「青春アクション映画」Gメン まきさんの映画レビュー(感想・評価)
青春アクション映画
男子高校生の青春を20代後半からアラフォーまでの大の大人が大真面目にやってます!
男子高校生のおバカなコメディ的要素と仲間とは、友情とは、臭いけど憧れる、そんな熱い思いが絶妙にマッチした見応えのある作品です!
そしてなんと言ってもアクション!
今までアクションを売りにしてきたわけではない俳優陣がスタントほぼ無しで挑んだド派手なアクション!
勝太を演じる主演の岸優太さんに関しては全てご本人が、カメラも追いつかないほどの速さだったとか。
映像として繋げる時も速さを変えていないとか。
机に滑り込んで蹴飛ばすシーンも、蟹挟みのシーンも、高良さん演じる伊達とのタイマンシーンも、尾上さん演じる加藤とのタイマンシーンも、あれもこれも全部ご自身であのスピード感でされたとのこと。
だからこそ、演技パートでのあのひりひりした緊張感が生まれたのだと思います。
アクションのみならず、バカみたいに女の子を追いかける姿、女の子からのお誘いに浮かれまくる姿、大切な人を傷つけられてブチ切れる姿、友人たちとバカやって楽しむ姿。
そのどれもがバカで一生懸命で誰からも愛される門松勝太であり、岸優太さんでした。
そして脇を固めるベテラン俳優さんたちが熱い!
勝太とバディとして描かれてる瀬名を演じる竜星涼さん。前半は天然イケメンとして勝太の愚直さ、一生懸命さ、岸優太さんの面白さ、魅力を存分に引き出し、後半は長身を活かしたアクションでスクリーンを飛び越えてくるんじゃないかと思うくらいの迫力があった。
勝太の転校してきたG組の一員である肝田を演じる矢本悠馬さん。名バイプレイヤーと評される矢本さんだからこそのギャグとシリアスの振り幅の広さ。肝田の存在がシーンのテンションを作っていた。
勝太の先輩であり、伝説のGメンである伊達を演じる高良健吾さんと八神を演じる田中圭さん。伊達の漢気、八神のおちゃらけながらも一本芯の通った信念のようなものが物語の軸になっているようにも思えた。
天王会の頭の加藤を演じる尾上松也さん。Gメンの登場人物全員にコメディ的愛らしい要素がある中で、唯一狂気に全振りしきったことで、この映画がただの「アイドルがアクションがんばりました映画」にならなかったのではないだろうか。一瞬でも気を抜けば加藤にやられるという緊張感や恐怖心を観客に植えつけられるからこそ、あのアクションたちが映える。
そして、女優陣も俳優陣の勢いを上回るほどの熱量を感じました。
本作のヒロインであるレイナを演じた恒松祐里さん。レディースのヘッドという立場から皆の前では強い自分でいようとする姿から、勝太に「頼ってくれていいから」と言われて、少しずつ素直になっていく姿が可愛らしく、愛おしい。
G組の担任になった雨宮先生を演じた吉岡里帆さん。こんな吉岡さん見たことない!今までの清楚で穏やかな印象とは打って変わって激しく暴れ回る。その中でも自分の身を挺して生徒を守ろうとする熱い姿や胸ときめく可愛らしい笑顔でスクリーンに華を添えていた。
俳優陣目当てでも、アクション映画好きでも、青春映画好きでもコメディ好きでも、どの層でも満足できる作品だと思います。
そして、アクションもコメディも一度では見きれない。だからもう一度見たくなる。何度も見てるうちにもっともっとと中毒のように見たくなる。
そんな作品だと思います。