きさらぎ駅のレビュー・感想・評価
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都市伝説
わいわい複数人で見ると楽しい良B級ホラー
最近の邦画ホラーに全く期待せずにホラー仲間とオンライン上映会をした。
きさらぎ駅の元ネタは大好きで(自分も昔、電車で寝落ちて電気の消えた車内に取り残されたことがある)、どのシーンも見覚えがあり先が予測できる。
と思ったらまさかの(好きな)ループモノで、1周目の段階の見る側の既視感を、2周目は主人公視点で再体験しているような作りがとても面白かった。2周目含めてダレることなくラストまで駆け抜けた。
オチもED後の映像も良かった。
序盤無駄に驚かしてくるチープ感も複数人で見てるとそれはそれで楽しめ、2周目の流れや展開を予測して楽しめる。
主人公と純子に痺れた。
堂々巡りの意味
「きさらぎ駅」に向かう電車に乗り合わせたという会社員風の男、若い男女、女子高生は、実は、何らかの事件・事故に巻き込まれて生死の境をさまよっていたというふうに考えることはできないでしょうか。
作品中から姿を消すということは彼・彼女らが死に至ったことを意味し、また作中に戻ってくるということは、医師らの懸命な蘇生措置で、また生の領域に立ち戻ってきたことを意味する―。
作中で、生還への希望を象徴するかのような「光の扉」や、「トンネル」(二つの異なる世界を結びつける通路を象徴)のシーンが効果的に使われていたことも、そのことを裏付けるように思います。
そう考えると、これはこれで、なかなか「出来の良い」(失礼)作品のようにも思われます。
ホラー・オカルトの類は、これまで、その理由だけで観てこなかった評論子ですが、たまたま地元の映画館での上映を見逃していたことからDVDで鑑賞することになりましたが、結果として「蒙を啓かれた」ような思いがあります。
その意味で、思いがけない一本になりました。評論子には。
物語構成には光るものを感じる
何だコレ!?都市伝説駅
2004年、“はすみ”というハンドルネームでインターネットの掲示板2ちゃんねるに投稿されたのが始まり。
同1月8日23時40分、仕事終わりに静岡県浜松市の遠州鉄道新浜松駅から電車に乗った所、異空間のような謎の無人駅に到着。その駅名は、“きさらぎ駅”。
そこでの奇妙な体験談を2ちゃんねるに実況で投稿。スレ参加者とリアルタイムでやり取り。
“はすみ”はどうなった…?
“きさらぎ駅”とは…?
知る人ぞ知る都市伝説らしいが、全く知らなかった。
知ったのは、いつぞやTVバラエティー『世界の何だコレ!?ミステリー』で取り上げられた事で。これをきっかけにまたまた注目を浴びるようになったとか。
ここぞとばかりに映画化。
これを、便乗商法と言う。
嘘か真か、存在するか否か…?
それらを題材にするのはホラーの定番。最近だと清水崇監督の“実録恐怖の村シリーズ”。
有名都市伝説を題材にして、近年低調のJホラーに都市伝説ではなく伝説を作る…と思いきや、
監督はよく知らない。何本か監督作あるが、B級が多い…。
製作会社も大手ではない。
その危惧は的中。何年に何本も氾濫する、B級ホラーの類い。
この題材じゃなかったら完全スルーしていただろう。
“きさらぎ駅”について調べる女子大生・春奈は、投稿者“はすみ”を探し出し、話を聞く。
その奇妙な体験談、そこで起きた出来事…。
投稿者と同じ方法で電車に乗り、“きさらぎ駅”へ。そこで…。
前半投稿者の体験談をカメラ目線の一人称で見せるのはユニーク。“体験談”を見るこちら側も体験。
が、話や恐怖や作品そのもののクオリティーやレベルなど、何もかもチープ。
突然頭が膨張しての破裂、人体発火炎上、血管のような何か…本当に令和時代なのかと疑いたくなるくらいの超低クオリティー。
“きさらぎ駅”の不気味な雰囲気や謎を押し出せば良かったのに、展開するのはサバイバル・デスゲーム感。
登場人物たちの言動も意味不明。死んだ人がゾンビみたいに蘇って襲い掛かってきたり、「線路の上に立ってたら危ないよ」と親切に執拗に教えてくれる不気味な老人など、怖いどころかもはや笑えてくる。
『“それ”がいる森』や『貞子DX』もホラーじゃなくコメディかネタとの声、声、声…。最近のブームなのか、それともJホラーはいつから爆笑ホラーに成り下がったのか…?
展開やオチも例外なくグダグダ。Jホラーはいつからこんなつまらなくなったのか…?
ヒロインの恒松祐里はキュート。本田望結も可愛かった。
それには救われるが、春奈が体験談を聞いていて他の人たちを助けようと通りすがった車の運転手を殺すのはドン引き!
ヤベー奴と思われても仕方ない。
実際の体験談からかなり脚色。
一人でのさ迷いが、乗り合わせた電車の数人と。
最後は通りすがった車に乗った筈が(そのまま消息が途絶えるが数年後再び投稿)、ドタバタ襲撃の中光る扉へ。
真偽のほどが問われる都市伝説が完全創作に。
まあ、この“きさらぎ駅”自体胡散臭い。
これ以降、私も“きさらぎ駅”に行ったとか、似たような無人駅の投稿も相次いだとか。
そうなってくると、ねぇ…。
所詮は都市伝説だから。
だけど、中には“都市史実”も…??
2ちゃんの話を拡げて映画化
ダメ臭する予告編観ると「こりゃダメだ」と期待せずに観た。
期待せずに観るのが無難な内容だった。
異世界に飛ばされてのヘンテコサバイバルを経て、戻ってきた葉山先生(佐藤江梨子)とその取材にきた大学生堤(恒松祐里)が葉山の体験を追体験する流れ。
よく分からない世界観の中で身体がブッ裂けて死んだり、爆発したり…冒頭の葉山先生の体験記で語られた後に、異世界に紛れ込んだ堤がネタバレ(笑)を駆使して一緒に電車にいた連中を救おうとする。
だが、コメディに見える。
あの世界のモノたちの力やその能力的なものについてハッキリしたものはないから、行動の選択にも正解はなく、何故そこに着いたのかも不思議の積み重ねでそこに至ってしまっただけ…。
2ちゃんねるの話を拡げて映画にしているが、文章ではあれだけ書き込まれていたものが映像化するとこんなに短いのだと分かった。しかも随分な付け足しをしての80分程度の内容。
これは満足とは言い難いと思う。
因果応報の無限連鎖
凡百の駄作とは一線を画すメタ・ホラー映画という評を聞きつけ視聴。演出は最低最悪の部類だったが物語構成にはけっこう粋が凝らされていた。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』から『REC』『パラノーマル・アクティビティ』『女神の継承』に至るまで、ドキュメンタルな臨場感を生み出す手法としてPOV撮影は常に一定の価値と実績を有してきた。ただ本作の場合、遠巻きの三人称撮影ではあまりにも陳腐化してしまう画面をなんとか取り繕うべくPOV撮影に逃げているきらいがあまりにも強かった。恐怖に先んじて撮影現場の予算問題的な哀愁が画面全体に漂っており、そういうホラーはいらねんだよ…と思った。
とはいえ物語の構成は面白い。強引に形容するならば「強くてニューゲーム」的な擬似タイムスリップ物語が『カメラを止めるな!』の文法で立ち上げられている、という感じ。
主人公(大学生の女)が「きさらぎ駅」被害者女性からの伝聞をもとに、次々と巻き起こる怪現象をのらりくらりと回避していくさまは見ていて清々しい。ただ、主人公のあまりにも無機的すぎる攻略作業には知の傲慢とでもいうべき倫理的な引っかかりがある。しかも主人公は連れ添った女子高生を最終的に裏切り、自分だけが助かる道を選択しようとする。
とはいえ本作はホラー映画なんだしこういうのは普通にスルーなんだろうなと思いきや、最後の最後で主人公に罰が下る。そして主人公はただ一人助かった女子高生の代わりに「きさらぎ駅」の無間地獄へと幽閉される。てかジョジョ4部のスーパーフライと同じシステムなんだ…きさらぎ駅って…
しかし映画これで終わらない。今度は被害者女性の姪っ子たちがふざけ半分できさらぎ駅に行こうとする。もちろんその軽率な好奇心の先に待っているのは死よりもむごい恐怖の永久反復に他ならない。思えば主人公も「変な卒論が書きたい」という軽はずみな動機からこのような事件に巻き込まれてしまったのだった。やっぱ面白半分で異世界に行く方法とか試しちゃダメですよね、でもやっちゃうんすよね、という人間の根本的因業性を示すところで本作は幕を閉じる。
都市伝説が題材=クソ映画という先入観を逆手に取ったけっこう面白い物語構成の作品だった。ただまあやっぱり演出は最低最悪で、後半部で前半部と呼応する箇所にさしかかるたびに当該シーンがいちいちフラッシュバックする演出などはしつこすぎて胃がもたれそうだった。いくら何でも観客の知性と想像力を甘く見積りすぎなのではないか、もっと辛口に徹すればより面白い作品になったんじゃないかとつくづく思う。
一番コワいのは人間だ!?
あまり期待していなかったけど、まあまあ楽しめました。
安っぽいストーリーといえば、そうかもしれないけれど、低予算の作品のわりには、けっこうインパクトがあって退屈はしなかったです。
恒松祐里の演技も悪くなかった。それから、意外に、現実世界のシーンの画(映像)は引きしまっていて、なかなか美しかった。
でも異世界でゾンビ(?)に襲われたりするのは、「あれが原因でこうなった」という因果関係がまったく見られないせいもあってか、全然怖くありませんでした。。
場当たり的というか、お化け屋敷的なドタバタした脈絡のない展開。後半は笑えるところも多く、「ひょっとして、これはコメディーなのか?」と思ったほどだった。
しかし、ろくなことが起きない異世界に迷い込むのもコワいけど、ふだんからナイフを持ち歩いている男や、わけのわからんおっさんたちと電車に乗り合わせてしまうこともかなりコワい。
そしてサトエリも……ね。
やっぱり一番コワいのは、人間という得体の知れない生きモノかもしれません。
都市伝説の方を調べてから観賞が推奨です。
『犬鳴村』と同じで、実際の都市伝説の話をキチンと拾って、独自の脚色をしつつ、新しい話にしてますね。
予想外に面白かった♪
ただ惜しいのは、特撮が時おり、ちゃちい…
演技も基本は上手いけど、たまに…
なので、厳しく減点。
でも、話としては星4つです。
惜しいな…
ちなみに、浜松の遠州鉄道は実在する路線で、浜松に行った時に乗った事あります。
久しぶりに浜松に行って、遠州鉄道に乗りたくなりました(笑)
たぶん、この都市伝説、この映画、の影響で、乗客が増えたのでは?
この都市伝説が、こんな有名になる前、初めてネットで読んだ時は、すごい衝撃でした。
どうやら、この都市伝説は創作っぽいけど、映画化までされるとは、話を作って書き込んだ人は誇らしいでしょうね(笑)
ネットに書き込まれた、実際の都市伝説の方を知らない方は、実際の方を読んでから観た方が面白いと思います。
僕は、実際の都市伝説の方が不可思議で怖くて好きです。
意外と面白い!たまにヒヤッと!イラッと!
きさらぎ駅への行き方
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