マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
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頭からしっぽまで永野芽郁
監督のこだわりなのかどうか、わざとらしい構図のカットがちょっと気になった。
永野芽郁と奈緒、窪田正孝など俳優陣の演技が素晴らしいので、逆に演出や脚本のアラが目立つのかな。吉田羊が演じたようなおばさんって、いるよね。
それにしてもひったくり犯のくだりが不自然極まりない。
ほとんど人通りのない田舎道で、犯人は獲物をずっと待ってたんだろうか。それとも衝動的に犯行に及んだのだろうか。翌日なぜか少女を追いかけるひったくり犯。さらにその少女はシイノがバスで出会った少女だったというご都合主義。さらに、女性のシイノが軽い骨壺で殴っただけで、ヘルメットを被った犯人が吹っ飛んでしまうという、これまたご都合主義。
…と、まあ、アラを探せばいろいろあるが、無駄な描写を省いてストーリーがテンポよく進むのはよかった。
あと、永野芽郁ちゃんをずっと見てられるのがいちばんよかった。
モーニング 釣り&歯磨き
シナリオは嫌いではないです。
初めに親友の死の知らせを聞き、生前「一緒に行こう」と話したまりがおか岬に行くまでのシーンに、親友とのエピソードを入れ、回想していく構成。
久保田正孝さん、良い役しています。口数少ないですが、彼が永野さんにかける一言がじんわりと染み入ります。
ただ、主人公の行動や、敢えて独り言のように口に出すセリフはなんだか嘘くさく感じてしまって残念。
それでもラストのブラック企業~労基の流れは思わず笑ってしましました。
救う
マリコのような環境で育ち、ある種洗脳されてしまった人、DVをするような男をひきつけてしまうような人を救うのにはどうしたらいいんだろう。
少し似たような境遇の知人がいたことがあり、ベースとして『自分が悪い』、『自分みたいな人を好きになってくれるんだから』という意識があり、よく心配していた。
その知人は色々あり、今は元気に生活しているけれど、
もし自分の唯一の友人が、マリコだったら。
劇中の言葉にもあった通り、彼女の暗い部分はとても深く、到底支えられないほどだったら、と考えると呆然としてしまう。人を支える、救う、なんて本当に難しい。
それでも、思いがけず誰かを救うことが、自分にとって生きる活力になったり、『会えない人に会うには、自分が生き続けるしかない』という言葉を信じることで、人はなんとか生きていけるのかもしれない。
シィちゃんが、『どんどんあの子の綺麗な部分しか思い出さなくなる、面倒くさいとか思ったこともあったのに』と、真っ直ぐなところにも心を打たれた。面倒くささも含めてマリコのことを愛していたんだな、と思った。
友情でも愛情とも家族愛ともちがう、唯一無二のふたりの関係がリアルに感じられた。
つい、いつまでも一緒にいられると思ってしまう友人のことを、もっと大切に、沢山思い出を作りたいなとも思った。
原作が好きだからこそ、
情景がより深くまで見え、だからこそ余計に良く見えたのかもしれないが。
奈緒さんがひたすらに良かった。
原作を読んでイメージしていたマリコそのものだったように思う。
原作は一巻以内に収まるほどの短編で。やはり実写化するならこれくらいの短くも中身の濃ゆいストーリーを、原作に沿って忠実に再現するのが最も良いように思う。
自分の中ではすごく丁寧に描いてくれていたと感じ、嫌悪感は一度も抱かなかった。
そしてやはりストーリーが素敵だなと再認識。
自分の大切な人を重ねると、涙が止まらず終始号泣していた。
最後の手紙のシーンも素敵だった。
永野さんはどうしても人柄の良さが出ていたけれど、それがあんなに面倒くさいマリコを大事に思っていたシイちゃんの人間味に繋がっていて良かった。
頑張ってる永野芽郁を見れた
テレビドラマに出ている永野芽郁を見てると、
まあ、アイドルに毛が生えたような感じがしたが、
この映画ではもう一歩女優として踏み出している感じがして
好感が上がった。
ちょっとやさぐれた感じといつもの永野芽郁が交錯している感じで
きっと数年もすればもっといい味が出せるのではないかなと思った。
映画の内容は微妙にコミカルな設定であるにも関わらず、
虐待→自殺という思いテーマを扱っていて、何となくアンバランスな
感じがしたかな。
これは僕がいつも感じていることなんだけど、
漫画でない限り、主人公の一人語りは自分に酔いしれている痛い人という
印象が拭えないのであまり好きじゃない。だって、どんな辛い状況でも、
一言二言独り言を言うことがあっても、長々と一人喋りをするなんて状況、
幻想でも見てない限りないと思うんだよね。
まあ、トモヨには見えてたってことなんだと思うけどね。
それに状況を説明しすぎな感じになっちゃうじゃない?
別に窪田や両親に吐露すると言う設定でも良かったわけだし。
なんかマリコは子供の頃は父に虐待を、大人になっても彼氏にDVを、
そして自殺。して何一つ救われないドラマトモヨに最後手紙が来て何か
嬉しいことが書いてあって、トモヨ的に何か救われる思いがあったのかもしれないけど、
根本的には単に不幸になるために生まれてきた女性の自殺という何も解決しないのが
スッキリしないかな。
別にトモヨがまりこのお父さんを殴ったところで何も解決はしないんだけどさ。
トモヨは遺骨を奪って逃走して、
そのさきに何があったのか?散骨とは違う形で海に遺骨を撒き散らし、
それを悔やむわけでもなく、なんか結局平凡な日常が待っているという
ある意味リアルでけど、物語としてどうなのか?という感じがした。
これは全体通してそうなのだが、マリコとの思い出を各場所で挿入していくが
全てが悲しい思い出て最後まであげる部分はなく何となく終わった感があり
物語としてはあまり評価しづらいかなと思った。
なのでストーリー★2.5、永野芽郁★1合計で★3.5
男前な芽郁ちゃんの魅力
本作は予備知識を全く入れずに鑑賞して、原作がコミックということも知りませんでしたが、映画観(み)の直観というのか冒頭を観ただけで「ああ、これは恐らくコミックの実写映画だな」という確信がありました。
そして今までの成功した漫画の実写化映画と(良い意味で)同じ匂いがしました。
そうした直観に引きずられ、最後まで一気に鑑賞出来ました。
ただ、よくこういう作品で重箱の隅を突く様な感じの感想の人を見かけますが、本作の様な作品は其処を無視できる人しか本来観るべきではないのでしょうね。(基本、リアルや整合性が売りの作品ではありませんからね)
これは余談ですが、この劇場(塚口サンサン劇場)って、上映している作品と何かしらリンクした作品を上映することが多くて、上映前に近日上映の『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』のポスターを見たのを鑑賞中に思い出し「ああ、これとのリンク作品なんだ!!」って思い至りました。
本作もなんか、あの作品のノリなんですよね。そう思うと余計に本作が愛おしくなってしまいましたよ。
永野芽郁が主演でしたが、なんか今すごい勢いですね。“のん”とは別の意味で突出した無双感があり、深きょんが出だした頃の感じと似ている気がします。
ジワジワと、よかったな〜、と思える作品
永野芽郁主演です。まあ、ほぼそれだけで観にいきました。「俺!物語」の実写映画でヒロインを演じた頃から気になって、「ひるなかの流星」って、ベタベタな少女漫画原作のヒロインで、おぉ〜これはいい!、と密かに推していました。そうこうしていると、朝ドラヒロインになって、すっかり有名になりましたね。
「君は月夜に光り輝く」って、これまたベタベタな恋愛映画もありましたね。どんなストーリーかは忘れましたが、要は「セカチュー」ですわ。「わたすい」「君嘘」と言ってもいいかな。残念ながら「きみつき」みたいに略語が出来るほどヒットしませんでしたがね。
さて、映画の方ですが、なかなか面白かったです。やさぐれOLのトモヨは、ニュースで親友のマリコが自殺したことを知る。毒親の家庭で育ったマリコ、トモヨはそんな親からマリコの遺骨を奪い、生前に行きたがっていた岬を目指す。
所謂ロードムービーで、登場人物もトモヨと、回想シーンでのマリコ、と岬で出会う男の3人ぐらいしかいない。まあ遺骨と二人が中心なので、独り言かモノローグが多くなる。ならば、漫画にすれば良いのに、と思ったら漫画原作でした。Kindleで速攻で買い、短編なのであっという間に読めます。
原作を読んで思うのは、映画の方も、もっと構図を凝ってみても良かったかも。原作の良さってテンポなんですよね。映画は丁寧な分、モサッとしているかな。「まりがおか岬」へ行こうと思い立つカットも、泣かせたいのは分かるが、もっとトモヨの思い立ったら即行動の
機敏さを出した方が良かったかも。
最後のマリコからの手紙に何が書いてあったのか?映画でも原作でも語られていません。ただ、トモヨはマリコからの手紙を読んで、納得した終わりになっているので、本編からの流れに沿った解釈で良いんじゃないか、と。
たぶん「生まれ変わってシイちゃんの子供になるね。だから佳いひとを見つけて幸せになって」ではないか、と。ハッピーエンドに振り切るなら、こういう救いのある解釈にしたいですね。
永野芽郁ですが、この役どころには合っていたと思います。元美少女のやさぐれOLってのがポイントですからね。でも、こういうドスの効いた役が似合うか?と言われると、美少女枠で言うと、そこは橋本環奈の方が向いていますかね。
菜緒のぶっ壊れた感じは良かったです。彼女の拗らせ系の演技は上手かった。パンケーキ屋のセリフも、途中から肩を落としリラックスして「私はただシイちゃんが心配してくれればいいの」と上目遣いで語る、ここは上手いな〜と。
全てを語らず、読者に解釈を委ねる感じの原作だったので、映画オリジナルをもっと入れても面白かったかも。私なら菜緒のマリコをもっと掘ってみますかね。
父親や交際相手からDVを受けまくってトモヨしか心を許せる相手がいないマリコ。では何故マリコに黙って自殺したのか。助けて欲しいというメッセージは無かったのか。そのあたりを掘り下げたいかな〜。
映画の監督さんは逆で「これはトモヨの葛藤の話だから」という感覚だったようです。なので、マリコの本心は分からないまま、トモヨ目線だけで作品としています。これはこれで正しいんですがね。
気づくと結構、感想を書いてしまった。観た直後は「駄作ではないが、なのが引っかかるのだろう」って程度の感じでしたが、後からジワジワと楽しめる佳い作品でした。
違和感
-要素と-要素とが掛け合わされると+になるということを問わず語りに描くコメディ(ですよね?)。やさぐれOLと彼女のぶっ壊れた(ブロークン)親友マリ子の遺骨との道行きを描いて何故か心に残る映画。
①この映画に出てくる主要人物達はみなネガティブでいながらどこか可笑しい。
ヒロインの永野芽郁(大好演)扮するシィーちゃんは小学生の時からタバコは吸うは、仕事はサボるは無断欠勤するは上司の電話はシカトするは挙げ句人の遺骨を持ち出して逃走するは、やさぐれてぶっとんだキャラでありながら、牛丼を食べるときお箸を持つ方の腕の肘をちゃんと伸ばして食べたり二人分の牛丼を米粒一つ残さずキレイに完食したりと変に律儀(育ちが良さげ)なのが可笑しい。
かと思うと窪田正孝から恐縮しながらもらったお弁当を電車に乗るや否やろくすっぽ挨拶もせずに“うまっ!”と食い出す傍若無人ぶり。
②遺骨となっても存在感を発揮し続けるマリコは、少女期間の境遇(実母に見捨てられる➡️や父親のDV➡️や父親に⚪⚪される)を思えば同情せざるを得ないのであるが、“シィーちゃんが誰かと付き合ったら私死ぬから”と目の前でリストカットしたにもかかわらず、大人になったら、自分の方が男(どうしようもない奴ばかり)と付き合ってシィーちゃんを蔑ろにしたり、せっかくシィーちゃんに救ってもらった筈のDV男にノコノコと会いに行って骨折させられる始末(違った形の自修傷行為か)。
③シィーちゃんが戻るまで遺骨の番をしてくれた心優しいマキオ君も“名乗るほどの者では”とカッコつけたのにクーラーボックスにちゃんと名前を書いてあったのは笑た。シィーちゃんが崖から落ちた時、目が覚めるまで横でじっと待っていて(実はは待っているのが好きなだけ?だから釣りが好き?でも釣り好きは本当は気が短いとと聞くし…)目が覚めたシィーちゃんに,“”
奈緒がエグイ‼️
暗いけど面白い
友人の薦めで鑑賞。
全体的に暗い話ながら、主人公シイノのタフさ、親友マリコへの想いなど伝わってきました。
虐待や離婚、現代社会の闇ですね。
お互い不幸な境遇にあったから、共感できる
ものや深い絆があったのかな。
どんな出会いであれ、親友と呼べる人がいるのは良いことですよね。
まりがおか岬にて要所要所で助けてくれる
マキオもいい味出てます。
結構、死ねないんですよ、ここ。
半年前に試しました。
大丈夫なように見えますか?
見えます。
とか、さらっと言う笑
もういない人に会うには生きていくしかない、というのは印象的な言葉。思い出の中のその人との記憶を大事にする、、現実世界でも大事な考え方と思います。
映画観てから漫画版を読みましたが、改めて破天荒な作品と感じました。
つらい現実があっても、
シイノのように逞しく生きていきたい。
個人的には観るのしんどかったです。つまらないとかではなくただひたす...
個人的には観るのしんどかったです。つまらないとかではなくただひたすら主人公シイノのマリコに伝えられなかった言葉や想い、救えなかった事実が怒涛のようにスクリーンから溢れ出てずっとグスリながら観ていました。永野芽郁さんの演技が凄すぎた。役作りも凄い頑張っていらしたとのことで(非喫煙者なのに役柄の為に喫煙者になったとか…)クズ親父に対する罵倒シーンはマリコのビジョンが被る演出もあって胸が苦しくなりました。その後”2人”でずっと行けなかった海に行く旅はまるで自分も一緒に行っているような物悲しさがありました。他のキャスト、特にマキオ役の窪田正孝さんも良かった。不思議で掴めない役柄がピッタリだった。そしてなんといってもシイノの子供時代の俳優さんが凄い。これからの活躍が楽しみです。
ただ所々空く間が独特で少し長いかなと感じてしまった。リアルではあったけど 笑
何かしなきゃ!
タイトルなし(ネタバレ)
亡くしてしまった人に会う方法は、自分が生き続けることだ
生きて、その人を思い出すことでだけ、会えるんだ
その結論が誰かを亡くしてしまった人へのささやかな希望でよかった。
内容はかなり観る側に投げるような形だったなと思う。
父親の真意も、マリコの最後の手紙の内容もわからない。でもなんとなく想像できる。
多分父親は失くしてから気づくタイプだし、後悔する自分がかわいい人間だろうし、一生直らなそう。
マリコの手紙はきっといつも通りの内容だったんじゃないかな…
だからこそマリコがいる世界が平行してどこかで繋がっていて、日常にマリコがいる感覚になれるというか…
あと、自分の中の大きい後悔を救うには、似たような状況でもう一度やり直す疑似体験をする(救えなかったあの頃のマリコに重ねた女子高生を救う)ことでしか救われないのかもなぁと思った。
マリコのことちゃんとめんどくさいってトモヨが思ってるのがよかった。
ただ綺麗なだけの思い出にしたくない、めんどくさくて苛つくけど、どうしたってかけがえのない存在こそが大切だと思うから。
ただマリコがトモヨに執着する理由はわかるけど、トモヨのマリコへの依存はなんとなくわかるけどそこまで…?って気がして伝わらなかった。
永野芽郁カッコよかった
練習しただけあって、しっかりタバコ吸えてましたね。酒の飲み方も食べ方も豪快で、新境地開拓できたんじゃないでしょうか。
どんなストーリーか全く情報入れずに観たんですけど、冒頭の不動産屋でアパート探してるシーンですでに顔にアザがあって、あぁもしやこれは…って思ったらやっぱりでした。
マリコに焦点合ってるから仕方ないんだけど、シイノの家庭環境とか人生にもとても興味湧いちゃって、その辺も少し掘り下げるか、想像できる感じの演出あったらよかったのにと思いました。
また、窪田くんの役がそっとシイノに寄り添う感じで温かかった。結局は人って誰かに支えられて、助けられて、依存したりもあるかもだけど生きてるんだなって。
きっとマリコはシイノに今までありがとうって笑顔で言ってると思うよ。
この社会の片隅で
鑑賞後、ぼんやり色んな事を考えてはいるのだが、きっとこの感傷も日常にすり潰されていくのだろう。
距離感や孤独って事を考えてる。
コレは友情なのだろうか?それとも自己肯定感を補填する為の無意識な何かなのだろうか?
びっくりする程、単独だ。なのだが、自分も家族を持っていなければ似たような境遇なのかとも思う。
マリコもシイノも社会から一線を置いてるように見える。マリコの場合は故意に隔絶されてもいて痛ましいのだけれど、シイノは煩わしさに耐えられないのだろうか…常に1人だ。
強いからではなく、きっと彼女は怖いのだろうなぁと思う。
そんな彼女を唯一、彼女たらしめる存在「マリコ」
うがった見方だろうか…?
人は1人では生きていけないっていう別の側面を見ているような気にもなる。
彼女の前に色んな人が現れるのだけれど留まる事がない。彼女がマリコ以外を引き止めようとしてないように見えるからだ。
まぁ、でも、特異な事ではないか。
俺にはそう思える。
主演の2人はとても熱演だった。
壊れてるマリコが絶品だった。
物語に描かれてない時間を宇宙の如く膨大に感じた。
なんか2人を通して自分のこれまでを省みている。目立つような重圧を感じてはいないが…シイノのように麻痺してるだけなのかしら?
…。
まぁ、麻痺してるとしても治療するアテも治療出来る人にも心当たりはない。誰かと比べても、その誰かになれるはずもないので、この人生を歩むしかないのは明白だ。
そんな事をツラツラ考えてる内に、シイノが海に向かったのは、半ば強制的に浪費されていくだけの命への反抗なのかなという思いに至った。
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