「安楽死に妥協を許さない作品」PLAN 75 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
安楽死に妥協を許さない作品
安楽死を容認する近未来を描きながら、それををよしとしない視線。
そこに新しさは感じないが、命を右から左に流すことの是非を鋭く抉る。
命の選択は、けっして役所のやっつけ仕事ではない。
事務的に済ませるものではない。
PLAN75を選択する者も執行する者も、心なしではすまされない。
そこは譲らない。そこはぶれてない。
居場所のない孤独に甘んじてはいけないし、許してもいけない。
そこは粘り通さなければならない。
アメリカ映画では安楽死を正当化する作品が散見される。
だが、早川千絵はけっして妥協を許さない。
倍賞千恵子は、監督に倣って、抑えに抑えて、運命に抗っている。
その姿がいつまでも心に焼き付く。
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