「快進のソウル・ミュージカル映画の名作‼︎」カラーパープル リオさんの映画レビュー(感想・評価)
快進のソウル・ミュージカル映画の名作‼︎
個人的に、早々と今年のトップ5には入るだろう久々に心震える作品だった。
ミュージカル映画としても、ダンサーインザダークは超えられないまでも、ララランドは超えた感があるな。
とにかく、ブラックミュージック好きには堪らない作品だと思う。
先週観た「哀れなるものたち」と、クソ夫やクソ男に虐げられる女性が自らの力で未来を切り開くという、所謂フェミニズムではテーマ性が被る部分があるが、あちらがいかにも賞を取りそうな悪趣味なクソ映画だったのに対して、こちらはドストレートに演者の表現力で観る者を圧倒してくる。ストーリー的にもシンプルで、特に手の込んだ捻りもないのにだ。
賞レースもいいのだが、私は、映画の醍醐味ってこちら側が「正」だと思ってるタイプです。
(「哀れなる…」は、ビジュアルとエマストーンの体当たりの演技は凄いのだけれど、奇抜なアイデアや悪趣味で変態な表現を「芸術」として極端に崇めるのにはあまり賛同出来ないのです。)
「哀れなる…」は、少なくとも私の人生にとっては無くてもよい映画だったが、この作品は自分の人生にとって必要と思える映画でした。
最後に、終盤に主人公のセリーが自尊心の目覚めを歌うシーンで、歌唱中の吐息を敢えて表現として収めているところにグッときた。何というか、ミュージカルにおける「シズル感」とでもいおうか。
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