「《漫画原作の邦画》として平均的な完成度」Gメン ネコと映画と人生とさんの映画レビュー(感想・評価)
《漫画原作の邦画》として平均的な完成度
基本的に『漫画の実写化作品』は殆ど鑑賞しないし 鑑賞したとしても大抵は『原作未読』な私ですが、本作【Gメン】は週刊少年チャンピオン連載時から好きな作品で 単行本も買っていたので、嫌な予感はしつつも思わず鑑賞してしまいました。
【ストーリー(脚本) & 演出】
原作漫画の[エピソードがてんこ盛り]で エピソードの内容に関しては[基本原作に忠実](←かなり内容は省略はされてたし 肝田は童貞のままだったけど)なのですが、ちょっと《エピソードを詰め込み過ぎ & 駆け足気味なストーリー展開》だと感じました。まるで《『Gメン』をダイジェスト化》した様な 大雑把でスピーディーなストーリー展開でした。
原作漫画を読んでいた私は「あぁ このエピソードや登場人物は 物語全体のあの辺か」と言うのは分かりましたが、もし自分が原作未読だったとしたら「次々に登場人物が増える」割には「キャラを掘り下げない」ので「誰がどんな立ち位置か」が分からないうちに[次のエピソードに突入し 更に登場人物が増える]ので、付いていけなかった可能性も無くはないですね。
…とは言え、難しい映画じゃないし「頭空っぽ」にして楽しめば それなりに楽しめるかも知れません。演出に関して言えば[原作のテイスト]を損なう事のない、漫画の実写化映画にしては割とまともな方だったと思います。 (ただし「喧嘩のシーン」は 原作よりもアクション感がありました)
脚本評価 ★★☆☆☆
演出評価 ★★★★☆
【キャスティング(配役) & 演技】
[門松勝太/岸優太]
[肝田茂樹/矢本悠馬]
[梅田真大/森本慎太郎]
[瀬名拓美/竜星涼]
上記の四人の配役に関しては、原作のビジュアルに寄せていたし キャラクターの性格も原作通りと言っても良いものでした。 特に『梅』と『肝田』はビジュアル•演技共に最高でしたね✨
[凪竜二/りんたろー。]
本作唯一の『謎の配役』 一体この人を起用して「どんな客層を呼び込める」と言うのか疑問。 しかもビジュアルも 原作の『凪』とは大違い過ぎて原作に寄せる気が無いし、挙句キャラの性格付けも変更されてるしで、違和感しかなかったです。この配役で完全に「配役評価は☆1つマイナス」ですね。
[雨宮瞳/吉岡里帆]
本作で1番笑えるシーンは、吉岡里帆演じる『雨宮先生』の登場の件です。 久しぶりに振り切った吉岡里帆をスクリーンで観ました。 Gメンに合わせた最高の演技でした。
[上城レイナ/恒松祐里]
本作でも 勝太とレイナのエピソードは好きなエピソードでした。恒松祐里さん 上手くレイナを演じてくれていたと思います。
(ちなみに、鑑賞前に知っていたキャストは『吉岡里帆さん』と『恒松祐里さん』だけでした)
[伊達薫/高良健吾]
最初 伊達が登場したシーンを観た瞬間「伊達に高良健吾を持って来たかぁ〜」と思いました。ビジュアルは違うけど 伊達っぽい雰囲気は醸し出していて「流石だな」と思いました。
[八神紅一/田中圭]
コチラも伊達同様 ビジュアルどうこうではなく 八神っぽい雰囲気で良かったと思いましたよ。
(でも確か【Gメン】ってもう1人「長渕剛」似のメンバーが居た筈なんだが、流石に「マズい」と思って 居ない事になったのかなw)
配役評価★★★☆☆
演技評価★★★★☆
【映像 & 音楽】
映像的には[漫画を原作とした邦画]の平均レベルかと。 音楽は『クロマニヨンズ』の曲が 青春映画•不良映画っぽくて良い感じかも知れませんね。
映像★★★☆☆
音楽★★★☆☆
【総括評価】
ストーリー評価でも触れましたが、ストーリーの《駆け足感》や《ダイジェスト感》に「どれだけ原作未読の方が着いて来れるか?」が問題かと推察される出来の作品でした。
(『Gメン』の原作を読んでいた方なら 普通に楽しめる出来ではあります)
ただ「作品の出来に対して レビューの平均点が異常に高い」のは謎です。 公開から2週間が経過した現時点で《4.5点》の評価だけど、普通この出来なら3.0前後なんだけどなぁ。
【備考】
エンドロールでは 撮影中のシーンやフォトショットなどが見れますが、エンドロール後に「特にシーンは無し」なので 早々に離席しても問題はありません。