PLAN 75のレビュー・感想・評価
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「老後」という概念が崩れた社会
75歳以上になったら、自分で死を選べるという制度が導入された世界を描いた本作。
カンヌでも高く評価されており、初週から平日でもまあまあ入っている。劇場数も多くないからというのもあるが、より身近に感じる人も多く、かなり注目作であるのは間違いない。
本作は、静かに淡々と話が進んでいく。大衆向けとは言い難く、映像もセリフもかなり抽出している感じがする。倍賞千恵子さんの演技が秀逸で、ミチという女性の真っ直ぐさで純粋な様を表現している。
磯村勇斗演じる役所のPLAN75担当の岡部や、河合優実演じるコールセンターの成宮を通して、若年世代がこのプランを通して命をどう見るか、と言う点もシンプルによく描かれている。特にこの役所のPLAN75担当の岡部と、たかお鷹さん演じる叔父の関係性が、絶妙である。
マリア(ステファニー・アリアン)と言う役どころもまた近未来を想定したような設定で絶妙である。
娘の命を救うためにより収入の良いPLAN 75の最期の施設で働くことになるのだが、命を救うために、命の終わりの後始末をしているという立ち位置はなかなか巧妙である。
本作は、割と観る側に委ねられていると思う。映画を通して、我々は映画の世界を観ているのではなく、自然と自分とその家族を想像してしまう。多分、観た人全員そうだと思う。
あとは、「老後」という概念がもはや崩れている社会を描いている。70歳を越えても働かなければならない人たちが多くいて、自然と働く意志が芽生えている。ここに、社会の需要と供給のアンバランスが生じている点も描いている。
平均寿命が延び、人生100年時代なんて言われているが、それはもうデメリットの方が大きくなっている日本社会。それに対応する社会システムがあまりにも脆弱であることをこの作品を通して感じてしまう。
命の選択。見せかけだけは良く振舞ってるこの国ではそんな法案が到底通るとは思ってないが、我々は自然と自分の命の終わり時を選ぶ時がくるのではないかと思う。
1点だけちょっと雑だなと思った点は、コールセンターのマニュアルでは顧客とバれないから直接会うというのは100%不可能なので(振り込め詐欺のセンターとかならまだしも、政府から委託されてるようなセンターでは全部録音されている)、あそこはコールセンター業の専門家の意見を入れてほしかったかな。
主役は倍賞千恵子が最適役
本作は、近未来の日本での75歳以上の生死選択制度・PLAN75に翻弄される人々の姿を描いた衝撃作である。予告編から、無機質で乾いた作品だと想像していたが、全く違っていた。邦画らしい哀愁漂う情感溢れる秀作である。
本作の舞台は近未来の日本。少子高齢化が進み、75歳以上の人間が自らの意志で生死の選択ができる法案・PLAN75が国会で可決される。本作の主人公は、ホテルの客室清掃員として働く78歳の一人暮らしの孤独な老女・角谷ミチ(倍賞千恵子)。彼女は、同僚高齢者の仕事中の死を理由に突然解雇される。再就職探しに奔走するが職はなく、万策尽きた彼女は、ついにPLAN75への加入を決断する・・・。
主役に倍賞千恵子を起用したことで本作のクオリティーとリアリティーが高まっている。彼女以外に本作の主役適任者は考えられない。倍賞千恵子の過去作でのイメージと本作での自然体の演技が本作を強く牽引している。
倍賞千恵子は、山田洋次監督作品、「男はつらいよ」「家族」などで、日本の産業構造の底辺で淡々、黙々、直向きに生きていく昭和女性を演じてきた。本作の主人公と重なるものがある。本作と彼女の一連の過去作が一本の線で繋がり、典型的な昭和女性の半生を想起させる。故に、台詞は少なくても彼女の言動には強く感情移入できる。何故、ミチは働くことに拘るのか。それは、働くことが彼女の生きる証だからだと推察できる。
PLAN75のプロセスが進んで、死が近づいても、主人公は淡々としているかに見えたが、最終プロセスで、彼女は生きることの大切さに気付き、PLAN75から離脱する。ラストシーンで、彼女が夕陽を見ながら呟くように確かめるように歌う“リンゴの木の下で”の未来を示唆した歌詞に、彼女の再生への決意が込められている。
どんなに、辛く、厳しく、悲しく、絶望的なことが起きても、生きている限り明日は来る、次はある。未来はある。希望はある。ラストシーンに込められた、題名とは正反対の本作の真のメッセージである。
あくまであり得ないフィクションだという前提
フィクションだと解っていても、見るかどうするか迷ってしまった。悲しく辛いものを感じることがわかっていたからだ。
この映画は、ブレードランナーのような近未来的設定演出で撮ることも出来たはずだが、あたかも現代の日本でこういう制度がスタートしたら、というドラマになっている。恐らく高齢化問題解決策の愚かな例を描きたかったわけではなく、そういう設定を通して見える、人との繋がりや距離感、そこで生まれる感情、価値観に気付く瞬間などを表現したかったのかなと思う。
個人的には余計な説明や表現が削ぎ落とされ、情景や設定、表情から読み取らせるこの描き方が見やすかったように思う。やはり賠償千恵子さん、素晴らしい。あの表情と歩く姿で語り尽くしている。それでいて発する声が全く衰えておらず、滑舌もはっきりしているところは普通のお婆さんではない!だからこそ、まだ頑張れるんじゃない?と思えるのかもしれない。
親には見せたくない作品だなあ、と苦笑しつつ非常に難しい設定を作品にした勇気に拍手したいと思う。
人間の尊厳について考えさせられる
日本ではタブー視されている安楽死。そこに踏み込んだ作品。
高齢を理由うに仕事ができなくなる、住む場所も無くなっていく。
そんな希望を断たれた上で得られる、生死を選択する権利。
なんと残酷な権利なのだろう。
また主演の倍賞千恵子がとにかくすごい。
80歳だというのに立ち姿も美しく言葉もすっと出る。しっかりとおばあちゃんなのは間違い無いのだが、どこか瑞々しさすら感じる。
しかしながら先のない芝居はものすごく寂しく、その空気は終始重い。音楽もとても良く作用していた。
そんな中、磯村勇斗や河合優実の立ち位置は良かった。
深く考えず流されている若者を作り、「本当に良いのだろうか?」という光を示していた。
ラストはどちらとも取れる描き方で、観るものに委ねられるというより、作品の中のように選択を問われている気がしてならなかったです。
人間の尊厳について、改めて考えさせられた作品でした。
柴又帝釈天の団子やの女将であればこういう最期は迎えない
カンヌでの受賞とか新人監督、多国籍出資、倍賞千恵子さん主演で高齢者の安楽死問題を扱っているなど気になる情報が入って来てしょうがないので公開初日に行ってしまった。ある程度想像していたとおりの映画でちょっと残念な部分が多かった。まず冒頭の前ピンでぼやぼやの長いフィックスがかなり異様でただものでない感が満載なのだが進むにつれて同様のカットが多くこれは撮影の浦田秀穂氏の趣味なのだろうかと思ったりどちらかというと予算の事情で全部描かずとも行間で感じさせる手法であるのかなと思うと一気に学生映画っぽく見えて興ざめやるせなさが募る。倍賞千恵子が素晴らしい。というか彼女でなければ成立しなかったであろう。日本の超高齢化問題と安楽死の是非、そこがテーマであるかのうように見せかけて避けてしまっているので肩すかしをくらわされて監督の若さゆえの視点の違いに戸惑う。中学生の時に観た「ソイレント・グリーン」を想起する。安楽死施設はもっともっと極楽浄土でなければ…こんな野戦病院みたいな寒々しく暗い施設で誰が安心して死ねるものか。もっと暴れあがく数人がいてしかるべし。75歳で死を選ぶ権利が与えられるというテーマに迫るべきなのに、葬り方埋葬の仕方がひどいとか遺品処理のスタッフがひどいとか、コールセンターのトークマニュアルがねぇとか本筋と外れた部分でばかりこの制度を貶める台本にあきれました。
まるでシン日本!これは現実か虚構か
水曜日はメンズデーで安いはずが平日の曜日割引は木曜日に集約されたようだ。これも値上げ策の一環??
土曜日に別の映画館で鑑賞予定が席が最前列と2列目しか空いておらず延期に
本日も平日夜の地味な邦画にしてはかなりの入りで、実は密かなヒット作なのかもしれない
本日の年齢層は自分よりも年配だがまだ現役の男性が多いのも意外だった
いきなりショッキングな事件から始まり、その後近未来ディストピアな日本で暮らす高齢の女性、PLAN75の窓口となる行政の若手職員、そして介護の仕事でタイから日本にやってきている女性のオムニバスで話が進む
SFでありフィクションであるはずなのだが、ドキュメンタリーを見ているような印象で、何度もいたたまれない気持ちになる
おそらく自分が主人公の女性と同じ年齢になった時に展開されるであろう生きづらい日本が描かれていた
PLAN 75についてはタブーを敢えて提示しているが、独居世帯が最も多くなっている日本において、なるべく迷惑をかけずに死ぬにはどうしたら良いかと考えるととても魅力的な選択肢だと感じる
一方でこんな社会はあってはいけない、とも考える訳だが、現実社会を思い起こせば、希望の道は見えてこない
目を背けてきた色んな問題を議論するためには多くの方に観て欲しい作品である
まだまだ頑張れる。
思いとどまって正解ですよ、倍賞千恵子さん今の時代78歳なんかまだまだ。身体は元気そうなので希望を失わず頑張れ。
高齢者を減らしたい政府やプラン75の上層部の動きも描いて欲しかった。
前向きに利用する❓
何が正解なのか…?自身の死生観と向き合う作品
75歳以上が自ら死を選べる制度が施行されている日本の近未来を通して、観客に“死生観”を問う問題作。
2016年、相模原で起きた障害者施設殺傷事件に着想を得て作られた作品だとか
次々と襲いかかる老後の問題、厳しい社会と冷酷な行政…。倍賞千恵子演じる主人公の姿は他人事ではなく、40年の自分の姿かもしれない。そう思うと想像するだけで心が憂鬱に。
キャストがいいよね。倍賞千恵子と河合優実の邂逅、電話のやりとりに心が揺さぶられる。
磯村勇斗とオジとの関係性も…。
華やかなエンタメ映画が話題の中、本作のような静かに暗く、じんわりと沁みる、ある種問題作がかなり新鮮。
“自分ならどうする?”を突きつけられる、死生観と向き合う作品。
リアルすぎるリアルさが効果的
高齢者の再犯率が高いという記事を読んだことがあるが、社会よりも刑務所の方が住むところも食事も確保できる。それで犯罪を重ねてまた塀の中に。
そんな記事をこの映画を見て思い出した。また、劇中で流れるコマーシャル。そんなに簡単に割り切れないよ、という答えを最後で倍賞千恵子が語りかけてくれたようで救われた。
でも、老人にとって社会は生きづらい。仕事もない。住むところもない。なんだか、やるせなさを感じた。
串田和美が出ていたが、リンゴの木の下でも流れて、往年の自由劇場を思い出した。
高齢者題材の映画製作に感謝します。
往年のサクラ(フーテンの寅さんの妹)を主人公役に抜擢して、社会的弱者、
この映画では高齢者ですが、の現実を映像制作してくれてお礼申し上げます。
この映画のPLAN75の公的安楽死キャンペーンは恐ろしいです。
主人公が絶望の末に、このキャンペーンに参加して、離脱したのは救いですね。
人生に絶望して、隣のベッドの男の臨終が瞼に焼き付いているはずなのに
夕焼けをみたら、いつの間にか好きなメロディーを口ずさんでいた!
生きていて良かった。もう一度生きてみようと思い直したのですね。
この映画のクライマックスでした。
命が続いていれば、五感に響く事象がきっとあって、希望も生じることもあるとの
制作者の訴えでした。
ありがとうございました。
良かったのはテーマだけ
あえて書きます。
とても大切なテーマで 大事にしてほしかったテーマだけど、 何でもっとストレートに素直に作れなかったのか。
もっとストレートに、こういう法律が成立して それはこういう流れで、そのなかでこういう戸惑いを感じる人がいて…。と構成してほしかった。
私の好みとかでなく今どういう流れなのと こちらで理解しようとしないと分からない場面がいくつかあった。
なおかつそこに(間に)挟んだ 少なくないワンシーンたち(ボーリングで若者と喜ぶシーンとか路上の女の子を見つめて手を振るシーンとかとかのエピソードぽいやつなど)が邪魔。
流れを遮断している。 必要ない。
そして、ここでのテーマ
「高齢では生きにくい今の世の中」
「政府も負担になっている高齢者対策」 を、もっと全面に出してほしかった。
最後の展開。そして光を背に浴びた山々の風景は何を意味する?
「生」への期待か?
「生きる喜び」か?
「プラン75」の意味するものじゃないだろ、と言いたい。
命あっての物種
非リアルの中から滲み出るリアル
映画はそもそも、非リアルの世界をリアルに映し出す作品が主流にあるが、この作品は、非リアルの中からリアルが滲み出てくるような作品だ。
社会というシステムを維持するがために、個の人間を切り捨てられる制度。それに対する葛藤や反感が、淡々と、なおかつリアルに描き出されていく。説明チックでないだけに、様々なシーンの持つ意味が、よりリアルに響いてくる。
ラストシーンは、来るべき明日に向けて、生きる意思を固めているようにも見えるし、人生の終焉を象徴しているようにもとれる。
「死」という絶対的なテーマに真正面から取り組んだ力作だ。
倍賞千恵子さんをはじめ、役者陣の表情がとても良い。河合優実さんには、これから特に注目していきたい。
「PHP蛭子能収さん」
これが『一億総活躍社会』の現実か
よくぞこんな問題作を作られたという気持ちでいっぱいです。
内容からして賛否両論は確実。カンヌでカメラドール特別賞を得た今作ですが、恐らくは観た方の中には「こんなのが日本の現状と思われたら堪らない」「高齢者へのリスペクトもないのが今の日本なのか」などという気持ちを持たれる方もいるかもしれません。
それが本来抱くべき正常な気持ちだと思います。
『PLAN75』という仕組みはフィクションです。
しかし、今の日本の高齢者で単身&低所得の方については、実際にこんな生活を送られている方が大半かと。
年金だけじゃ生きていけない。
けれど、高齢者なので(健康面でのリスクが高いので)仕事がもらえない。
生活保護も受給出来ない。
そうこうしているうちに、賃貸の更新時期が来る。
収入もなく、身寄りもないので、更新を断られる。
住む場所すらなくなる。
たまに立ち寄る炊き出しだけが頼みの綱。
恐らくは『PLAN75』というシステム自体が取り沙汰されそうな今作ですが、それ以上に現在の『一億総活躍社会』の矛盾を浮き彫りにさせた貴重な作品でもあります。
なお、これべつに75歳以上の方に限った話じゃないんですよね。
他者との絆もお金もない人生。
改めて、人との繋がりやお金を大切にして生きることの意味を学んだ映画でした。
良作。今のところの今年ベスト。
優しさの仮面の下
本作は早川千絵監督長編デビュー作という事らしいですが、間違いなく名作だと思えるが好き嫌いは結構分かれると思える非常に厳しい内容の作品でした。
テーマ自体は今までにも似たような作品は沢山思い浮かびますが、自分がこの年齢にどんどん近づいているせいもあるのか、これ程切羽詰まった感覚で観たのは初めてかも知れません。
基本、もしこうなったらというSF設定だと思うのだが、余りにも現実社会に近くリアル過ぎるので、この設定(75歳以上になったら、死を選択できる制度)自体を絵空事と思えなく息苦しさまで感じられる程でした。
逆の尊厳死を求める側の作品も過去何作もありましたが、国の制度として尊厳死を勧めるというのは、全く意味が違ってきて、それは国家としての今までの政策の誤り(失敗)を国民になすり付けるという意味となり、いくら社会としての正論であったとしても国家的な暴力であり許されるべきものではない筈なのに、これが日本人の国民性をも利用した優しさの皮を被った残酷さ非道さを見せつけられられ、ある意味恐怖映画の要素も感じてしまいました。
本作は説明台詞を一切排除して、観客は映像だけで物語を理解しなければならない様に作られています。
私は基本的にはこのやり方に賛成なのですが、私が観に行ったのは平日で客層の大半はこの作品のタイトルの様にほぼ70歳以上の方ばかりが目立ち、66歳の私が若く感じられる程で、そういう客層にはこの作り方はひょっとしたら不親切だったかも知れないと思いました。
ラストの主人公の行動や、ヒロムの行動の意味が理解出来たかどうか?、一瞬でもスクリーンから目を離すと、重要なシーンを見落とし理解出来ない部分が多々あったように思えました。
本作の倍賞千恵子の代表作でもある『男はつらいよ』シリーズが何故国民的作品に成り得たのか?を考えると、あれ程の名作でありながら非常に分かりやすかったという事です。それは作品の源流と同様の“優しさ”で作品が作られていたからだと思います。
本作の場合は監督のデビュー作であり、作家としての才能に溢れた作品ではありましたが、客層(高齢者)に合わせた優しさがもう少しあれば完璧だと思いました。
ここで客層と言ってしまいましたが、本作の場合高齢者対象の作品という事では決してありません。
むしろ、本作の主要登場人物のヒロム、瑤子、マリアなどの年齢層こそが本来のターゲットの客層であるべき作品でした。
本作の様な政策(過去の失策に対する尻拭い政策)が現実化した場合、当然その職務に就くのは彼等世代であり、彼等はこの職業に対してどういう考えや気持ちで就くのか?、これこそが本作の最も重要で核心となるべきテーマなのです。
という事で本作は是非、若い人達に観て貰いたい作品であり、くれぐれも“優しさ”の仮面に騙されず、本来の人間性について考えて頂きたいと切に願います。
追記.
もし私がSFとして物語を作るなら『PLAN 75』ではなく『PLAN 15』にすると思います。
自殺大国の日本なら15歳から死の選択権を与え、どの世代が一番多く希望するかで、今の国の実態が分かり、国の完成度・成熟度を測る通信簿作成という皮肉を込めたストーリーにしてしまいますが、これだと『世にも奇妙な物語』テイストになってしまいますが、テーマは分かりやすいかなと…(苦笑)
未来社会ムービー
75歳での死を選択できる法律が施行された、未来の日本の物語。寄るすべなき高齢者は、社会からも追い立てられ、行く場を失い合法の死を選ぶ。倍賞千恵子が、淡々と働き努力する老女を演じ、素晴らしい完成度だった。
近未来の日本のドキュメンタリーっぽくて、なかなか深刻な話。というか、現在もこれに近い情勢ではあって、放っておくと明日はこうなるという現実であり、怖いとも言えず、なんとも複雑な気分です。死を選択するような社会は、そもそも文明の衰えの表出だと思います。今の日本はその入り口に踏み入れてしまったところでしょうか。
個人的には、セーフティーネットとしてのベーシックインカム(物資提供含む)を考えるべきと思います。オートメーション化による大量生産は実現できているのだから、政府傘下工場で生産した画一品で、最低限の衣食住は守られる世界は実現可能ではないでしょうか。50兆円以上コロナ対策で投じられるのだから、得意のハコモノ投資で衣食住用の工場は数年でできるはず。そこで生み出されたモノが現物供与品とし、1人月7万円のうち、半分くらいは現物支給になり、予算的に現実味を帯びる。
さすがに本作、このままではあまり救いもないので、アンサームービーが、作られる事を期待したいものです。
早川千絵監督、今後もどんな作品を撮るのか、楽しみです。
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