調和でも良い。
約束されたハッピーエンドは泣けました。
ミュージカルにする前が想像できないくらいミュージカルで、サウンドトラックが聞きたいです!
全ての女性へのアンセム
黒人女性の敵は黒人男性
パワフルすぎる女性「三英傑」。
こんなに力強さにあふれたミュージカルは見たことがない。セリー、シュグ、ソフィアの3人の女主人公は、見た目もパワフルだが、生き方もパワフルだ。そして歌とダンスに最初から最後まで圧倒される作品だ。。
簡単に言ってしまえば、セリーが人としての誇りを勝ち取る物語である。前半のセリーの状況はあまりに過酷である。義父から性加害を受け、見も知らない中年男の妻として家畜の様に売り飛ばされ、夫からは暴力的に扱われる。唯一の心の支えだった妹のネティとは生き別れてしまう。セリーもこれが自分の生きる定めだと半ば諦めているような所がある。それがソフィアとシュグという強くて自立した女性達と付き合っていく中で、変わっていくのを見るのがとても楽しい。彼女にとってソフィアとシュグは憧れる存在ではあるが、自分とは違うと思って、なかなか自分を変えようとはしない。しかし交流を深めるにつれて、彼女の内から本来の自分を取り戻したいという気持ちがどんどん強くなっていくのが分かる。その原動力になった3人の友情というか、結びつきは本当に心地よくて力づけられる思いがする。
あることをきっかけに、セリーは生まれ変わる。自分を肯定し、自分の意志で生きていくことを決意する。それはタイプは違うがソフィアやシュグと対等な存在になったということでもある。
「神の赦し」のような、キリスト教的なにおいは少し気になるが、人間の尊厳みたいなものを、こんなにも力強く分かりやすく表現した映画はあまりないだろう。
個人的には、リトルマーメイドのアリエル役、ハリー・ベイリーが出ていたのが嬉しかった。
昔の方が面白かった、比べるのもどうよと思うけど
昔観たインパクトが強くて(1回しか観てなくてそれも40年くらい前なのに)あーここはエピソードの人物が違ってる!って気になってしまってそれも没頭できなかった理由です。昔の方のエピソードで一番覚えてる、「黙ってろ!」と夫に怒られてそれからまったく何十年も口をきかなくなったエピをミュージカルでみんな歌うのにどうするんだろうとある意味ワクワクしていたのですが、そこ、なかったですね・・・
ミュージカル好きですが、よいなーと思った曲が1曲しかなく、それも観賞後残らなかった。字幕が上手くない。特に歌詞。
昔の物は観ずにこれだけ観てたらまあまあかも。ウエストサイドストーリーもリメイクしてたけど、昔監督した当時の流行り(ベストセラー)を、今この時代に作り直すスピルバーグ(が作り直してる訳ではないけど)の思惑を知りたい。
刺さった!そして歌が秀逸!
スピルバーグ版もミュージカルも未鑑賞、ミュージカルのI'm here という曲だけは何度も聞いていて好きな曲だった。でもI'm beautiful とようやく言えるようになったシーリーの人生通した解放感、歌詞の意味は見てようやく分かった。今回も全編通してあの曲がクライマックスかな。
とにかく皆歌がうまい!ブラックミュージックの迫力、ハスキーボイス、どれもかっこよかった。
英語は発音が癖あってほぼ聞き取れなかったけど。
前半は胸糞展開なんだけど、歌が挟まるからあまり嫌な気持ちにならずに楽しめた。最後夫が許されるくだりは納得いかないが実際哀れに見えてしまい悔しい限り。
脱出時に夫から言われた、
“You're black, you’re poor, you’re ugly, and you’re a women.” だからお前は成功できるはずがない。
それに対して解放された時のI’m here で
「私には家がある、休める椅子がある、動く手がある、真実を見る目がある、心を見せられる親しい人がいる」
「そして何よりも自分のありのままの姿を認めることができている、そのことに感謝している」「私は美しい」
だから大丈夫、と自分を肯定できるようになる。
この曲の場面が一番こころに刺さった。
私は自信を持ってこれらがあると言えるだろうか。
家も手も目もある。心を見せられているかはわからないけど親しい人たちもいる。迫害もされてないし仕事もあって生きるのに困ってもいない。でも自分のことを愛することはきっとできていないし、いつかひとりぼっちになった時に自分の足で立てるのか、その強さをどうしたら身につけられるのか。ぐるぐると考えが回ってしまって胸が苦しくなる。見るタイミングが悪かったかな。心が弱っていたのかも。。
生きている
上質な王道ミュージカル
とにかく力強く伸びやかでエモーショナルな歌声と、心が弾むダンスで彩られるミュージカルシーンが最高。上映開始直後から始まる教会でのミュージカルパートで、本作への期待値がグングン上がりましたが、最後まで上質なミュージカル映画を楽しむことができました。
黒人女性であることで、当たり前に虐げられ、自由に生きる選択肢がなかった時代。セリー、シュグ、ソフィア3人の女性たちそれぞれが、互いに影響し合いながら絶望や希望を感じる様はとても印象的で、セリーが「生きている」と思えるに至ったシーンは胸に響きました。
やや長尺だったり、上手くいきすぎ(ラッキーすぎ)な展開が気になったりもしましたが、王道の上質ミュージカル映画として楽しめました。
歌詞の中に Gスポットが出るとわ (☆o☆)意外や意外。
平均的に
ミュージカルはさすがの素晴らしさだけど、ドラマの内容は相当につらいものがある一作
本作と同じアリス・ウォーカーの原作をスピルバーグは1985年に既に映画化しており、さらに本作の製作にも携わっているということで、逆光を活かした画面構成など、本作からは特に映像面で、スピルバーグの強い影響を感じ取ることができます。もっとも本作における陽光は明らかに、神の恩寵を意味しているため、スピルバーグ的撮影術の踏襲にとどまらず、作品の主題としっかりかみ合った映像となってます。
また本作は、主人公セリー(ファンテイジア・バリーノ)と歌手のシュグ(タラジ・P・ヘンソン)との関係性がより親密さを増しているなど、単なる前作リメイクではない変化を加えています。セリーを演じたバリーノは、ミュージカル版でも同じ役を演じていることを考えると、本作はスピルバーグ版のミュージカル映画化というよりも、ミュージカルの映画化、と言ったほうがより適切なのかも。
冒頭から素晴らしいミュージカル場面が展開しますが、ドラマパートもしっかりと描いていているため、鑑賞中は「ミュージカル映画」という認識はさほど持ちませんでした。
しかしそのドラマパートで展開する話の内容はなかなかきつい…。20世紀初頭以降の米国社会に生きる黒人の人々に焦点を当てているため、どうしても人種差別の問題が物語に絡んでくるんだけど、セリー達を直接的に苛む脅威は、白人による抑圧以上に実の父や夫らが振りかざす暴力的な父権主義です。
その抑圧に対してセリーやシュグらは立ち向かい、結末において一応の決着があるんだけど、それで彼女らが受けた受難の対価として十分なんだろうか…、と考えずにはいられませんでした。
なおこれまでの作品と比較してみると、シュグの人物造形や人間関係などの描写が異なっているようなので、それぞれ見比べてみるのも興味深いかも。
アメリカ版のおしん
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