「ハラハラするからやめて」ふたつの部屋、ふたりの暮らし コビトカバさんの映画レビュー(感想・評価)
ハラハラするからやめて
事実婚でもあり得る事だろうが、法的にどこまで考慮されるものなのか、国によっても違いがあるだろう。フランスはわりと進んでそうなイメージだったけど、他人扱いなのは、一緒には住んでいない仲の良い隣人という設定だからなのか。
日本でも別姓が議論され、事実婚も増えているから、ある程度は関係性を明確にしておくべきなのだろうか。
予告編でざっくり内容は分かっていたので、いつバレるのかハラハラ。しかしそれ以上に、誰かが居ると分かっている所に忍びこんでいくニナにハラハラ。
映画のご都合主義ではあるが、ちょっと手を握りしめてしまう。
技術さんが良い仕事をしている。
目のドアップで緊迫感を出したり、洗濯機や食器など大きめの音で、何か起こりそうな予感をさせる。
引っ越す気満々でガランと片付いたニナと、踏ん切りつかずに生活感あるマドの部屋。赤みがかった暖色系の照明と暗めの灯り、独り身と孫ありの対比が良い。
キスシーンなどは影のように直接は見せず、その直後カーテン開けての逆光など、光の使い方が見事だなと思った。
最後も結末はこう!と見せるのではなく、その後はご自分でとフワッと終わるフランス映画ならではのエンディング。
あのラストは美しい。
面白そうな映画だなと思っていたが、それを越えてきた。
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