「ユクエフメイ」N号棟 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ユクエフメイ
全体的にホラー少なめな2022年、実話を元にしているとはいえ、オリジナルのホラーが観れることにまず感謝して鑑賞。GW効果もあり座席は8割くらい埋まっていました。
可もなく不可もなくって感じのホラー、というかオカルト映画でした。
・登場人物たちの行動が意味不明
主人公はじめ言動と行動が一致していなかったり、精神状態が不安定なんじゃないかと思えるくらい不可思議な人ばかりでした。
主人公は浅く広くの交流を多くの人としており、自己中ワガママという現実にいたらいくらルックスが良くても嫌ってしまうような人でした。他人をモノとしてしか見てないんだろうなと思うくらい振り回しますし、心霊現象を撮れと強要しますし、無惨に野垂れ死んでもそんなに何も思わないくらいのキャラでした。
元カレは割と真っ当な判断ができていましたし、宗教へと染まった理由もありえない出来事が目の前で起こったからなのでそこにも信憑性はありました。ただ、現彼女はどうも宗教に染まるのが早くて、いくらその人の心が弱いとしても染まってから恫喝する側に回るの早すぎじゃね?と不思議に思ってしまいました。謎ダンスの習得も面白いくらい早かったですし、これはギャグとして楽しんだ自分がいました。
宗教の長的な女性も何言ってるんだろうなーと思っていましたが、そりゃ自分の信じているものが全て他人に伝わる訳はありませんし、互いが互いを理解できないのは仕方ないなとぼんやり見ていました。この人の死についての考えは分からなくもなかったです。あと全体的に沸点の低い人達の集まりなのでキレ散らかしまくります。低予算ホラーではもうお約束なんですかね。
・極薄ミッドサマー
完全にミッドサマーをしたかったんだろうなーと思うくらいのオマージュっぷり。投身自殺だったり奇妙なダンスだったり、でもどれも狂気的とまでは言えず、取ってつけたような粗っぽさが目立ちました。オカルトにもホラーにも振り切れなかった結果かどっちつかずの作品になってしまった要因です。
・駆け足&置いてけぼりの終盤
中盤からやたら意味深な描写を繰り返していたのですが、それが終盤一気に爆発していきました。逃げれるんじゃない?というくらい周辺の地域のライフラインはしっかりしていそうなのに、謎を暴こうとしますし、その謎は人肉を食べたり血抜きしたりして食材提供している実態ですが、これも描写として触れるくらいですし、ここがメインテーマの方がまだ面白くなったんじゃないかなと思ってしまいました。
PG12のレーティングはこの血抜きの描写だったり、肩にアイスピッケルぶっ刺したりしているからやろうなと思いました。投身自殺の方だと思っていたのでちょっとモヤモヤ。
最後も主人公は撹乱させようとしているのか、それとも本気で長の事を信じて死後の世界を体験しようとしているのか、そこが全くわからず置いてけぼりにされました。最後自身の母親の息の根を止めて再会したとか、教授が突然いなくなったとか、考察してくれ!と言わんばかりのぶん投げエンドでした。
ちゃんと104分観たはずなんですけど面白いくらい記憶がうっすらとしか残ってない作品です。最後のシーンハチャメチャなくらいのスプラッターになるんじゃないかと期待した自分もいましたがそうはならず。南無阿弥陀仏。
鑑賞日 5/1
鑑賞時間 13:25〜15:20
座席 F-10