劇場公開日 2019年10月25日

「時空が錯綜混在した迷宮世界」去年マリエンバートで シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時空が錯綜混在した迷宮世界

2019年12月15日
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一回観ただけでは理解できない難解さだけど、なんか妙に惹かれる作品です。映画は呪詛のような男のモノローグで始まり、ホテルの廊下や庭園の映像が延々と続きますが、この映画の文法に慣れるにつれ、徐々に男女の関係が見えてきます。男は女に対して執着し、女は事実そのものを無かったことにしようとする、男女の想いのすれ違いは、ある意味普遍的です。この二人のやり取りを完璧な構図と複雑な編集により、過去、現在だけでなく空間すら変えて表現していく手法は実験的で、この作品を難解にしている側面もあります。でも、近いようで遠い男と女の関係は、迷宮を彷徨うようなものだとしたら、この手法は確信犯なのかもしれませんね。

シネマディクト