「画面いっぱいに広がる美しい絵画とエロス」帰らない日曜日 あささんの映画レビュー(感想・評価)
画面いっぱいに広がる美しい絵画とエロス
小説家・グレアム・スウィフトの「マザリング・サンデー」を映画化、メイドから小説家になったジェーンの半生と階級の違う相手との秘密の恋を、上品なエロスとともに紡いでいる。
本作は回想シーンがメインで、さらに時系列がバラバラとなり展開、ゆったりと流れる時間が心地よい。
光をうまく活用した画はまるで絵画を眺めているようだ。
ジェーンとポールの裸体までも一つの絵画として成り立っている。
なんといってもインテリアやファッションも華美で、1924年の上流階級の人々の暮らしも垣間見れる。
本作のテーマは結ばれることのない秘密の恋をベースに、“結婚制度”とは、戦時下での“死や別れ”といったこともテーマとして組み込まれている。
孤児院に捨てられた「生まれた時から全てを奪われたジェーンは失うものがない」という言葉にはハッとした。
何かを手に入れるというのはいつかは失うこと、生まれたら死ぬのだということを突きつけている。
【以下ネタバレ】
孤児院に捨てられたジェーンが小説家になった理由
一つ目が生まれた時
二つ目が書店で働いている時に与えられたタイプライター
そして三つ目が、ある日曜日に起こった出来事、ポールとの秘密の甘い日々がきっかけとなっている。
恋愛は時として、その人の生き方に大きな影響を与える。ジェーンが何度もタバコを吸うシーンがあるが、タバコもポールの影響、そして小説家になったきっかけもポールの屋敷の図書室から始まった。
エレガントでクラシカル、ちょっぴりエロスがスパイスとなった上質なイギリス作品だった。
ジェーンが素っ裸でパイを頬張りながらビール飲んでゲップするシーンがリアルで笑っちゃった。
コリン・ファースの存在感もさすがだ!
今晩は
コメント、ありがとうございます。
このシリアス且つ、英国的なユーモアを一部取り入れた作品。私、非常に好きでして・・。
で、あのエロティシズム溢れるシーンですが、男のおバカな定めにより”自分のモノよりも相手の持ち物はどうだ!”問題は中坊の頃からの永遠の課題であり、ポールの、【正にポールの】一品にはやや負けた・・、と思わざるを得ないシーンでありました。
ホント、この正統的な英国映画に対して冒涜の極みのコメントではありますが、精神年齢15歳の私にとっては、”負けた・・、と思ったシーンでもありました。夜分、本当に申し訳ありません・・。では。