劇場公開日 2022年5月6日

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「また名作を観返したくなる一作」オードリー・ヘプバーン yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0また名作を観返したくなる一作

2022年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ローマの休日』(1953)で世界中の注目を集め、その後も数々の名作に出演したことで名優としての地位を不動のものとした彼女の人生を追ったドキュメンタリー作品。

第二次世界大戦中の苦しい経験を踏まえて、後年はユニセフの親善大使として、慈善活動にも力を注ぐようになった、といった彼女の大まかな経歴はよく知られていたものの、当時の映像や当事者の肉声をこれほどまとまった形で視聴することはなかったので、貴重な機会となりました。基本的にはドキュメンタリー形式の作品なんですが、ところどころバレエを用いたイメージ映像が差し挟まれるなどの演出も含まれています。とはいっても、あくまでヘップバーンの人生の局面を映像的に表現したものです。

私人としてのヘップバーンについてはあまり知識がなかったのですが、作中で示される彼女の人生は順風満帆だったとは言えず、しかもその遠因に彼女が幼い頃に経験した戦争による苦難があることが明らかになると、これほど世界中の人々を魅了し、元気を与えてくれる才能に恵まれていても、辛い人生だったのか…、と思わずにはいられませんでした。

一方で、劇中にも登場する彼女の子供、孫が今でも彼女に対して深い愛情と敬意を持っていることも理解でき、特に彼女の孫にあたる、モデルでアーティストのエマ・ファーマーの感極まった様子は感動的です。オードリー・ヘップバーンの出演作をもう一度観返したくなる作品でした!

yui