「ハウのロードムービー要素が強い」ハウ トダー・オートマタさんの映画レビュー(感想・評価)
ハウのロードムービー要素が強い
この映画は突然婚約者からフラれた市役所職員が
上司の勧めを白い大型の保護犬を飼うことになり
その犬を「ハウ」と名付けて飼うことになる
最初は、田中圭が演じる主人公とハウの生活が描かれる映画だと思ったが
序盤のあたりでハウがどこかに運ばれてしまい
主人公は「事故で死んだ犬がいる」と報告されて
ハウが死んだと思いこむ
ハウは運ばれてきたところから飼い主のところに戻ろうとする
ここから、主人公はペットロスから立ち直ろうとする物語と
ハウのロードムービーが同時進行をする形になる
ハウがここから出会う人は
原発事故で避難した学生
さびれた商店街のおばあちゃん
DVにより修道院に避難をしてきた最初の飼い主
最後に新しい飼い主になった親子
という順番になる
なんとなく、社会問題を抱えた人と犬を絡ませようという
製作者の意図を感じる
映画で主人公とハウとの日常が見たい人は
この展開に肩透かしをくらうと思うし
最終的に主人公のところに戻ってこないことに意見がわかれるかもしれない
そもそも、1年以上も放浪している犬が
なかなか保護されないのは現実的ではないように思う
まあ、最初の婚約破棄するシーンもちょっとありえないとは思うけど
世の中には予想以上のことが起こる可能性もあるから仕方ないのかもしれない
ちなみに「ペットが死んだなら、また飼えばいいんじゃない」
という無神経な発言をする人に少し仕返しするシーンは
個人的には良かったと思う
全体的に主人公と犬の絆という物語的には中途半端な感じになる
ちなみにDV男が自分の妻を取り返すために
修道院に乗り込んでくる場面があったが
そこでカッターナイフを振り回すシーンで
流血している部分があるので、グロいシーンが苦手な人は
そこらへんだけ注意が必要だと思います