「緻密に構築されたウェストコーストロック史」ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
緻密に構築されたウェストコーストロック史
至福の120分。
幸せだった。
60年代中盤から70年代にかけて、LA郊外のローレル・キャニオンに錚々たるミュージシャンたちが移り住んだ。まさに聖地だった。
これは彼らの貴重な映像とインタビューで綴ったウェストコーストの音楽の正当派アンソロジー。
ウェストコーストのロックを音楽のルーツとする自分にとって聖典となる作品。たくさん答え合わせができたし、たくさんの発見があった。
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まずはバーズ‼︎
彼らは別格だったのですね。皆んなバーズになりたかった。その空気感を全く知らなかった。改めてウエストコーストロックの起源を『ロジャー・マッギンとジーン・クラークとデイヴィッド・クロスビーの偶然の出会い』と定義した。
ローレル・キャニオンの住人たちの中心にいたのはママス&パパスのママ・キャスことキャス・エリオットだった。人柄なんだろうなぁ。
同じくママス&パパスのミシェル・フィリップス。「ビッチだった」という自身の潔い証言にスト〜〜〜ンと腑に落ちた。圧倒的に美しい彼女がどうしていたんだろうという長年の疑問がいとも簡単に解決した。ますます彼女が好きになった。
そしてジョニ・ミッチェル‼︎
この作品の中で何度も彼女の天才に触れ涙した。変則チューニングをするジョニを見つめるエリック・クラプトン。傍らにいるデイヴィッド・クロスビーのドヤ顔が😅訪れるアーティストたちにジョニの歌を聴かせて驚かせたかったというクロスビー。この気持ちメチャわかる。
ジョニとグラハム・ナッシュのロマンスもクライマックスのひとつ。名曲”Our House”ができるまでのアツアツな二人が愛おしい。何故別れた?という最大の疑問に対する答えもさりげなく用意されていた。
それにしてもドアーズのジム・モリソンのカリスマ性はいったい???神なのか???
そしてジャクソン・ブラウン登場。
まさに”2nd Wave”だった。彼をレコード・デビューさせたくてアサイラム・レコードを作ったというデイヴィッド・ゲフィン。それほどの存在だった。
グレン・フライのロック・スターになるぞというギラギラ感も強烈。ドン・ヘンリーとの出会いはまさに奇跡。
イーグルス結成のフィクサーの一人がリンダ・ロンシュタットだったんだ。まあ、リンダのバックバンドがイーグルスの母体なんで驚くことはないか。
結成時には思いもよらなかっただろうイーグルスの世界制覇。バーズを超えたのである。
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いや〜、これはホント凄かった。クライマックスの連続で息つく暇がない充実作だった。
DVDを買って嫁さん💕に見せたいと思う。
言葉では伝えられないことがたくさんあるので。