「奇跡のような映画」小さき麦の花 ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
奇跡のような映画
中国西北地方、とても2011年とは思えない暮らし、家族から厄介払いされるかのように暮らし始めた二人。
特になにかドラマチックなことが起こるわけでもないが、土から恵みを得て、互いを慈しみながら、時代に翻弄されて生きる。そんな二人の暮らしを映し出す奇跡のような映画。
自分で日乾し煉瓦を作って家を建て、補助金が出ると言っては借家を追い出される 。それでも淡々と日々を過ごし、それを「幸せ」と言う。
饅頭(マントウ)、林檎、ツバメの巣、嵐の夜と整備されてゆく用水路。麦の穂、コーリャン、花の印。
ロバは野に返し、豚は売る。人生において声を荒げたのはたったの二回だけ。そしてそのいずれをも彼は後悔している…そんな彼の人生とは、彼女の人生とは、一体何だったのか…
みんなもう一度人生を考えてみたら?と言われているような、そんな映画。
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