「疾走感と爽快感」Gメン Macさんの映画レビュー(感想・評価)
疾走感と爽快感
原作は少年漫画。原作未読。
テンポ良く話が展開し、観終えた時の爽快感が心地よい。主題歌はこの作品の疾走感を後押しするような曲。テンポの良さの割には歌詞が深い。映画も同じ。個々のキャラクターたちが抱える悩みは深い。作品全体はギャグやアドリブが満載で明るいからこそ、その悩みが引き立っている。
だが主人公の過去はぼんやりとしか描かれない。これは意図してのこと?シリーズ化したいとか?
キャラクターたちはどれも個性的。おバカで熱い主人公。しかも弱そうに見えるのに実はめっちゃケンカ強い。レディースなのにピュアなヒロイン。清純派かと思えばぶっ飛んだ女性教師。他にも昭和臭い高校生やらプロレスオタクやら、イケメンなのに天然な優等生やら…
役者の皆さんキャラに負けてなかった。特に主人公(岸優太さん)と女性教師(吉岡里帆さん)は凄かった。監督のインタビュー見た時に、役を本人(岸さん)に近づける…ようなことを仰っていた。それが上手くハマっていた。演技が自然で嘘を感じない。映画を観た後、彼はこんな性格の人なんだろうなと納得してしまった。
吉岡里帆さんはあんなに美しいのに振り切っていて凄かった。声を出して笑ってしまったのは吉岡さんのせいです!この作品で吉岡さんのファンになりました。
30オーバーの役者さんたちは登場しただけで画面が色付く感じだった。田中圭さんと高良健吾さんの落ち着きと格好良さと言ったら…
尾上松也さんはマジで怖かった。この方たちはホントに安心して観ていられる。
アクションシーンもご本人たちがやっているらしくて驚いた。とても見応えのあるアクション。田中圭さんってこんなに動けるんだ。高良健吾さんってこんなに綺麗なアクションするんだって興奮してしまった。岸さんもバク転してたり、ブランコ上手く使ってたり、運動能力高いのがわかる。久しぶりにこの感じのヤンキー映画を観たけど、アクションが目を背けたくなる感じのやつじゃなくて、「カッケー!」って思えるやつだった。
この映画の見所はたくさんあって、人によって違うと思う。個人的には友情の部分が良かった。バディ感というか。主人公勝太と瀬名、勝太と伊達。伊達と八神。協力し合うところや、無条件で信じてくれるところはグッとくる。吐露した悩みを笑わず茶化さず受け止めるところもとても良かった。
エンドロールも微笑ましかった。
映画館を出る時には、心做しか足取りが軽くなっていた。不思議なほどの爽快感。熱量を感じて元気になれる。頭空っぽにして楽しめる映画だ。