「ランラン」Gメン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ランラン
原作は未読です。
瑠東監督作はどうにも福田雄一監督の劣化版にしか思えず、去年公開された「極主夫道 ザ・シネマ」「バイオレンスアクション」とダブルで怒り爆発な作品が続いていたので、今作はどうなるのかと思っていましたが、脚本の方がしっかりとした邦画の脚本を手掛けられていたので、その面でまだ安心して劇場に足を運ぶ事ができました。
想像以上に面白い作品に仕上がっており、ヤンキーものとして、友情ものとして、アクションものとしてしっかりと形になっており、良い意味で予想を裏切ってくれました。
所謂舐めてた奴が超強かった的なテイストで始まるんですが、それは序盤だけで、途中から仲間たちの交流や敵対組織に名が知れ渡った状態で戦うといった王道ヤンキーものへと舵を切るので、詰め込み過ぎかな?と思ったりもしましたが、混乱することなくあっという間に観終わる事が出来ます。
G組と言う肥溜めに押し詰められた主人公の勝太と昭和の風格漂う真大、プロレスとアイドル大好きな肝田、チャラ男な薙、イケメンで優等生だけどド天然な瀬名がメインで進んでいくので、登場人物の整理はとてもしやすいです。みんな童貞です。
勝太はとにかくモテたい欲が全面的に出ており、なんだか頼りない感じが出まくっていますが、喧嘩をやらせるとバチバチに強くてそのギャップが良かったです。岸くんの普段のイメージとのギャップもキャラに合っていたなと思いました。
竜星くん演じる瀬名の抜けた感じもたまらなくて、そりゃモテるよなーと思ったり、そのド天然っぷりはいかがなものかと首を傾げてみたり笑。何にしろ魅力的なキャラではありました。
高良くん演じる硬派ヤンキーはもうとにかくカッコよくて義理堅い、自身がゲイのことを信頼する相手には打ち明ける心の強さ、そして前に進む肝の強さ、理想の先輩像にビタっと当てはまるキャラクターでした。30代だからこそ醸し出される魅力だったので、ナイスキャスティングだなと思いました。
田中圭さん演じるちょっとおちゃらけたヤンキーもまた良くて、変なとこで変なキレ方をしては車で事故は起こしますし、チャリは漕げないのですっ転びますし、ポンコツ感MAXですが、いざ喧嘩をやらせると超強い、発言にもしっかり説得力がある、これも田中圭さんだからこその魅力が存分に発揮されていました。
尾上松也さんのサイコな雰囲気漂う厳格なヤンキー、足を狙いまくるコテコテなタイプですが、学生じゃないだろう笑という強者オーラが良かったです。出番が後半に詰まって少なかったのがもったいなかったなと思いました。
吉岡里帆さん演じる女性教師がクセ強キャラで、美人先生と言っても全く問題なしのビジュアルから繰り出されるキレ芸は今までの吉岡里帆さんとはまた異なった魅力が発揮されていて1ファンとして嬉しいばかりです。あの先生にならビンタを食らっても良いかななんて思ってしまいました笑
アクションに力が入っており、スタントを入れつつも役者自身が駆け回っているので楽しむ事ができました。
岸くんがジャニーズ仕込みのバク転やブランコの鉄の棒を回転しながら回避に使ったり、狭いところにスライディングしたりと、バラエティで見る岸くんの顔とはまた違う一面が見れたのがとても良かったです。
高良くんのキリッとした表情から繰り出される切れ味抜群のキックに殴打、避け方もスマートですし、とてもカッコよかったです。
吉岡里帆さんのドロップキックは作中一番ド派手でした。
エンドロールでわちゃわちゃしているのも良かったですし、撮影中も和気藹々としている様子がビシバシ伝わってきて、役者陣が楽しんで撮影に参加できているのはとても良かったなと思いました。これを機に原作にも触れてみようと思います。
鑑賞日 8/25
鑑賞時間 15:45〜17:55
座席 A-6