「木内みどり主演だったら・・・号泣してたかも」PLAN 75 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
木内みどり主演だったら・・・号泣してたかも
PLAN75。あくまで架空の設定に過ぎないのだが、現実をもとに考えざるを得なくなってしまうことが明らか。そして、主演が倍賞千恵子。お帰り寅さんですでにすごく老けてしまったことはわかっていて、つらい。どう考えてもつらいということしか思いつかなかった。
観る前から個人的に強く思ったことは、PLAN75を受け入れるということは「負け」に他ならないのではということだった。そして、それに追い討ちをかけるような描写が、観たあとさらにそれを決定的にしてくれた。例えば、役所の職員役の磯村君が取り次いだ電話の相手先をスマホで調べ、産業廃棄物会社のホームページを見る場面。散骨以下の隠された事実。団体プランのカラクリ。身寄りのない孤独死予備軍に訴えかける。それは自己犠牲に近い善意を逆手にとっている。役所のPCを扱えなくて諦める場面は「私はダニエル・ブレイク」を想起させられた。
家の施錠はしないで下さい。これも遺品かたずけ専門業者が直ちに入り、処分されることを示唆している。さらに最後の所持品を処理するシーン。フィリピン出身の介護師が給料の高い職場として教会のNPO職員から斡旋される最終処理場。炊き出しの公園にPLAN75の宣伝のノボリ旗。臨時受付デスク。善意と背中合わせの勧誘。バケツの汚物をかけられる役所の職員。
私は騙されない❗
倍賞千恵子以外に主役(ヒロイン)は考えられないというご意見のレビューが目立つ。そりゃ、倍賞三津子では強過ぎる。三田佳子でも強過ぎる。夏木マリなんか問題外。
もし、あの女優さんが生きていたら、倍賞千恵子よりうんと悲しくて、泣けたかもと思った。
それは、木内みどり。
「10万円の最後の報酬」は安過ぎる。若い女性監督はケチだなぁと思ったが、悪質な公共事業を強調するためだと呑み込んだ。
コールセンター職員役の河合優実との1日15分のやり取りだけが楽しみだ。
オヤジ目線で恐縮だが、ボーリングまで付き合ってくれたら、もう死ぬ選択肢は霧散して、キャンセルすることしか頭になくなるだろう。クリームソーダはおかわりするに違いない。
このテーマで複数の監督作品を同時上映するという企画も面白いと思う。瀬々敬久監督だとヘブンズストーリー並みに長くなりそう。
自由選択のように見せかけて、実は強制。
公園のベンチにホームレスが寝ることが出来なくする為に、肘掛け遠をつけて役所の職員と業者があれこれやり取するのは悪意が無いだけ、悪質
はじめまして、カールⅢ世さん
みかずきです
フォローありがとうございます。
10年近く、kinenote、yahoo映画レビューなどに映画レビューを投稿してきましたが、こちらのサイトには、今年2月に登録したばかりの新参者です。
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