「感動したがミュージカルの感動に騙されて、大事な問題が凄く「浅く流されてしまった」ような違和感が残った。」カラーパープル ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
感動したがミュージカルの感動に騙されて、大事な問題が凄く「浅く流されてしまった」ような違和感が残った。
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スピルバーグ映画化作品と同原作のミュージカル版。
セリー、ソフィア、シュグ三人と、そしてエンディングの歌が素晴らしい。
エンディング後、拍手が起きました。
黒人差別の中で、黒人の世界でも凄まじかった女性差別を中心に描かれています。
父親に子供を取り上げられ売られ、父親からも行為を強要されたり、金や牛でやりとりされる娘たち。
主人公セリーは、黙って従い、牛と引き換えに嫁がされた夫から家事を強要され暴力も受け、妹も襲われる。(妹が逃げ込んできたら当然その流れになると思うが。)
自由に振る舞う強い女ソフィアの登場に溜飲が下がるが、やがてより悲惨な差別を受ける。
スピルバーグ版は未見、原作未読ですが、ミュージカルであることと、現代の制限から、その辺の表現はこれでもきっと控えめと思え、表現が浅い印象。
なぜ、従わざるを得なかったのかの背景も描いてほしかった。
中盤以降、セリーのもとに裕福になったシュグが帰ってきて外の自由世界に連れ出してくれる。
さらに、店の権利も転がり込んできて、完全に自立。
妹も妹と偶然一緒だった子供たちも帰ってきてハッピーエンド。
よかったよかった、か????
あまりに都合よすぎないか?
観終わった後、感動はしたが、何かミュージカルの感動に騙されて、大事な問題が凄く「浅く流されてしまった」ような違和感が残った。
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