「視覚情報はできるだけ少なく"音"を大切にした演出。」カモン カモン おもちまろ。さんの映画レビュー(感想・評価)
視覚情報はできるだけ少なく"音"を大切にした演出。
幼少期の色鮮やかな思い出
時が経ち薄れる儚い記憶
伯父と甥、ぺらっぺらぺらな2人を繋ぐ録音機材。
ラジオなど音だけの情報の場合、私たちは脳内で情景を想像し色をつけていると思います。
モノクロ映画なのはそんな2人の旅の"音"の記録を私達も聞かせてもらっているような気持ちになれてとても素敵な演出でした。
大人になるにつれ記憶が薄れたとしても、その度に"音"に耳を澄ませて"モノクロ"からたくさん想像をして色をつけたい。
君の話を聞かせて。
きっと大人も子供も急な成長は要らない。
急激な変化なんて無理だから、自分のペースで自分を積み重ねればいい。
大丈夫じゃなくても大丈夫。
現在24歳の私も甥っ子くんみたいなところある気がする…。
大人も子供もどっちもどっち。
普通とは違うかもしれないけど、普通じゃない普通を大切に生きている人達に観てほしい。
エンドロールで子供達のインタビュー音声が流れるのもすごく好き!
"音による旅の記録"を観る映画だからこそ、旅で録っていったインタビューが聞けるのが嬉しい!
「ジョニー伯父さんのラジオはこんな風に流れているのね!」と映画の中のラジオ番組を想像してワクワクしちゃいます!
視覚からの情報はできるだけ少なく"音"を大切にした素敵な映画でした!
ずっと前から公開を楽しみにしていた映画なのに仕事に追われてなかなか観に行けず…。
「もうすぐ公開終了しちゃう!!」と慌てて仕事を片付けて映画館に飛び込みました。
私は私で自分らしくありたいと思い続けていたつもりが、社会から求められる"普通"に追われて発狂したくなる時が度々あります。
そんな時にうまい具合に自分の気持ちを表現してくれるような寄り添ってくれるような映画に出会うんだよな。映画ってすごいな。
私は自分の人生のこのタイミングでこの映画を観れてよかった。