劇場公開日 2022年9月30日

  • 予告編を見る

「救う」マイ・ブロークン・マリコ のんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5救う

2023年2月9日
iPhoneアプリから投稿

マリコのような環境で育ち、ある種洗脳されてしまった人、DVをするような男をひきつけてしまうような人を救うのにはどうしたらいいんだろう。
少し似たような境遇の知人がいたことがあり、ベースとして『自分が悪い』、『自分みたいな人を好きになってくれるんだから』という意識があり、よく心配していた。
その知人は色々あり、今は元気に生活しているけれど、
もし自分の唯一の友人が、マリコだったら。
劇中の言葉にもあった通り、彼女の暗い部分はとても深く、到底支えられないほどだったら、と考えると呆然としてしまう。人を支える、救う、なんて本当に難しい。
それでも、思いがけず誰かを救うことが、自分にとって生きる活力になったり、『会えない人に会うには、自分が生き続けるしかない』という言葉を信じることで、人はなんとか生きていけるのかもしれない。
シィちゃんが、『どんどんあの子の綺麗な部分しか思い出さなくなる、面倒くさいとか思ったこともあったのに』と、真っ直ぐなところにも心を打たれた。面倒くささも含めてマリコのことを愛していたんだな、と思った。
友情でも愛情とも家族愛ともちがう、唯一無二のふたりの関係がリアルに感じられた。

つい、いつまでも一緒にいられると思ってしまう友人のことを、もっと大切に、沢山思い出を作りたいなとも思った。

のん