「もっとも辻褄が合う解答しますね」N号棟 momotaroさんの映画レビュー(感想・評価)
もっとも辻褄が合う解答しますね
これ脚本や監督はその場のノリで作ってるのが丸わかり。
考えて練りに練ってこれだったら「雑すぎ」
まず序盤に「生きている実感がない 不眠」とか担当医だかカウンセラーだかに言われてたけど、タナトフォビア(死恐怖症)ってそういうことじゃないから。 それはただの思春期。
度が過ぎたら離人症・抑うつ・統合失調症になったりするが、少なくともタナトフォビアではない、脚本テキトーすぎるだろ。
監督が最近知った言葉を使おうとしてるだけって感じがする。
タナトフォビアって大富豪に多いんだよな、財産・名誉・人脈・影響力を多く手にしているからこそ失うことが誰よりも怖くなると。
あとは幼い子ども。 今が楽しすぎるからこそタヒぬことが怖いって思いで頭がいっぱいになるというね。
以降ネタバレ
---------------
全体を通したテーマにしてるようだが、認識が雑すぎる。
それと、タヒ体解剖してる男を格闘戦でマウントポジションとってる所で完全に冷めたな。 ハンマーも振るってたし要は肉体作業をしてるのに、ガリガリの女子大生に力負けするって主人公補正 利かせすぎだろ。
警察に突き出すとか言ってたけど、ガラスの破片を突き刺して、さらにアイスピックで首をぶっ刺して、そのうえ連れ回してたから出血多量で瀕死状態になってたじゃないか。 警察に突き出す以前にお前がサツ人未遂してるぞっていう。 そのせいで何でそんな解剖だの血抜きだのハンマーカンマーだのをしてたのかも一切明らかにならなかったし。 登場人物の行動原理も全員意味不明だし、そのあと友人2人も刺しコロしてるし。
とにかく脚本が酷すぎる。
で、ラストシーンで植物状態の母親の管を外してたけど、それ犯罪行為だからな。
本来は延命装置を止める同意書にサインして、医師と娘が立ち会いの元で外すというプロセスになる。
それも無視して、管はずした直後で絶対にまだ死んでないだろうタイミングで、すぐに母の霊が出てきちゃって、なぜかハグするという意味不明展開。
植物状態ってそもそも寝てるのと一緒だから 「コロしてくれ」 とも思わないし、全部主人公の妄想って感じがする。
霊として出てきたから身体を突き抜けるのかなと思ったら普通にハグしてるし。
物理影響がある強力タイプの霊なのか? 違うだろ、すべて自分に都合のよい妄想見てるだけだろ。
だから一番整合性が取れる解答としては 「N号棟は全部妄想」
ネット検索して集団で倒れてる画像をみたところから妄想は始まっていて、元彼と女友達は2人で行ってて、主人公は参加してない。 話を聞いて統合失調症の症状が結びついて、妄想が悪化しただけ。 だから解剖男を相手に無双したのも、登場人物の行動原理が全員意味不明なのも、病院に戻ってきた時に主人公が顔に怪我一つしてないのも全部妄想だから。
これで全て辻褄がある。
管を抜いたのは現実で、母親の霊が笑顔で抱きついてきたのは妄想。
この子、統合失調症だからね。 幻覚症状が悪化してるということ。
まあ、ただひとつ言えるのは、タナトフォビアは克服したんじゃない?
その代わり他人の死にも無関心なサイコパスになったようだが。
妄想とは言え友達を刺しコロしてるし。
自分がタヒぬことが怖くなくなったんじゃなくて、他人の死に無関心になっただけ。
それも母親をコロしておいて、なぜか母親に笑顔でハグされるというご都合主義の妄想をみれるほどにね。
だからこの主人公、もう現実と妄想の区別がつかなくなってて今後普通にサツ人事件起こしそう。
映画の展開と脚本を鑑みたら、こう考えると「最も辻褄が合う」 そういう映画だった。
